早坂隆のレビュー一覧
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南京攻略の総大将だった松井石根の伝記。彼は東京裁判で、部下が行った大虐殺を止めることができなかった罪で、A級戦犯として死刑となる。東京裁判の正当性、南京大虐殺の有無の議論は、ここではおく。残念な点は、彼は中国からも日本からも最終的に裏切られた点。彼は陸軍きっての中国通で蒋介石とも親交があり、自分が処刑される直前も、共産化する中国の行く末をを心配していた。しかし、彼を徹底的に糾弾し死刑まで追い込んだのは中国だった。今も中国では、南京大虐殺を命じた指揮官として、非難の対象となっている。また、日本では、戦中は凱旋将軍としてもてはやされたが、敗戦後は手のひら返しにあった。彼と関係があった人達も、彼を拒
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満州とアッツの将軍 樋口季一郎 指揮官の決断
著:早坂 隆
文春新書
陸軍の特務将校 樋口季一郎の生涯の記録です
・杉原千畝に先立つ、ユダヤ人特別ビザ発給事件 オトポール事件
樋口 「参謀長 ヒットラーのお先棒を担いで弱い者いじめすることを正しいと思われますか」
東条英機は頑固者で、こうと思ったら一歩もあとへ引かない性格の持ち主であったが、筋が通ればいたって話の分かる人である
樋口の学歴はかがやかしい
・淡路島 尋常小学校
・三原高等小学校
・大阪陸軍地方幼年学校 KD ドイツ語で士官候補生
・東京 中央幼年学校
・第一師団歩兵第1連隊
・陸軍士官学校
・陸軍大学校
陸軍の仮想敵国はロ -
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かの「永田の前に永田なく、永田の後に永田なし」と評される日本陸軍の至宝、永田鉄山の生涯を綴る一冊。永田は昭和10年に同じく陸軍中佐の相沢三郎の刃に沈むのだが、仮に永田が生きていれば大東亜戦争は起こらなかったとも言われる大人物である。永田を一言で説明するのは難しいが、長野県に生まれ、幼少期より一貫して正義を貫き悪きに屈せず自身の主張を最後まで貫徹した点で実直、世界と照らした日本の現状と将来を憂い平和のために国家総動員を推し進める先見性など、真っ直ぐで誠実な天才であった事は間違いない(自分の語彙力では上手く言い表せないが偉大な人材)。陸軍士官学校16期の岡村寧次、小畑敏四郎と並び陸軍の三羽烏と言わ
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ネタバレ1人の女性のツイートが日本、そして世界のサッカーファンの心を掴んだ。
そのツイートには、日本代表が使用したロッカールームの写真が添えられていた。
「これは94分でベルギーに負けた日本のロッカールームです。スタジアムでは代表のサポーターに感謝し、ベンチやロッカールームをきれいにし、そしてメディア対応をしました。またロシア語(キリル文字)で『ありがとう』と書かれたメモまで残していきました。すべてのチームの模範だと思います」
このツイートは瞬く間に広まり、日本人はもちろん世界中のメディアや多くの人々が反応した。
「日本はClass(品格)がある」
「素晴らしいマナーだ。いつか日本に行って -
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アッツ島の玉砕・キスカ島の撤退時に北部軍司令官として指揮を執った樋口李一郎中将の人生を綴る本です。
樋口中将の人生には3つの大きな出来事が起こりました。上記のキスカ・アッツでの戦いに加えて、杉浦千畝よりも先にユダヤ人の命を助けたこと、ポツダム宣言受諾後にソ連軍を交戦したことです。
本著はこれら3つの出来事に対して樋口中将がいかに決断したか、中将の人生を紐解くことで、人柄の面からアプローチして理解しようとするものです。
日本の上級指揮官は当時の教育・人事もありますが、優れた戦略眼を持った人物は少なく、それが原因となって必要以上に命が失われた側面もあります。そのなかで樋口中将は人命を大切にす -
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