井上雅彦のレビュー一覧
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先日「恐怖」を読み、こちらも気になったので読みました。こちらの方が、より身近に潜む狂気や絶望を描いている感じがあって、身に迫る怖さがあった気がします。特に印象的だったものだけ、感想を残そうかな。
「よけいなものが」ー井上雅彦
この短さで、こんなに身近な違和感を描くことができるのか!と驚嘆しました。なにが「よけいなもの」だったのか、何度も読み直してしまった。
「五月の陥穽」ー福澤徹三
これも、身近なところに潜む絶望に次ぐ絶望が恐ろしかった。希望も救いも何もない。ブラックホールに吸い込まれるような気持ちを味わいたいとき、もう一度読みたい。
「鳥の巣」ー今邑彩
やっぱり人間が一番怖い!と思ったところで襲ってくる違和感の数々。何が現実で何が怪奇なのか、主人公と同じものを見て感じながら、不気味な世界に取り込まれていく感じが楽しかった。
2026.10 -
Posted by ブクログ
気に入った作品
・肉芽の子(津久井五月)
街中の植物が「パナ」という人体のパーツでできたモノに置き換わった20世紀末の日本
パナはヒトの万能細胞を用いた成果だった
退職した生物学の技術者の女性と謎めいた二人組の物語が交差する
パナの造形が実にグロテスク
シリーズ化できそう
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・鬼 または終わりの始まりの物語(澤村伊智)
オカルト雑誌の編集部の男が、投稿された奇妙な"絵"が、実は非常に細かい文字だと気付き、投稿者に会いに行く
投稿者の圭太郎はサヴァンで膨大なオカルト書籍を記憶し、そこからの考察を投稿していた
ラストでのタイトル回収
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・ラズベリー色の天幕(井上雅彦)
都市伝説の赤いテント
このテントで異形のものを見るとその恵み(ギフト)を得られる
という共通設定のショートショート4編
鰐男が好き
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・Cursed Doll(最東対地)
呪いの人形『不機嫌なキャロル』の独白
時系列がバラバラになっていて、そのまま読むこともできるが、扉の解説にあるような読み方で時系列順に読むこともできる
普通に読んだ後に時系列順に読み直した
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・可不可(黒史郎)
かつてネズミによって滅亡寸前の悲劇に見舞われた離島と、そこで起きた陰湿な村八分事件
有害動物対策のための大規模プロジェクトの会議が島で開催されるとほぼ同時期に、突如日本から世界に向かって放たれた謎の声明が発信される
終盤のひっくり返すような展開がよかった
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・痛妃婚姻譚(斜線堂有紀)
痛みを他者に転送することで痛みから解放された世界
豪華な生活と引き換えに100人分痛みを受ける痛妃と、痛妃を飾り立てる絢爛師の物語
痛妃が不幸に見えないようにと、わざわざ舞踏会を開催して勝者を決めるという悪趣味さ
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・死にたがりの王子と人魚姫(空木春宵)
いかなる身体の不具合も即座に再生するビクニ・システム
システムのおかげで人類は必ず天寿を全うすることになった
そんな世界に反逆する二人の少女の物語
クソ重感情をぶつける百合SF
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・封じられた明日(上田早夕里)
架空の明治大正期の日本のような世界で旧家と契約した魔物とのバトル
その後の困難が予想されるけど、物語的にはスッキリとしたハッピーエンド -
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印象に残った作品
・私の座敷童子(坂入慎一)
一人暮らしの父親の介護を理由にブラック企業とDV彼氏から逃れて、実家に帰ってきた主人公は、実家の蔵の座敷牢に飼われている不気味な座敷童子の世話をすることになる
・死して屍知る者無し(斜線堂有紀)
人間は死後動物に転化し、家族と幸せに暮らす世界
少女は転化の秘密を知ってしまう
・胃袋のなか(最東対地)
全編留守電のログな作品
・乳房と墓(飛鳥部勝則)
顔のない死体についての奇怪な新しい解釈
・蜜のあわれ(櫛木理宇)
人類が地球から脱出し、前政権よって流刑地となっていた地球のレストラン
シェフの知り合いの訪問者は移住先の星では失われた地球の味を堪能する
わりと平和な雰囲気な話
・霧の橋(嶺里俊介)
フリーマーケットで『地蔵石』を買った主人公は、車での帰り道に深い霧の中、見知らぬ道の分かれ道を選び続ける
・貍 または怪談という名の作り話(澤村伊智)
いとこから小学校時代の体験を怪談として聞く
冒頭の『貍』の意味がまさかドラえもんにつながるとは
・生簀の女王(雀野日名子)
DV男から逃げた記憶喪失の女がたどり着いたのはデパ地下の鮮魚売り場のバックヤード
そこで行われる謎の儀式と最強のタコ
アイデアがなかなかぶっ飛んでる作品だった
・世界はおまえのもの(平山夢明)
カウンセラーの主人公が自殺したクライアントから「幸せになってほしい相手の名前」を書くだけで大儲けできる本を贈られる
21年6月の本だけあってコロナの作品もあった(インシデント,モントークの追憶)
コロナが広まったときはこんな感じだったなー -
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ゾンビテーマということで全体的に「親しい人のゾンビ」がテーマの作品が多い。
ゾンビの腐敗・損傷描写や何より作品の濃度もあわせて、まとめて読むと食傷気味。
作品単体ではいいんですけどね。
ゾンビとの共存する社会を描く作品が多く、ゾンビ映画のようなゾンビは意外と少なかったかな。
気に入った作品
・ゾンビはなぜ笑う(上田早夕里)
ゾンビ視点と外部視点、ピアニストゾンビ
・ESのフラグメンツ(空木春宵)
ゾンビ視点と外部視点、ゴスロリゾンビ
・風に吹かれて(久永実木彦)
ゾンビ風船、横暴な軍人、きれいなゾンビ作品
・肉霊芝(斜線堂有紀)
人体実験できる植物のような肉塊、肉霊芝の言い伝えと真実
・猫に卵を抱かせるな(黒木あるじ)
火車、イタリアンマフィア、ゾンビ化能力、ゾンビ映画
・骸噺三題 死に至らない病の記録(牧野修)
連作、不死のメガロドン、ゾンビの社会活用 -
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異形コレクション、というアンソロジー群に初めて触れたのはいつの頃で何がきっかけだったか。
もはや朧げながら、おそらくは20年近く昔でたしか『伯爵の血族』という吸血鬼をテーマにした一冊であったと思う。
その妖しげな物語の数々を手に取り。
風に吹かれた種がやがて流れ着いた場所で根を張るように、同じ著者の他の本を求め…
私の嗜好に幾分かの影響が与えられたか、それとも既に嗜好は形作られていたからこそ惹かれたのかと…
自分語りはさて置きまして。
本をテーマにしたアンソロジーですね。
異形コレクションの良いところは、それぞれの作品の冒頭に井上雅彦氏の解説があり、そこからさらに先の世界を垣間見ることができる点にもあります。
知らない世界を覗き見るのは読書の醍醐味の一つでしょう。
この中で印象に残った作品は二つ。
一つは柴田勝家氏の『書骸』
本を剥製にするという奇想。
それが本当にあり得るかもしれないというリアリティ。
こういうアプローチもあるのかとワクワクさせられました。
もう一つは
澤村伊智氏の『恐 またはこわい話の巻末解説』
架空のアンソロジー本の作品解説という体裁なのですが…紹介されるお話がいずれも面白そうでしてね。
面白そうなのに読めないんですよ。
存在しないから。
読めず
触れず
存在せず
人の想像の中に佇む影のような物語こそ、蠱惑というものかもしれません。
ちょうどある種の人々がネクロノミコンを求め、ついに現出させたように。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回毎回まじかぁ、、、って気持ちになった。こんなはずじゃない!
全て読み終わり、BadEndも面白いよねと思わされた。全部救いがないのもやるせ無い気持ちになるけど。
大好きな櫛木理宇さん、道尾秀介さん、辻村深月さんがいたので購入。櫛木さんは安定に最高、霊的な怖さより人間の怖さを感じた。道尾さんは短い中で2、3回ひっくり返されて気持ちが良すぎる。足元がぐらつく感じが心地よい。辻村さん流石だなーと思った、短いのに読み応えありすぎる。
新名智さんの「今頃、わが家では」良かった。強迫的に不安になってしまう気持ち分かるーっていうのと精神的に病んでるのかなって思わせといてのまさかの!
全て楽しく読めました!