牧野修のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ辛勝だったなというのが読み終わっての感想。
ラスボスをとっ捕まえはしたものの、メインキャラたち満身創痍だし、勝てた!?→駄目でした→次こそ→逆転される……を繰り返したので。
ラスボス手強い。
それでいて、作中でも言っていた通り、何かこう決定打が足りないというか、攻めきれないラスボスである。
圧倒的な力で捩じ伏せる、万能系のラスボスではないので。
それなのに苦戦を強いられたメインキャラたち。
警察の力もまた万能でも無双系でもないのである。
そして、このメインキャラたち、総じて変人である。
下手をすれば犯罪者な人もいる。
めちゃくちゃ設定盛り盛りの濃いメンバーなので、生首事件なり人肉食事件なり拷問 -
Posted by ブクログ
牧野修『猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩』メディアワークス文庫。
凄惨な事件の描写が盛り沢山の割りにはストーリーにまとまりが無く、消化不良を起こすようなイマイチの警察小説だった。
警察におかしな組織が設立され、そこに爪弾き者の警官が集められるのはよくあるパターン。その組織が謎の反社会的組織『園芸家』に立ち向かうというのも既視感のあるストーリーで、それを何とかしようと足掻いた挙げ句、まとまりが無くなったように思う。
反社会的組織『園芸家』に対抗するために設立された特殊情報管理室に室長を始め4人のメンバーが集められる。メンバーの1人、桜庭有彩は小学生の時にクラスに乱入し、同級生を次々 -
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Posted by ブクログ
牧野修氏の四作目の長編小説。1999年作品。
シングルマザーのフリーライターが、宇宙人コンタクティーの取材を始めてから、何者かから集団的に嫌がらせを受ける恐怖を描いた長編小説。
謎の集団が、天啓を受けて殺人犯になった男と、彼を信奉する人達なんですが、この殺人犯、モチーフは、あの人ですよね。殺人犯だけど、その後何冊も著書があって、トークイベントにも出演していたあの人。
タイトルの、アロマ、芳香、は、その男の天啓に関わるもので、あまり恐怖の本筋ではないですかね。
それよりも、殺人者を信奉する人達の怖さを描いたサイコ・スリラーですね。それに超常現象と、SFで香りを加えたという感じ。
チャネラ -
Posted by ブクログ
1975年。米国領ニホンの大学院生ヒッシャーは、ジョン・ディーという老人が読めない言語で書いた一冊の本をきっかけに、現在英語を公用語としているニホンにもかつて独自の言語が存在したことを知る。国土回復運動に参加するワクートに誘われ、ニホン語研究を始めようとしたヒッシャーだったが、「警視庁公安課神学対策室」を名乗る黒づくめの男たちに追われ……。言葉を奪おうとする〈神〉との闘いを描いた言語SF。
面白くなりそうな雰囲気を漂わせながら、そのまま尻つぼみで終わってしまった。リーダビリティが高い文体で、地球人の現実逃避によって生まれた妄想の月が人から言葉を奪おうとするという設定は面白かった。
小説が言