あらすじ
江國香織さん、陶酔! 小説風に書くと、“「革新的? 確信犯的? なんといっていいかわからないわ、でも、すみずみまでほんとうにおもしろい」と香織は言った。「小説のなかで何度も発生するのね、小説が」そう続け、「それにしても、きび団子」と感に堪えたように呟いて、「こんな小説、片岡義男にしか絶対に書けないわ」と、幸福そうなためいきをついた”のでした。デビューしたばかりの青年作家・日高は、勝負の2冊目執筆のため、かつて親しかった3人の美女を訪ねようと思い立つ。その間にも、創作の素材となる出会いが次々に舞い込んできて……。小説はどのように発生し、形になるのか。めぐり逢いから生まれる創造の過程を愉しく描く。瑞々しい感性を持つ80歳の“永遠の青年”片岡義男、4年ぶりの最新長篇。
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Posted by ブクログ
アイデアのスケッチなのか、小説なのか。
最近の片岡の傾向が、よく出ている。
様式美の世界なので、嫌なら低評価せず、読まないようにした方が。
Posted by ブクログ
一時期たくさん読んでいた作家なので読みながら懐かしさも感じました。
ドライで距離を感じる文体がすごく好きだった。
この作品でもコーヒーとか本とか文房具(ノートじゃなくてノートブックと書かれるところも好き)とか今でも大好きなものがたくさん並んでいます。
久しぶりに過去の作品を読みたくなりました。
Posted by ブクログ
「物語は、無理して探さなくても、ふと見たところにあるんだよ」
最初は古風な印象があったけど、物語が進むにつれ、80歳の方が書いたとは思えない感覚。まさに今を生きている若者の日常×非日常。
Posted by ブクログ
降ってきたならコンビニでヴィニールの傘を買えばいい、と彼は思った。
この一節がこの本のすべてを言い表している。片岡さんは今も変わらず健在ですね。