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虐げられた子供たちは、大人たちからの支配を逃れるため、ずっと知られざる戦いを繰り広げていた。そして一九七〇年、大阪万博で子供と大人は激突する! これは、お互いのユートピアを懸けたコドモとオトナの戦いの歴史に巻き込まれ、宿命に立ち向かった少年たちの思春期にまつわる黙示録である。電子書籍のための著者あとがきをあらたに収録
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Posted by ブクログ
発売日に購入していたのだが始まりの シトは友達が少ない。なんならいないと言っても間違いではない。でもそんなものでしょ、と彼は思っていた。友達が百人出来るような人間は友達が欲しいんじゃない。ただ仲間の数を増やしたいだけなんだ、と。彼はそうやって自分を百倍の人間に見せたいだけの人間とは、友達になりたくな...続きを読むかった。 という初めのページの序文に「あ、わかります」 とクソへんちくりんの僕は「今度の万博までとっておこう。オモロイ体験が出来るかもしれん。最終日に読んで理解のされない感慨に浸ろう」と思い、なんと5年間読まず、今日という日の為に100均で購入した本を入れる用のプラBOXにほこりのつかぬよう封印した 大変なアホである、気持ち悪すぎる まあ、どうぞなんとでも思ってください さて大阪万博の話だ 1969年、主人公のシトは中学校の友人サドルに 子供が賢くなるのはオトナ人間というインベーダーの精神侵略のせいだと聞かされ共感する なんにでもなれる子供こそ本来の人類 1年後、コドモ反乱軍として大阪万博会場へと向かう 2037年、日本を襲った大地震の爪痕が残る中、VR技術を使い復興をしつつある大阪にて2回目の万博開催(この辺は東京オリンピック紹介から着想を得ていると思う。何一つ実現しなかったが) 当然、シトもサドルも同調する仲間たちも歳を重ねており、オトナ対コドモ 大阪万博にてまさに聖戦が行われる (牧野作品なのでホラーも入り乱れる) 僕はまったく(前)大阪万博世代ではない だからこの本の恐らくテーマ 子供は遊び続けろ をこの本の時間経過として完全に理解できない それでも、弱者へのアプローチや体制への疑問 そういう普遍的なメッセージと未来への渇望には僕達の世代にだって響く物語だった 567ページ、大作 5年温めなくても…よかったかな… でも最初の動機はまさにこの本の内容、で、し、た ハズカシッ!
現代社会への批判と皮肉が鋭く織り込まれていて、一方で世界観はぶっ飛んでてとても面白かった。ラストも好み。
大人たちが何者かに憑依されてオトナ人間になっていることに気づいた子どもたち。オトナ対こどもの戦いの舞台は1970年の大阪万博。そして2037年。大きく変化した世界で再び大阪万博が開かれる。前半のノスタルジーあふれる万博の風景とうってかわって、後半は、不思議なキャラクターがあふれる幻想的な世界。オトナ...続きを読むになってしまった身からすると、大人世界も悪くないとは思うんだけどなぁ。
時は1969年、大阪万博を翌年に控えて国全体が浮き足立っているような雰囲気の中、中学生のシト、サドル、未明は、あるテレビ番組をきっかけに「子供こそが真の人間である」こと、「オトナ人間」が大人に憑依して子供に攻撃を仕掛けていることに気づいてしまう。子供ゆえの社会的な無力さに悩みつつ、子供らしい無鉄砲さ...続きを読むと子供しか使えない特殊能力「Q波」を武器に、「オトナ人間」の侵略を阻止すべく全力で闘う3人。決戦の場は、1970年大阪万博「太陽の塔」だった・・・! 時は流れ、2037年。都市全体を仮想空間のレイヤーで覆い、個々人の存在も社会法規も”ヴァーチャル”と化した大阪において、2度目の万博が計画される。年老いて年齢的には「大人」になったシトとサドルは、再び闘いの場に登場することになる・・・ ・・・と、あらすじをまとめてみても何がなんだかよくわからないのですが、実際にそういう話なのだから仕方ない(笑) 大雑把にジャンル分けすれば「侵略SF」ということになると思いますが、侵略する側のメリットとか、侵略される側が守らねばならないものとか、そうした「作品世界を理屈づけするために必要なロジック」が、この作品にはありません。子供こそが人間?幽体離脱するとQ波を発することができて、大人はQ波をくらうと失神する?チトラカードを使うと時間を操れる?コドモ軍の超弩級戦艦が時空を超えて航行する?・・・はぁ???ってな感じでヽ( ´ー`)ノワイドスクリーン・バロックを読み慣れたSF者であっても相当面くらうんじゃないかと思われる、かなり破茶滅茶でカオスな世界観です。 が、そんなぶっ飛んだ世界の中で動き回る子供たちには、不思議と存在感と説得力があるのですね。自分が子供だった頃を振り返ると、恥ずかしさと冷や汗と共に思い出す、くだらない遊び、つまらない思い込み、役に立たない正義感、そうしたものにわけもなくのめり込み夢中になる、あの濃密過ぎた日々。あの、人生の中では本当に一瞬に過ぎない、バカバカしい子供時代の熱気とエネルギーを、SFというフォーマットを活かして可視化したのがこの作品なのかな、と鴨は感じました。 登場人物は主役の二人も含めてどいつもこいつも極端で思い込みが激しく、感情移入することができないのですが、でも突き放すこともできない不思議な温かみがあります。子供の側に寄り添ったストーリー展開でありつつも、ラストシーンには突き放した現実的な価値観も垣間見えます。100%現実逃避した「バカ話」の一歩手前で踏みとどまるこのバランス感覚は、牧野修作品ならではですね。 牧野修作品の特徴である、絢爛華麗で鮮烈なヴィジュアルイメージを残す幻惑的な文体は、この作品でも顕著。2037年の設定で描かれる「幻想の大阪」は、ぜひ映像化して欲しいぐらい。個人的には、松露夫人を映像化したらどんなふうに描かれるのか、ぜひ見てみたいですね!コッテコテにゴシックなファッションで颯爽と登場して欲しいなー。
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