牧野修のレビュー一覧
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愛娘を惨殺され失意の日々を送るエッセイストの草薙。彼は夜の街でかつての担当編集者であった泉と再会する。以前書いていたライトエッセイではなく小説を書くことを勧める泉。娘の供養になればと自伝を模して書き始めた小説を「屍の王」と命名する。取り憑かれたように書き進める草薙の元には、まだ自分しか知らない内容について批評し示唆する謎の電話がかかる。さらにかつて同名の作品が存在し、著者は妻と娘を惨殺して自ら命を絶っていたことが判明する。―誰かが、いや何かがこの作品を自分に書かせようとしている。そして執筆を続けるうちに、草薙はこの世から自分が生きた痕跡が少しずつ消え始めていることを知る。泉のセッティングで“故
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実は(?)本日引越しでした。世の中、やっぱり何でもその道のプロに任せるのが一番!今日は運送屋さんからガス屋さん、はたまたインテリアデザイナーの方まで「引越し」というテーマでお話ができなかなか楽しい一時を過ごせました。クタクタですけどね・・・。なので今日は引越しに関連付けて「都市」をテーマにした一冊を。
みなさん都市伝説ってご存知ですか?平たく言えば「うわさ」ですが、特に妙に真実味のある奇妙な噂を総称して「都市伝説」と名付けている気がします。良く知られている例として"口さけ女"や"学校の7不思議"なんかがあります。発端はアメリカらしく、まさにそのまま「Ur -
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幻想+SF短編集。
実と妄想の狭間、今見ているのが現実なのか見えてさえいれば現実なのか、
それが夢じゃないと何故言い切れるのか、それは誰かの夢じゃないのか。と言った
自己の存在を曖昧とさせるような幻想小説を書かせたらぴか一な牧野さんの幻想SF短編集。
奇抜な設定でありながらぐいぐいとその世界観に引き込む文章力が相変わらずとても秀逸。
第一章と四章の話しがかなり好きです。
この構成はわざとでしょうか、
以下、特に気に入った、面白かった作品の感想。
「いかにして夢をみるか」
夢を見ることがないぶら下がった女が、なぜ自分は夢を見ないのだろう、と隣のぶら下がった男に訊く。
生きている誰もが夢を