片岡義男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前にも書いた気がするけど、昔すごく片岡義男の短編が好きで、本棚の片隅が赤くなるくらい(角川文庫の背表紙が赤かった)読んでいたのと、あとやっぱりこのタイトルに惹かれて読んだんだけど。(なんかかっこよくないですか?)
うーん、なんかおもしろくないといえばおもしろくないような。不思議な小説だった。ほんとにただの喫茶店でのどうでもいいおしゃべりをきいているような。あらすじとか登場人物とかどうでもよくて読んだらすぐ忘れているような。
現実感、生活感がないというか。そこがいいところでもあるんだけど。
でもときどきちょっとした描写がすごく好きなこととかあったりもして。うまくいえないけど、ふっと、好きに、自由 -
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街を歩き、街で食べる。美味しい「食」のエッセイ。
食べ物が中心、というよりは食の周りにある記憶をたどっていくような内容だった。記憶をたどる、だけに著者が若かりし頃街をそぞろ歩いていた時代、つまり昭和の雰囲気が満ちたエッセイだった。食べ物エッセイとして期待して読み始めたが、バリエーション豊かな食べ物が登場するわけではなく、その点は少し期待外れだった。特にコーヒーにまつわる話が多かったように思う。それだけ著者の人生に外せない食べ物(飲み物)であるということだろう。そして最も印象に残った話もコーヒーに関するものだった。
著者は毎朝必ず2杯のコーヒーを飲む。コーヒーの香りは覚醒の効果がある、それ -
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片岡義男は私生活の匂いがまったくしない。それ以前に年齢さえ見当がつかない。80年代、書き飛ばして作品が青春そのものだったから、僕を含め多くのファンはあの時代から「瞬間冷凍」されたまま。まぁ、あの当時だって、何歳なのか気にはしていなかったが。現在72歳。びっくりである。すっかりおじいちゃんである。ということは角川文庫のあの赤い背表紙の書き下ろしを連発していたのは、40歳前半だったことになる。
さて、本書は食に関するエッセイ。とは言え、どこぞのコレが旨い!なんてことは一切出てこない。片岡義男特有のドライな筆致は不変。それゆえ読んでいて思わず生唾が湧いてくるような生理的欲求は薄く、静物の描写のようで -
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ネタバレいきつけの喫茶店に入って、いつもの席につきコーヒーを飲む。日常の何気ない、けれどそれがきまりになっているらしい律儀さで、ほぼ毎日のルーティン・ワークになっている。そんな店で飲むいつものコーヒーのような味わいの一冊である。
エッセイ集と呼ぶのだろう。短いものなら四ページほどの散文が33篇集められている。いくつかの雑誌に求められて書いた作家本人の登場する小説のような作品から、少年時の回想、食べ物に関するちょっとしたこだわりなど、日常の身辺雑記にあたる文章は、どの作品にも片岡義男という商品タグが付されているような、いつものスタイルで統一されている。
たとえば深煎りコーヒー。たとえば、秋のはじまり -
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片岡義男さんの小説はあいかわらず無邪気すぎるくらいに平和だ。
道尾秀介著『光媒の花』の直後に本書を読んだので、余計に、何事もない平穏さが際立ったようだ。
片岡さんの小説は、初めての方が読むとどう思うのだろう?
いつも、そんな疑問が頭を過ぎる。私自身は片岡さんの小説作法を気に入っているし、これまで沢山読んできたのでなんの違和感もないのだが、初めての方は少々面食らうのではないだろうか。
片岡さんの小説には強い喜怒哀楽表現がない。もし作家が茶道の話を書けば、そこには所作に籠められた思いを、なんらかの方法で表現することだろう。しかし、片岡さんなら、ただ所作自体を客観的に冷静に描写するに留めるの -
購入済み
さすがに古すぎた
時代背景や登場人物の行動指針があまりに昭和過ぎてついていけませんでした。
「女のこ」って呼称がもう鳥肌ものの気持ち悪さ笑
大学生のふりした老人のイメージが最後までついて回った。
すみません。