牧野修のレビュー一覧
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ネタバレ辛勝だったなというのが読み終わっての感想。
ラスボスをとっ捕まえはしたものの、メインキャラたち満身創痍だし、勝てた!?→駄目でした→次こそ→逆転される……を繰り返したので。
ラスボス手強い。
それでいて、作中でも言っていた通り、何かこう決定打が足りないというか、攻めきれないラスボスである。
圧倒的な力で捩じ伏せる、万能系のラスボスではないので。
それなのに苦戦を強いられたメインキャラたち。
警察の力もまた万能でも無双系でもないのである。
そして、このメインキャラたち、総じて変人である。
下手をすれば犯罪者な人もいる。
めちゃくちゃ設定盛り盛りの濃いメンバーなので、生首事件なり人肉食事件なり拷問ショーなりの猟奇的事件が霞むほどだった。
猟奇的殺人事件の話で犯人探しは勿論するのだが、推理を楽しむよりはぶっ飛んだ展開を楽しむ系の話。
特に中盤以降はパニックホラーの雰囲気が増してくる。
住人に追いかけられたり、何なら目の前で自殺されたり、めちゃくちゃである。
パニックホラー映画を見る感じで読むといいかもしれないと個人的には思った。 -
Posted by ブクログ
牧野修『猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩』メディアワークス文庫。
凄惨な事件の描写が盛り沢山の割りにはストーリーにまとまりが無く、消化不良を起こすようなイマイチの警察小説だった。
警察におかしな組織が設立され、そこに爪弾き者の警官が集められるのはよくあるパターン。その組織が謎の反社会的組織『園芸家』に立ち向かうというのも既視感のあるストーリーで、それを何とかしようと足掻いた挙げ句、まとまりが無くなったように思う。
反社会的組織『園芸家』に対抗するために設立された特殊情報管理室に室長を始め4人のメンバーが集められる。メンバーの1人、桜庭有彩は小学生の時にクラスに乱入し、同級生を次々殺害した無差別殺人犯の犯行を目の当たりにし、人と人のつながりを糸という形で可視化できる特殊能力を持つ。
有彩は同僚のモデルのような美形の柿崎と共に、『園芸家』が関与したと思われる、ある失踪事件を洗い直すことになった。失踪した保護司の行方を捜索する過程で5人の少年の生首を発見した有彩と柿崎は、カルト宗教団体の人肉師事件、謎の団体による拷問ショーと次々と猟奇的犯罪と遭遇する。
しかし、一連の事件は水晶と名乗る1人の女性とつながっていく。
本体価格820円
★★★ -
Posted by ブクログ
牧野修氏の四作目の長編小説。1999年作品。
シングルマザーのフリーライターが、宇宙人コンタクティーの取材を始めてから、何者かから集団的に嫌がらせを受ける恐怖を描いた長編小説。
謎の集団が、天啓を受けて殺人犯になった男と、彼を信奉する人達なんですが、この殺人犯、モチーフは、あの人ですよね。殺人犯だけど、その後何冊も著書があって、トークイベントにも出演していたあの人。
タイトルの、アロマ、芳香、は、その男の天啓に関わるもので、あまり恐怖の本筋ではないですかね。
それよりも、殺人者を信奉する人達の怖さを描いたサイコ・スリラーですね。それに超常現象と、SFで香りを加えたという感じ。
チャネラーを信奉するセミナーに通う人達、殺人者を持ち上げる人達を揶揄するような作品のスタンスが、読んでいて小気味良いと感じました。 -
Posted by ブクログ
1975年。米国領ニホンの大学院生ヒッシャーは、ジョン・ディーという老人が読めない言語で書いた一冊の本をきっかけに、現在英語を公用語としているニホンにもかつて独自の言語が存在したことを知る。国土回復運動に参加するワクートに誘われ、ニホン語研究を始めようとしたヒッシャーだったが、「警視庁公安課神学対策室」を名乗る黒づくめの男たちに追われ……。言葉を奪おうとする〈神〉との闘いを描いた言語SF。
面白くなりそうな雰囲気を漂わせながら、そのまま尻つぼみで終わってしまった。リーダビリティが高い文体で、地球人の現実逃避によって生まれた妄想の月が人から言葉を奪おうとするという設定は面白かった。
小説が言葉によって書かれるものである以上、言語をテーマに掲げる小説はメタフィクションにならざるを得ない。メタ展開には読者がキャラクターと切実さを共有しづらくなるという難点があるが、本書では菱屋=ヒッシャー(筆者のもじりなのかな)が創作世界を必要とした理由付けが最初になされる。だが、逃避先もユートピアなんかではなく、むしろ菱屋の性向をより厳しく規制する世界だという捻り。テッド・チャン「地獄とは神の不在なり」の設定を安保闘争の時代の日本に適応させた感じなのだが、〈我々を許さない神〉が他国の神であるというのも皮肉が効いているところだろうか。
言葉に宿るイメージを駆使して戦う月の戦争パートもよかったけど、ルィナンが操るポリイや《王女》が語る物語のような詩情を地の文にもだしてくれたら、もっと盛り上がった気がする。 -
Posted by ブクログ
2017年、29冊目は久々の長編ホラー。単独作、初読みの、牧野修。
あらすじ:「小説を書かないか」かつてエッセイストであった、草薙良輔。現在は風俗ライターで生計を立てている。草薙は娘の死を境に、書けなくなっていた。そんな時、偶然に出会った、かつての編集者、泉は草薙に小説の執筆をすすめる。やがて、草薙は『屍の王』と題した、偽の自伝にとりかかるのであった。
このレビューを見て、「読んでみよう」と思う方もほぼいないと思うので、以下、『ネタバレ』要素を含みます。あえて『ネタバレ』指定はしませんが……。
着想
★★★★☆
有名な日本神話をベースにしている。その点は、個人的にも好き。
表現・描写
★★★☆☆
文章自体はソレ程、読み難くもなく、テンポ感、リズム感も悪くない。ただし、ホラー場面はいささか、映像喚起に難あり、と感じた。さらに、第二章は詰め込み過ぎの感も。もう少しソリッドな方がイイかな(❔)。
展開・オチ
★★☆☆☆
どう着地させるのか、気になったが、上位概念オチとは……。まぁ、ソレだけじゃないにしても。
以上の点を踏まえて、全体としては
★★★☆☆