あらすじ
自分の思考が文字となって紙の上に形をなす。自分の頭の中から、自分の思考をもっとも良く引き出してくれるペン、インクの色、そしてノートブックとは―。作家・片岡義男が道具から「書く」という仕事の根幹について考えた刺激的な書き下ろしエッセイ。
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Posted by ブクログ
万年筆好きならニヤっとするような内容がいっぱい
一度読み終えてもまた読み返したくなる
片岡さんはパイロット万年筆カスタム743 のMがお気に入りだ
インクはパーカーのウォッシャブルブルー
でももう製造してないのでブルーブラックとブルーを好んで使っている
私もカスタム743 のMを使ってみたくなった
機会を見つけて試筆してみよう
Posted by ブクログ
一冊まるまる一本のエッセイ。
万年筆とインクと紙について。
それだけの一冊。
万年筆の書きごこちにこだわるために、ペン先を分解して仕組みを調べる。
そのために同じペンを何本も買う。
各会社のブルーブラックのインクを書き比べてみる。
万年筆との相性、紙との相性を検証する。
万年筆に関しては、もちろん手に持った感じやデザインも重要なポイントだ。
何本もの万年筆、何箱ものインク、何十冊ものノート。
字を書くという行為も、極めれば1冊の本になる。
世の中に不必要なものの例えとして「人からもらった万年筆」と書いておきながら、結構人に万年筆をプレゼントしているらしいのは、ご愛敬。(いや、自分勝手というの?)
Posted by ブクログ
ある時期、片岡義男の小説にのめりこんでいたことがある。棚に揃えて悦に入っていた。
その後、何作か映画化されメジャーになって、角川文庫で赤の背表紙で統一された本を本棚に並べていたが、タイトルも装丁も似たようなものが多くなって、しかも昔と違う装丁(赤背表紙で統一)で出たりしたものだから、同じ本を二冊買ったりして、途中まで読んで気づいてとか...そのうちに熱が冷めた。
その裏で、片岡義男が文中に表現されているような、細かなこだわりで、万年筆やインク、原稿用紙にこだわっていたんだということを知り、しばし思い出に浸ることができた。
昔、片岡義男をたくさん読んだ人にはおすすめ。
あと、昔の MADE IN USAとか、初期のPOPEYEとかにこだわっていたひとなら、☆4つだと思う。
同年代にはそこそこいるのではないかと。(私はその意味で☆4つ)
そうでないかたは、モノにこだわったりするひとにはおすすめかも。