【感想・ネタバレ】MOUSE マウスのレビュー

あらすじ

ネバーランドは子供の島だ。河口に浮かんだ廃墟島に生きる子供たちは、腰に接続したカクテル・ボードから24時間ドラッグを大量摂取し、主観と客観、夢と現実が交錯する魔法の世界に住んでいた。他人の精神に意識を刷込む少年、幻覚の人造人間を操る少女。さまざまな力を発揮する彼らは、自らを「マウス」と呼んだ―フリークな少年少女たちの楽園を、SF界の新しい才能が、特異な言語感覚で描いたパンク・ノヴェル。

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Posted by ブクログ

言うなればドラッグアクション小説。言葉と幻覚の魔法アクションです。
「子供たちは、腰に接続したカクテル・ボードから24時間ドラッグを大量摂取し、主観と客観、夢と現実が交錯する魔法の世界に住んでいた。」という意味のわからないあらすじ。なのにするっと世界に入れる不思議さ。よくわからないものをそれとして楽しむのではなく、なぜか理解できるのがこの本の非常に面白いところでした。

ものの名前に神話や聖書に関連したものが使われている厨二病感、あの時メインだったキャラがあっさり死んでいる退廃的感ある描写など、世界観が大変魅力です。他の作品も読みたい。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

これは面白い!SFって科学技術の先端を想像力で伸ばしていくものって今のところ定義しているんだけど、これは化学の先端を伸ばしている感じ。伸ばすための補助線として使われてる自己とか主観/客観なんかの蘊蓄も良い感じ。伸ばした先が魔術的な世界ってのはSFとしては好き嫌い分かれちゃうかも?
外界から隔離された子どもだけの国、ネバーランド。そこではドラッグ漬けになってる子どもたちが客観を主観でねぶりながら暮らしている。交わる主観の表現がなかなか中2心をくすぐるなぁ。好き。
最後はちょっと物足りなかったりして、もっともっと続編を!と思うんだけど、たぶんなさそう。この人の他の作品も読んでみようかなぁ。

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2016年04月26日

Posted by ブクログ

読みたかった。復刊ありがとうございます。18歳未満の外の世界で「死んだ」子どもたちの国、ネバーランド。そこの子どもたちはみな血管に直接カクテルされたドラッグを流し込み、主観と客観が入り混じった中で死んだように生きている。底が抜けた物語だった。輪郭を触れない怖さ、声も音も映像も見ているのが自分ではないという確かさの中で彼らは生きている。最後は安心。

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2014年12月02日

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どのキャラも確率していて、見事に息づいている。だからこそ面白かったです。子供の国ネバーランドが舞台で少年ばかり出てくるところもすき。個人的にはラジオ・スタアとマウス・トラップがすきです。ティンカーベルがひたすら可愛い。食事も忘れて読み耽りました。

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2011年07月17日

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電波で混沌を極める牧野節全開な小説でありながらも、完璧なまでに秩序立った調和を持つ作品。
描かれるのは通常とはかけ離れた世界・人物・心理状態でありながらも、一度入り込んでしまえば全く違和感を感じさせなくなる。これは物語世界独自の秩序が緻密に作り込まれており、その完成度がきわめて高いが故だろう。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ダークファンタジー。18歳以下の少年少女がドラッグで武装する王国ネバーランドを舞台にイマジネーションが炸裂する怒涛の連作短編集。

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2009年10月04日

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牧野である。今は電波系ホラー作家として、かなり電波な作品を生み出されている方なのですが、私の出発点であり最高峰がこのハヤカワから出ている作品。一応SFなんですがね。未来、夢の島は打ち捨てられ立ち入り禁止区域となり、そこは、いろんな種類の幻覚系のDrugをカクテルボックスという機械でブレンドして直接体内に取り込んで日々を送る、ストリートチルドレンの楽園となっている。そんな中でおこる、子供同士の縄張り争い。その戦い方が凄い!相手を意味不明の言葉や文章で攻め立て、認識を狂わせて「落とす」のだ。相手の言葉の力に負けると、その言葉に取り込まれありはしないことを現実として体が反応してしまう。そう、「思い込み」が「現実」を歪めてしまうのだ。最近の電波系は、もう私には痛すぎてついていけないんですが、この頃の牧野作品は結構スキです。

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2009年10月04日

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[マウス・トラップ] MOUSE TRAP:★★★☆
 一番の印象は「コインロッカー・ベイビーズ」アゲイン。ネバーランドが埋立地にあるっていうのも雰囲気として近い気がするけど、なにより決定的なのは<ダチュラ>。共感覚というアイディアはそのものは、古くは「虎よ!虎よ!」の頃から使われているから、別に目新しくはないけど、この話の素性は伺える。ドラッグでトリップするのを、<電脳空間>に<ジャック・イン>することのメタファーだととらえれば、一種のサイバーパンクものだとも考えられるし。キーボードを叩く替わりに、カクテル・ボードを叩くわけね。もっとも<電脳空間>がトリップのメタファーだというのが歴史的には正しそうだけど。いずれにしても、P.K.DickがW.Gibsonに与えた影響や、柾悟郎の「邪眼」がドラッグの話だったことを考えると、そういう文脈で読むのが正解かな。
 この作者の持ってるフリークス趣味や、グロテスクな感性は期待できるかも。ティンカーベルが纏足されていることとかね。特にヘロインのやり過ぎで便秘になり、肛門に手首まで突っ込んで、口から糞を吐き出しながら死んでいた少女というイメージは強烈。このあたりも「コインロッカー~」に通じるところだな。
 ストーリー的には一種のサイコものだけど、それほど目新しくはない。ずっとトリップしてるんだから、多重人格にもなるってもの。

[ドッグ・デイ] DOG DAY:★★★★
 メインのプロットは崩壊した家庭の父親が息子を探しにネバーランドへやってきて、息子を連れだそうとすること。まあ普通の小説でもこういう話で無事に息子を連れ出せてハッピーエンドっていうのはないから、必然的に子殺し、親殺しの話にならざるを得ないだろうけど、この話で特筆するべき点は、<印刷屋>と呼ばれる奴らが、他人に自分の全人格を刷り込んで乗り移ることができるってところ。ますますサイバーパンクになってきて、これはもう「冬のマーケット」でしょう。
 今回の話は臭いが重要なポイントで、臭いに関する蘊蓄がなかなか興味深い。色が3つの要素からできているように、臭いは20~30の要素からできているのに、それを表す言葉は非常に少ないとか。

[ラジオ・スタア] RADIO STAR:★★★★
 シリーズ中の個人的ベストはこれかな。全員がドラッグを使用しているという特性を利用して、他人に自分の作り出したイメージを見せるラジオ・ゲームの設定もいいけど、ハエが住んでる家の不気味なイメージがなんといってもこの話の目玉。ラジオ・ゲームで人魚を見せて捕まえた人間を燻製にするのもきてるけど、内臓を抜いて手足を特定のポーズに縫いつけ、腐り落ちた眼の替わりにボールを入れているという死体はきてるわ。あとママと呼ばれている太った女が溶かしバターの入った挽肉しか喰わないというのもなんか神経症的で気持ち悪い。いや俺はもうあっさりしたものが好きですよ。
 それから、サクミがスワンのラジオ・ゲームだったっていうのには意表を突かれた。前の話のペヨトルの正体もそうだったけど、この作者ってこういうミステリ的な仕掛けもうまい。子供の時の悪意のない悪戯っていうのとはちょっと違うかもしれないけど、「MEMORIES」の子供が屋根から落ちて死ぬところを思い出してしまった。

[モダーン・ラヴァーズ] MODERN LOVERS:★★★
 ネバーランドの外の話という意味でも、現実の世界とのリンクという意味でもシリーズの中ではちょっと異色の話。でもカッターでいきなり首の頸動脈を切ったり、指で眼を突いて潰すとかいう描写が必ず入っているというところは、はずしてないけど。
 でも、家出少女と、病気持ちの不良少年と、それを追いかける謎の組織の男たちいう設定は古いよね。好きだけど。

[ボーイズ・ライフ] BOY'S LIFE:★★★★
 これまでの話を収束させるっていうのを目的に書いたんだろうってことだけど、始まりはともかく最後には見事にシリーズの締めくくりになってる。
 <ヴァイル>のヨカナンがツクヨミであることも、サロメがヨカナンのラジオ・ゲームであることも気がつかなかった。またしても作者にやられた。ヨカナンが密教の<印>を結んだときやティンカーベルが首を絞められて死ぬときにヨカナンの慈愛を感じたというところで気がつくべきだったんだろうけど。
 ピクルスが科学的霊媒になって呼び出したかった恋人というのは、ウエンディなんだろうか?俺の予想としては、18歳になったウエンディがネバーランドの外に出たくなくて自殺したんじゃないかってことなんだけど。そのピクルスがティンカーベルのためにチハルを呼び出しているというのもなんか意味ありげではある。
 ビーの、人の免疫系に語りかけて自己免疫疾患を起こさせる能力というのも興味深い。本編の中でも心と免疫系の関係について触れているけど、現実を認識する能力を免疫系が自己を認識するシステムにまで解釈を広げてて、こういうの好きやなあ。
 ネバーランドを外部から操っているはずの<ヴァイル>までもが、マウスたちの不安が作り出したものが現実となったにすぎないというのも、ここまでくると受け入れよう。第1話でツクヨミに殺されたチハルが今度はツクヨミを殺す、というよりチハルに殺されるためにツクヨミが帰ってくるのも。
 ピクルスに呼び出されて黄泉からやってきたチハルがツクヨミの名前を知っていたということが、主観と客観との間に違いがないネバーランドという世界を、何よりも如実に表していると言えるんだろうな。
 最後の白銀の巨人は”ゲゲゲの鬼太郎”のダイダラボッチだな。

 今までドラッグの小説なんてなにが面白いんだと思っていたけど、ドラッグを介して現実と幻想(仮想)との区別がなくなるというラジカルなアイディアは確かに魅力的。新しい世界を見せてもらったっていうことで、これは重要な作品。
 ただ、これが作者の才能が全開した作品かというと、まだ余力がありそうに思えるから、点数はちょっと辛め。

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2026年06月10日

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一つの輪になるような話。「落とす」描写は読んでいてやはり美しく遊びのように軽やかでけれど窒息しそうなほど隙がない。思わず息を詰めてしまう。筆者の言葉に落とされる疑似体験ができる。

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2023年11月25日

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死と、そこへ行く事の二択を迫られた子供達の辿り着く所、ネバーランド
主観と客観が入り交じるその世界で空想に頼りながら現実を生きる子供達
主観によって語られる世界は空想と現実その境目すら曖昧
空想なのでなんでも有りの描写
五感を、比喩とも違うそれ以外の感覚、主に視覚で表現するのが面白い
子供のしてはグロテスクな空想
意味不明な言葉の羅列
一言で言ってイカれた物語 でも美しい

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2021年05月03日

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ネタバレ

ドラッグによるトリップ感覚の描写が新鮮だった(とくに五感のそれぞれが入り交じって、音声を色で感じたりするところなど)。舞台設定はそれほど新しいものではないが(この辺に関してはマンガのほうが確実に先を行っている)、18才になったら出ていかなければならないという設定が、子供という刹那的で限定された存在をうまく表している。中盤がちょっとダレたが、最終話でマイティマウスが復活するところは、ビシッと決まっていてかっこよかった。19960927

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最終話のマイティマウス登場のあと、マウスたちのシンクロの最後にツクヨミとチハルが叫ぶのがかっこいい。「言葉で戦う」という発想は新しく、あふれる言葉のイメージもそれっぽいが、ちょっとゴシック趣味が入っているのが苦手(マウスたちのファッションについての記述もそう)。最後に銀色の巨人が現れて、機動隊を踏みつけていくというラストはちょっといただけない。やっぱり言葉に関するような形でかっこよく締めくくって欲しかった。共感覚のイメージはいろいろと使えそう。解説では「意識の変容(アルタード・ステーツ)」について書いてあったが、ティモシー・リアリーとかそのあたりの本も読んでみたい。20020822

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2018年10月15日

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ドラッグを常用するマウスたちの楽園、ネバーランドを描いた作品。ドラッグの幻覚によって引き起こされる、非現実的な世界。五感が互いを侵犯し合うことで生まれる、世界が語りかける言葉。絵画的で夢のように妖しい世界観は、作者はドラッグをやったことがあるのでは?と疑うほど。

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2009年10月04日

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連作短篇だったかな。のちの作品(「黒娘」など)では、扱われているモチーフと物語がうまく噛みあっていないような気もするけれど、これは良いです。
「忌まわしいはこ」と「MOUSE」は処分しないで手許に置こうと思ってい
ます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

廃墟島のネバーランドに住み、ドラッグを日々摂取しているジャンキー少年少女たちの物語。言葉や幻覚を武器に争うバトルシーンなど、独創的なアイデアが素晴らしい。特に第3章のラジオ・スタアと第4章のモダーン・ラヴァーズが傑作。ただかなり内容が難しく、自分の頭では全くついていけない箇所も多かったので、☆3。

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2022年11月13日

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上り詰めるような浮遊の感覚を得る。しかし夢は必ず過ぎ去るものである。去り方は色々あるが、私の解釈ではこれは……。

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2015年05月24日

Posted by ブクログ

初めに目を通した瞬間、主観と主観が入り交じって妄想が具現化するという状況にストレスを感じたが、すぐに慣れた。全体的に話はなく、ただ世界観を楽しんでいた。一番好きな話はラジオ・スタア。最後はジャンプ。全体的にマンガのようだった。

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2015年02月25日

Posted by ブクログ

荒廃した世界、荒廃した感情の中繰り広げられる独特の世界。普段自分では全く読まないジャンルだけに新鮮でした。

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2012年07月04日

Posted by ブクログ

判断に困る…。

牧野修らしいぶっ飛んだ面白さもあるんだけど、あたしがそーゆーテンションじゃなかったらしい。

うまく集中出来ず、面白さ半減したカンジ。
あー勿体ない。

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2009年12月24日

Posted by ブクログ

はまりました。この作家さんの書く物語に、という作品でした。短編の物語が五つで、同じ世界の中で微妙に異なる時間軸が描かれてゆきます。全てが重なる最終話はとっても面白い!ピーターパン不在のネバーランド。それからファンタジーでSF。

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2009年10月04日

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