片岡義男のレビュー一覧
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購入済み
面白い
片岡義男ファンにも絶対オススメですが、昔の夏、オートバイ、若い男女……そんな時代の片岡義男を毛嫌いしてきた人にもオススメです。
おそらく片岡義男氏のイメージが変わるはずです。 -
Posted by ブクログ
2016.12.23 「ミッキーは谷中で六時三十分」を読む。
クリスマス企画「恋愛っぽい話をする」
〜あらすじ〜
ライターである主人公がひょんなことからバーの共同経営を持ちかけられ、バー店主の娘に挨拶をしに行くことに。ビリヤード台でキューを構えていたその娘と共に舞台は谷中へと移り、あれよあれよ、母親とも会うことになって…。
「これは恋愛なの!?」
「片岡義男って何歳…?」
「女の人が格好良すぎる。男に都合良すぎ!」
女性参加者が圧倒的多数だった今回の読書会では、男女の視点/視線の違いから携帯の操作の仕方まで参加者の意見は終始鋭く、会は司会者の全く予期せぬ方向に加速していく。
所謂、恋 -
Posted by ブクログ
ネタバレ洒落たタイトルである。時間と空間とがねじれた格好でくっついている。いつもながら片岡義男のスタイリストぶりは変わらない。タネを明かせば集中の一篇の題名で、「木曜日」とは、その中に看板だけ登場するバーの名前。表題は初めて訪れた店を再び訪ねるための道順をあらわしている。
もう何冊目になるのだろうか。片岡がこのスタイルで短篇を書きはじめてから。主人公は女性。それもとびきりの容姿の持ち主で、無論独身。職業はフリーランスの写真家であったり、小説家であったりすることが多いが、独りで生きていくための能力を充分すぎるほど身につけている。美貌の持ち主で、その上実力があるから仕事は放っておいても向こうからやってく -
Posted by ブクログ
圧倒的に読むのに時間がかかってしまった。638ページ。読み切った自分を褒めたい。この本を最初から最後まで読んだ人はそう多くないだろうと確信する。評論というには主観的で、エッセイというには客観的だが、バイリンガルならではの独特のリズムの日本語で、「日本語」と「日本人」を斬る。が、あまりに痛烈すぎて少し読み進めるのが嫌だというレビューさえありました…。
人がいわゆる社会人としてまといつけざるを得ない日常の現実味のようなものを、出来るだけそぎ落とした状態で自分を人に提示したいとき、人は自分のことを「私」と呼ぶ。自分がどんな人だか出来るだけわからなくするときの言葉が、「私」という呼び方だ。
人間 -
Posted by ブクログ
一冊まるまる一本のエッセイ。
万年筆とインクと紙について。
それだけの一冊。
万年筆の書きごこちにこだわるために、ペン先を分解して仕組みを調べる。
そのために同じペンを何本も買う。
各会社のブルーブラックのインクを書き比べてみる。
万年筆との相性、紙との相性を検証する。
万年筆に関しては、もちろん手に持った感じやデザインも重要なポイントだ。
何本もの万年筆、何箱ものインク、何十冊ものノート。
字を書くという行為も、極めれば1冊の本になる。
世の中に不必要なものの例えとして「人からもらった万年筆」と書いておきながら、結構人に万年筆をプレゼントしているらしいのは、ご愛敬。(いや、自分勝手