牧野修のレビュー一覧

  • そこに、顔が

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    ネタバレ

    大学教授だった父親が自殺をした。
    遺品の日記には死ぬ直前不気味な顔と人影に付き纏われていた様子が綴られていた。
    父親に何が起こったのかを突き止めるために父親が勤めていた大学職員の千鶴と共に調べを進めていく。

    父親が若い頃にアルバイトで行った生き物の死を見せる実験、それを引き継ぐ誰か。
    実験の意味、自殺させる方法、共犯者、色んなものが意外過ぎる。
    あの文章を声に出して読もうとして、ちょっと怖くてやめたのは私だけではないはず。

    表紙の顔の意味が分かると表紙がますます怖い

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    2025年03月28日
  • 猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩

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    ネタバレ

    辛勝だったなというのが読み終わっての感想。
    ラスボスをとっ捕まえはしたものの、メインキャラたち満身創痍だし、勝てた!?→駄目でした→次こそ→逆転される……を繰り返したので。
    ラスボス手強い。
    それでいて、作中でも言っていた通り、何かこう決定打が足りないというか、攻めきれないラスボスである。
    圧倒的な力で捩じ伏せる、万能系のラスボスではないので。
    それなのに苦戦を強いられたメインキャラたち。
    警察の力もまた万能でも無双系でもないのである。
    そして、このメインキャラたち、総じて変人である。
    下手をすれば犯罪者な人もいる。
    めちゃくちゃ設定盛り盛りの濃いメンバーなので、生首事件なり人肉食事件なり拷問ショーなりの猟奇的事件が霞むほどだった。

    猟奇的殺人事件の話で犯人探しは勿論するのだが、推理を楽しむよりはぶっ飛んだ展開を楽しむ系の話。
    特に中盤以降はパニックホラーの雰囲気が増してくる。
    住人に追いかけられたり、何なら目の前で自殺されたり、めちゃくちゃである。
    パニックホラー映画を見る感じで読むといいかもしれないと個人的には思った。

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    2024年07月05日
  • 猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩

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    牧野修『猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩』メディアワークス文庫。

    凄惨な事件の描写が盛り沢山の割りにはストーリーにまとまりが無く、消化不良を起こすようなイマイチの警察小説だった。

    警察におかしな組織が設立され、そこに爪弾き者の警官が集められるのはよくあるパターン。その組織が謎の反社会的組織『園芸家』に立ち向かうというのも既視感のあるストーリーで、それを何とかしようと足掻いた挙げ句、まとまりが無くなったように思う。


    反社会的組織『園芸家』に対抗するために設立された特殊情報管理室に室長を始め4人のメンバーが集められる。メンバーの1人、桜庭有彩は小学生の時にクラスに乱入し、同級生を次々殺害した無差別殺人犯の犯行を目の当たりにし、人と人のつながりを糸という形で可視化できる特殊能力を持つ。

    有彩は同僚のモデルのような美形の柿崎と共に、『園芸家』が関与したと思われる、ある失踪事件を洗い直すことになった。失踪した保護司の行方を捜索する過程で5人の少年の生首を発見した有彩と柿崎は、カルト宗教団体の人肉師事件、謎の団体による拷問ショーと次々と猟奇的犯罪と遭遇する。

    しかし、一連の事件は水晶と名乗る1人の女性とつながっていく。

    本体価格820円
    ★★★

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    2024年07月02日
  • グイン・サーガ外伝24 リアード武侠傳奇・伝

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    真面目にやるほど面白く、コミカルになり、ある意味グインらしくない楽しい作品だ。
    まあ、これはこれで面白かった。

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    2026年06月26日
  • グイン・サーガ外伝24 リアード武侠傳奇・伝

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    ネタバレ

    ノスフェラスにはモンゴールとリアードの戦いを伝えていくセムがいる。劇団みたいなもんだが、生まれながらに役が決まっているみたい。グインは豹頭仮面をかぶってるし、イシュはイシュト。嫌な予感がして、キタイの物売りとともに、冒険へ出かける。キタイの物売り、ほむほむ笑う。オーム(人間)に拉致され、強制労働、もちろん物売りもその一味。
    まぁグイン去った後のノスフェラスでこういうこともあるかもしれないねぇ。

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    2023年03月01日
  • アロマパラノイド 偏執の芳香

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    牧野修氏の四作目の長編小説。1999年作品。

    シングルマザーのフリーライターが、宇宙人コンタクティーの取材を始めてから、何者かから集団的に嫌がらせを受ける恐怖を描いた長編小説。

    謎の集団が、天啓を受けて殺人犯になった男と、彼を信奉する人達なんですが、この殺人犯、モチーフは、あの人ですよね。殺人犯だけど、その後何冊も著書があって、トークイベントにも出演していたあの人。

    タイトルの、アロマ、芳香、は、その男の天啓に関わるもので、あまり恐怖の本筋ではないですかね。
    それよりも、殺人者を信奉する人達の怖さを描いたサイコ・スリラーですね。それに超常現象と、SFで香りを加えたという感じ。

    チャネラーを信奉するセミナーに通う人達、殺人者を持ち上げる人達を揶揄するような作品のスタンスが、読んでいて小気味良いと感じました。

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    2023年01月25日
  • MOUSE マウス

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    廃墟島のネバーランドに住み、ドラッグを日々摂取しているジャンキー少年少女たちの物語。言葉や幻覚を武器に争うバトルシーンなど、独創的なアイデアが素晴らしい。特に第3章のラジオ・スタアと第4章のモダーン・ラヴァーズが傑作。ただかなり内容が難しく、自分の頭では全くついていけない箇所も多かったので、☆3。

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    2022年11月13日
  • 月世界小説

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    1975年。米国領ニホンの大学院生ヒッシャーは、ジョン・ディーという老人が読めない言語で書いた一冊の本をきっかけに、現在英語を公用語としているニホンにもかつて独自の言語が存在したことを知る。国土回復運動に参加するワクートに誘われ、ニホン語研究を始めようとしたヒッシャーだったが、「警視庁公安課神学対策室」を名乗る黒づくめの男たちに追われ……。言葉を奪おうとする〈神〉との闘いを描いた言語SF。


    面白くなりそうな雰囲気を漂わせながら、そのまま尻つぼみで終わってしまった。リーダビリティが高い文体で、地球人の現実逃避によって生まれた妄想の月が人から言葉を奪おうとするという設定は面白かった。
    小説が言葉によって書かれるものである以上、言語をテーマに掲げる小説はメタフィクションにならざるを得ない。メタ展開には読者がキャラクターと切実さを共有しづらくなるという難点があるが、本書では菱屋=ヒッシャー(筆者のもじりなのかな)が創作世界を必要とした理由付けが最初になされる。だが、逃避先もユートピアなんかではなく、むしろ菱屋の性向をより厳しく規制する世界だという捻り。テッド・チャン「地獄とは神の不在なり」の設定を安保闘争の時代の日本に適応させた感じなのだが、〈我々を許さない神〉が他国の神であるというのも皮肉が効いているところだろうか。
    言葉に宿るイメージを駆使して戦う月の戦争パートもよかったけど、ルィナンが操るポリイや《王女》が語る物語のような詩情を地の文にもだしてくれたら、もっと盛り上がった気がする。

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    2022年07月15日
  • だからドロシー帰っておいで

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    虐げられる現実と独特なファンタジーをリンクしながら行き来する不思議な読書感の作品。
    後半の展開の加速感がすごかった。妄想と現実が巧みに交差されていった先、妄想が現実を蹂躙する。

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    2022年05月15日
  • 月世界小説

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    言語によって築かれる多重世界。統一を謀る神の軍団と抗う主人公達の戦いの話、という解釈で良いんでしょうか?結末もよく分からなかったので、後半を読み直してみようかなと思ってます。

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    2021年11月18日
  • 月世界小説

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    物語が変容しながら枝分かれしていって、どこまで壮大に成長していくのかとワクワクする感じ。枝分かれしたいくつかの物語が最終的に一つに結実するわけだけど、そこが力技な感じがした。

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    2020年12月07日
  • 貞子

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    映画をノベライズしたのが今作。終わり方ー!?って思わず叫んだ。貞子の呪いがハイテク化していく...。映画の原作はリングシリーズのタイドどなっている。確かに動画を使う辺りはタイドだけど、変わりすぎでは...。地獄がこれから始まる感じでとても気になる。みんな貞子に取り込まれてしまったのか...

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    2021年12月30日
  • グイン・サーガ外伝24 リアード武侠傳奇・伝

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    タイトルとか、中身とか、本筋との違いにケチをつけようと思えば
    いくらでも付けられるけど、これは外伝、とある語り部がつなぐ
    壮大なグイン・サーガのひとかけら
    と思えば意外と楽しく読めましたよ。
    あとがきでも語られているように、神が作りし世界は懐が広いのです。
    しかし、タイトルのセンスだけは・・・踏襲してほしかった・・・

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    2020年03月17日
  • 月世界小説

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    ネタバレ

    人の数だけ言語の数だけ、世界の数は増えていく
    物語を語っていくことこそが人が人である所以、みたいな話でした。
    人物や世界線の関係を把握するまでがなかなか難しかったですが、最後の盛り上がりは楽しかったです。

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    2020年01月04日
  • 月光とアムネジア

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    SF。ファンタジー。ホラー。スプラッター。
    3時間ごとに記憶がリセットされる空間"レーテ"が特徴的な作品。
    読んでいるとクラクラしてくる、独特の雰囲気が良い。
    人を選ぶ作家だと思っていましたが、グロさもほどほどで意外と読みやすかった。
    似たような設定の作品を何度か読んだことがあるので、それほど独創的なわけでもないのかな?

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    2019年10月01日
  • 犬は書店で謎を解く ご主人様はワンコなのです

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    ネタバレ

    さらっと読めた。人では鼻持ちならないのに
    犬だと一周回って可愛いのは何故だろう。
    犬のハギトいい子。

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    2018年03月20日
  • 楽園の知恵

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    いままで牧野修作品はまだ理解できる作品だったが、今回のこの作品はぶっ飛びすぎてなにがなんだかわからない混沌とした作品だった。しかし、なんとなく言いたいことと、聖書や創世記古事記といった書物をオマージュしているのがわかる。まぁSFというよりホラーっぽい作品だ。

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    2018年01月06日
  • ネクロダイバー 潜死能力者

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    最初は少し世界観に入りこむことが出来なかったが、話がクライマックスに近づくにつれ面白くなった。しかし、結末が微妙なものになってしまったのが残念。また、要所要所に散りばめられたアニメの知識は読んでて面白い。

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    2018年01月06日
  • ファントム・ケーブル

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    初めましての作家さん。
    ホラー系小説を読むたびに、恐怖には色んな形があると
    思っていたんだけど、またも新しい恐怖にご対面である。
    グロイにも色んなグロさがあるんだと知った。
    神も仏もあったもんじゃない。
    活字を読んでいるだけなのに、簡単に妄想できてしまう。
    理不尽でゲロゲロでドロドロな悪夢のようでした。
    気に入ったものを選ぶというのもなんですが
    「怪物癖」「ヨブ式」「死せるイサクを糧として」

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    2017年08月28日
  • 屍の王

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    2017年、29冊目は久々の長編ホラー。単独作、初読みの、牧野修。

    あらすじ:「小説を書かないか」かつてエッセイストであった、草薙良輔。現在は風俗ライターで生計を立てている。草薙は娘の死を境に、書けなくなっていた。そんな時、偶然に出会った、かつての編集者、泉は草薙に小説の執筆をすすめる。やがて、草薙は『屍の王』と題した、偽の自伝にとりかかるのであった。

    このレビューを見て、「読んでみよう」と思う方もほぼいないと思うので、以下、『ネタバレ』要素を含みます。あえて『ネタバレ』指定はしませんが……。

    着想
    ★★★★☆
    有名な日本神話をベースにしている。その点は、個人的にも好き。

    表現・描写
    ★★★☆☆
    文章自体はソレ程、読み難くもなく、テンポ感、リズム感も悪くない。ただし、ホラー場面はいささか、映像喚起に難あり、と感じた。さらに、第二章は詰め込み過ぎの感も。もう少しソリッドな方がイイかな(❔)。

    展開・オチ
    ★★☆☆☆
    どう着地させるのか、気になったが、上位概念オチとは……。まぁ、ソレだけじゃないにしても。

    以上の点を踏まえて、全体としては
    ★★★☆☆

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    2017年09月03日