片岡義男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わりと初期の作品?
全体的に文章が技巧掛かっていてめずらしい感じ。あと小道具が多い。
「夜はまだ終わらない」
デザイナーの須美子の長い夜の話。
登場人物たちのセリフのひとつひとつが意味深で読んでいて面白い。
この本の中では一番「片岡作品らしい」感じ。
(あくまでも私が今まで読んだものをものさしにして、だけど)
こういう週末の夜を過ごせる大人の女性に憧れる。素敵過ぎる。
「連絡は、とれないわ。金曜日の夜なのよ、いまは」
ってセリフ、言えないものかねぇ…
「真夜中のセロリの茎」
酒井哲男、岸田洋介、山本奈津子、佐原優子がそれぞれの車に乗って連なって走っているシーンから物語は始まる。
この4人の関係をいろいろ推理しながら読み進めていくんだけど、終わりにオチが待っていた。
しっかりと意表をつかれた感じ。
そういえばこの作品で気付いたんだけど、片岡作品ってフルネームが出たあと男は苗字、女は名前で表記されるのよね。
そのせいか女のほうが生き生きしてくる。
「女らしさ」ってのが強調されるわけだけど、彼女らが女を楽しんでるから全然能動的なのよね。
だからジェンダーにうるさい私でも嫌に思わないんだろうな。
「胸は痛まない」
この本の中で一番好きな話。
待ち合わせの相手が来るまでに盗み聞きした話と直後にやって来た彼女にした昔話がリンクして不思議な感じ。
これもいろいろ邪推してしまった。
夏がまったく駄目な女性、ってのに結構共感した。
こういう女性になりたいというわけではないけど。
「浴室で深呼吸」
寂しい、という感情を、そういえば片岡作品で見たことはない気がする。
少なくとも全面的にそんな感情が出ている物語は記憶にない。
表題作のこの話はそういう意味で異色。
「真夜中の〜」と同様男女4人の話なんだけど関係性はちゃんと提示されていて感情移入しやすい。
それにしても片岡作品は勘の鋭い女性が多いね。
「煙草に火をつけて終わる」
ベストオブ小道具。
いかにも短編らしいひねりのある話。文章とか構成が技巧的。
ホテルの部屋で一人過ごしたくなる。煙草をくわえてみたくなる。男物のシャツを着てみたくなる。そんな話。
「その日はじめてのコーヒー」
片岡作品でよくある、美人の姉2人と同じく美人の母親の組み合わせ。
今回は主人公の姉と母親なんだけど、物語は上の姉との電話の途中にその姉にプロポーズをするところから始まる(実はプロポーズの練習なんだけど)。
プロポーズをするときの緊張感がなかなかリアル。
だけど大真面目でありながら、どこか軽いのが片岡作品の男。
「結婚してください、という台詞を、いつ、どんなとき、誰に言えばいいのかと思って」
とか言っちゃって、余裕だね。
「左右対称」
物語は12月23日、この日が誕生日の後藤幸子、藤田明美、長谷川圭子がそれぞれ男から貰ったたくさんのプレゼントを持ち寄って集まるシーンで始まる。
どうやら長谷川圭子が主人公だったらしく、彼女の元夫とのやりとりが続く。
終わり方は小気味よいけどもうちょっと彼女の魅力を伝えて欲しかった。このままだとなぜかモテる女…ちょっとむかつく、ってことになりかねないし(笑)
まぁその点を無視すれば締めの話としてとてもよかったと思う。 -
Posted by ブクログ
日本語や日本人の思考についての悪口多し。
日本人のことを彼らと言ってみたり、自身はまるで日本人じゃないかのような書き方に少し不快感を持った。
とはいえ、あたっている部分も大いにあるのだろう。
確かに日本人の考え方には問題点は多くあると思う。
日本語は主観的であることも、英語がそうではないことも納得している。
それにしてもマイナス点ばかりが羅列され続けて、読んでいて少し辛かった。
日本語という言語について語っているので難しいのかもしれないが、その日本語を使い、思考している人々に対する提言があってもよかったと思う。日本語のマイナス点をよく理解し、そのうえでどのようにしたらいいのかということに言及してほしかった。読んでいる方としては、ダメ出しだけされて終わった感じがして、おじさんの愚痴を聞かされた感が強く残った。
それから何度も同じことが繰り返されていて、それも辟易した理由の一つだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ珈琲にまつわる5つの短編。
豆大福を食べたことで離婚して子連れで戻ってきた高校の同級生と同居することを思いついたこと。
喫茶店とコーヒー豆のお店を開いた友人の女性の家が
かつて火事になった夜のこと。
父の喫茶店を手伝い独立させた女性と、それを引き継いだ女性のお店に行き、
さらにたい焼き屋さんを開いた女性のお店を行ったり来たりと出前もしたりの日々。
新人作家としてのデビュー作を2つの喫茶店で書き上げた20年前の記憶をキュウリのサンドイッチを食べながら思い出す人の縁。
喫茶店で同じ空間に居合わせる4つの話に出てきた登場人物たちと、新たな登場人物たちの物語の始まり。
作者はキレイな女性が好きナノネ。
世の中はそんなにスマートにできてるとは思えないけれど
それもいいのかな。