あらすじ
有栖川有栖、平山夢明、澤村伊智、上田早夕里、斜線堂有紀、芦花公園ら、稀代の短篇巧者16名が書下ろし競演! いまホラー界とSF界でもっとも注目されるテーマ・アンソロジー最新刊! 鉄道から人力車、潜水艇まで、さまざまな乗物をめぐる怖ろしくも妖しい16編を収録!
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Posted by ブクログ
今回もまた、最高の短編がギュッと詰まってて最初から最後まで面白かった!
これもまたいつものことだけど各作家さんのテーマの活かし方が千差万別で発想力に驚かされるのと同時に、そもそものテーマ立て自体が上手いなーと感心しちゃう。
芦花公園『カイアファの行かない地獄』、空木春宵『新型白縫譚』、久永実木彦『可愛いミミ』、篠たまき『天眼通の夢』、柴田勝家『電車家族』が特にお気に入り。
Posted by ブクログ
ホラー。短編集。テーマは乗り物。
歴史もの2作はスルー。
全体的に面白い作品が多かった。
テーマ的に、妖怪が出てくるファンタジー寄りの作品が多かった印象。
以下、個人的ベスト3
久永実木彦「可愛いミミ」
車。妖怪もの…になるのかな?
何度か似た作品を読んだことあるけど、やっぱり好き。
柴田勝家「電車家族」
電車。少し社会風刺や問題提起もありそう。
良く考えるとかなり不気味。
斜線堂有紀「帰投」
飛行機。この著者の作品はいつもインパクト凄いな…。
個人的ベスト。
Posted by ブクログ
今回は乗り物がテーマだ!
読んだ後落ち込むタイプの話が多かった印象がある。
怒ったり、逆に元気が出せるコンディションの時に読むのがよろしいと思います。
・可愛いミミ
ミミかわいい〜〜〜〜〜
一途でいじらしくて凶悪で。どうかネネちゃんと一緒に幸せになってほしい。
・封印
時間をかけてゆっくりと醸成された感情って自分でも理解できない何かになってしまうんだろうな。叔父さんは結局それを解放できなかったけど、主人公は成し遂げられてよかった。地震があろうとなかろうと最早関係ない行動力には叔父さんもご満悦でしょう。
・車の軋る町
妖怪だ〜〜〜〜〜っっ!!!しかもバキバキに理不尽でちょっと笑っちゃうタイプのやつ!やったね!触らぬ神に祟りなしって言ったって、四方八方どこが姫の怒髪天か分からないんじゃどうしようもないじゃない。
・カイアファの行かない地獄
お見事です。もう本当に最悪。宗教オマージュと現代の凶悪犯罪の親和性の高さにいっそ見惚れてしまうな。悔い改めることができない者には落ちる場所さえ与えられないんだ。それはある種、被害者にとっては救いなのかもしれない。
・くるまのうた
子供の頃狂ったように読んでいた眉唾物の怪談本と大好きだった豆腐の移動販売車のラッパの音を思い出して、これが郷愁の念か...としみじみした。好きだったな移動販売車。怖いと思ったことはなかったけど、子供の頃に作中の怪談を読んでいたらビビリ散らかしていただろうな。
・ドンキの駐車場から出られない
愛美の有名怪談全盛定食がよかった。そんな、倍速で映画みるみたいなスピード感で怪異が起きたら怖がる暇なさそう。
・天眼通の夢
今回のテーマで出てくる乗り物の中で特に好きなやつ。自分の子供を回数券扱いする倫理観のなさがとてもいい。そもそも倫理観を邪念と呼称するのが最高だ。頑張れ主人公お前なら先生と幸せになれる。
・電車家族
今回の本の中で一番怖かった。同じ車両にどう対応したらいいか分からない人がいた時の張り詰めた空気感に身に覚えがあるが故に他人事じゃなくて本当に怖かった。
あの狭い空間に知らない人間がぎゅうぎゅうに詰まってるの自体、よく考えたら本当に怖くて、そこに一見絆で結ばれたように見える集団が存在する異物感とその集団ですら実は、という二重構造が効いている。
・車夫と三匹の妖狐
妖怪だ〜〜〜〜〜〜〜!!!!ダークヒーロー的な味わいのあるやつだ!!人の世に紛れて目眩く饗宴が今もどこかで開かれているかもしれない喜びと、人間の愚かさが留まることなく加速していく虚しさが美しく織り込まれている。最後がね、すごくいいですね。
・帰投
今回のテーマで出てくる乗り物の中で特に好きなやつ。
超能力だから腸ですか?おもろ。と思っていられたのも束の間。人間としての運用を想定していませんのでを仔細に見せられると流石に辛い。空に憧れる気持ちをどうしたって捨てられない夏日のことを思うと悔しくなっちゃうな。
それはそれとしてクズ石は何個かまとめてセットで販売しますみたいな運用には正直興奮もしました。最悪だよ。
・真形白縫譚 蜘蛛絲怨道行
共感が先立つせいで読んでいて非常に辛い気持ちになるんだけど、だからこそラストで救われた気分になって、こういう話が今読みたかったんだなと思った。
自分の怨みを自分で晴らして自由に、って走り抜けた結果として姫と土蜘蛛があの会話をしてくれたならもういいよ。
・スイゼンジと一緒
悪人じゃないけどどうしようもないから悪事に加担するしかない心根の優しい終わった男を書いたら世界一の平山夢明が書く悪人じゃないけどどうしようもないから悪事に加担するしからない心根の優しい終わった男の話です。ありがとう。
・男爵を呼ぶ声
犬ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
お前がナンバーワンです。
幽霊馬車ってロマンがあっていいな。お迎えが来るなら幽霊馬車がいい。
・カーラボスに乗って
こういう話大好きなんで大変助かりました。そうそう簡単に改心するなら先ず大量殺人をしないだろ、というのは本人たちも被害者側も当然思ってるよね。カイアファの〜でも触れたけど、死をもって罪を濯ぐことはできないし、それじゃ腹の虫が治まらない被害者遺族がカスどもをどうにかしようとした結果としてああいうタイプの永遠を与える結末は確かに必定なのかもしれない。ゴロウたちはきっと考えるのをやめることもできないんだろうし。
・キャラセルは誘う
永遠にメリーゴーランドに乗っていたいという気持ちがあるのでそわそわしてしまった。
サナトリウムという場所が想像させる寂しさと、建築物そのものが放つ怪しさ、秘密の気配が物語をひどく魅力的にしていて、私も地下に行きたいんですが、とキャラセルちゃんに縋りたくなった。
・スーパーエクスプレス・イリュージョン
倦み疲れた爺と結果として爺の残りの人生全て奪って死んだ女の物語を、観客席で結果だけ見せられるもどかしさと気持ちよさったら、癖になっちゃいそう。
隠遁生活するジジイが好きなんですよね。
Posted by ブクログ
一話目の、「可愛いミミ」面白かった。ミミと主人公が暴走する話!すごかったなぁ。他にも、電車にいる家族とか、出られない駐車場とか、面白い綺談がいっぱ〜いでした!
Posted by ブクログ
「カイファの行かない地獄」が一番大好きだった。
キリストとユダの関係をベースにしたお話。キリスト教系の幼稚園に行ってたから、序盤で「これは!」となった。ユダの愛を感じた。
裏切りの報いを受ける罰が救いになるんだろうけど、そうはさせて貰えないのが良い。
Posted by ブクログ
山形の和菓子屋の話は前半で一番くらい怖い
ショタコン女教師の話は別の意味で怖い
円形療養所の話は美しくキラキラして怖い
斜線堂さんの頭の中ってどうなってるのか(好き)