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特別奨学金までもらって進学した美術大学を中退し、母親の地元で働くことになった遠野真亜梨は、移動の電車の中で不思議な青年に出会った。社内の盗難事件の容疑者にされていた彼は、全身黒づくめので、虫眼鏡、虫取り網に胴乱を持ち、昆虫学者ファーブルのような出で立ちだった。刑事から、彼の持ち物であるスケッチブックを間違って渡された真亜梨はそこに記されていた観察記録に目を奪われた。そこには聞いたことのない生き物が、未来の死体の周りでスキップすると書かれていた……。不思議なもの達が生息する村で真亜梨とファーブル君のペアが謎の事件を解決する。
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Posted by ブクログ
お伽話のようにメルヘンチック、だけれど少しばかり恐ろしいような気もする「妖精」たち。実際には存在しないはずのそれを視ることができるらしい謎の青年ファーブル君。彼が見ているものはいったい何なのか。そして妖精たちの物語になぞらえて、現実の事件の真実が思いもよらないところから語られる、ファンタジックな要素もある連作ミステリ。
読み始めた雰囲気としては、ファンタジー路線かなと思いましたが。たしかに雰囲気はファンタジーながら、きっちりとミステリ。一見甘やかに見える空想の世界に潜む、鋭いとげのような現実の手掛かりが効いています。幻想的な空気に流されてふわっと読んでいたら、まさかこんなところに真相があったのか! という驚き。事件そのものには超常的要素はまったくないのですが、それでもこのファンタジックな読み心地は何とも心地よくって不思議です。とても美しい一冊でした。
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