牧野修のレビュー一覧
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牧野である。今は電波系ホラー作家として、かなり電波な作品を生み出されている方なのですが、私の出発点であり最高峰がこのハヤカワから出ている作品。一応SFなんですがね。未来、夢の島は打ち捨てられ立ち入り禁止区域となり、そこは、いろんな種類の幻覚系のDrugをカクテルボックスという機械でブレンドして直接体内に取り込んで日々を送る、ストリートチルドレンの楽園となっている。そんな中でおこる、子供同士の縄張り争い。その戦い方が凄い!相手を意味不明の言葉や文章で攻め立て、認識を狂わせて「落とす」のだ。相手の言葉の力に負けると、その言葉に取り込まれありはしないことを現実として体が反応してしまう。そう、「思い込
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発売日に購入していたのだが始まりの
シトは友達が少ない。なんならいないと言っても間違いではない。でもそんなものでしょ、と彼は思っていた。友達が百人出来るような人間は友達が欲しいんじゃない。ただ仲間の数を増やしたいだけなんだ、と。彼はそうやって自分を百倍の人間に見せたいだけの人間とは、友達になりたくなかった。
という初めのページの序文に「あ、わかります」
とクソへんちくりんの僕は「今度の万博までとっておこう。オモロイ体験が出来るかもしれん。最終日に読んで理解のされない感慨に浸ろう」と思い、なんと5年間読まず、今日という日の為に100均で購入した本を入れる用のプラBOXにほこりのつかぬよう封印し -
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ファンタジー、コメディ、ホラーと
中々てんこ盛りな作品
ある日突然、専業主婦の信江さん(36)が
ビールを買いに行ったら異世界に行っちゃった♪♪
そこはなんとオズの魔法使いに出てくるような
奇妙な国、信江は現実世界に帰る為に
ミロク、コト、クビツリ、地蔵の愉快な仲間たちを従え旅に出るのであった。
一癖も二癖もある仲間たちに笑いが止まらない
そして時折り出てくる儀式、歌などにも
めちゃ笑ったwww
そして異世界と並行する様に現実世界では
ある連続殺人事件が発生、
被害者遺族の大和田が被害者の会(小さな柱)の
柳瀬と結託し、連続殺人鬼に復讐を企てる事になったのだった。
話の流れは異世界と現実 -
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ホラー?SF?ファンタジー?
リアルな日常から突如トリップ。
とにかく先が気になりまくった作品!(*´艸`)
夜、急に同僚を連れ帰った主人。
平凡な主婦、伸江は、ビールが足りないことに気づく。
義母に促され、お洒落して夜の街へ買い物に行く事に。
すると伸江は、急に空へ吹き飛ばされた—。
『オズの魔法使い』をモチーフにした作品。
タイトルに『ドロシー』とあるのに、途中まですっかり忘れて読んでいました(^▽^;)
オズの国と現実が交差する描写は、小林泰三のあの作品を彷彿とさせます。
ですが、こちらの方がホラー味が強め。
オズの世界観、奇妙でかなり好み♡
出会う部族や、急に歌い出し -
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友人とゲイパレードを見に来ていた菱屋修介に突如その轟音は響いた。空から無数の天使が舞い降り終末の喇叭を吹いている。地面は大きく揺れ、高層ビルは軒並み倒れた。どこからともなく炎に包まれた巨石が降ってきて、裂けた大地から人の顔を持った飛蝗が這い出てきた。人々の悲鳴が聞こえる。眼の前で友人は体を分断された。
「月へ行こう」
菱屋修介はそっと目を閉じる。現実から逃れたいときはいつもこうしてきた。幼少の時から積み上げてきた妄想の世界は自由自在だった。月世界の男が話す世界の理、神々との対抗。それは「言葉」の争奪戦だった。
SFといわれると困ってしまう作品だ。なにせ人と神のガチンコ対決なのだ。創世記のバ -
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夏の角川ホラー祭。読み始めたら短編集だったので、他の短編集と交互に読んでみたよ。
何も取り柄のなかった男が、解錠に関する塾に通い始め、才能に目覚める。講師よりも見事な手筈で様々な鍵を解錠していく男に、厄介な鍵を開ける依頼が来るが…(幻影鍵)。
長編だと思って読み始めたら、最初の1篇から思い切り嫌ーな雰囲気満載で、こりゃきついなーと思っていたところ、幸いにして短編だった。ほんと短編で救われた。
☆を4つもつけているが、10人読んで9人が不快に感じて、6人くらいは挫折する後味の悪さであるが、ここまで徹底されているのは、角川ホラー文庫としても見事である。
短編という形で無理やり短く収めるため