安達瑶のレビュー一覧
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安達瑶『悪漢刑事 最後の銃弾』祥伝社文庫。
シリーズ最新刊。悪漢刑事・佐脇の『最後』が描かれる。シリーズはこのまま完結するのだろうか……
鳴海市を舞台にした不穏な事件が次々と発生。そして、何故か過去に悪漢刑事・佐脇に関わったオンナたちが鳴海市に集結する。
鳴海署管内で発生した上級国民による猥褻事件。同じ頃、警察官僚・入江の娘、女優の奈央が鳴海市で誘拐される。追い討ちをかけるかのように鳴海市の市会議員らによる鳴海署の糾弾行動が起きる。
面白かった。日本の世相や事件を作中に上手く散りばめ、この人物はきっとあの野郎だなと思わずニヤリとする。
本体価格690円
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安達瑶『洋上の饗宴(下) 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。
怒涛の展開の下巻。ふと気が付けば、上巻には描かれていたお馴染みのエロ描写は無く、ひたすらスケールの大きなミステリーとサスペンスが展開される。間違いなく、シリーズ最高傑作だろう。
日本及び寄港予定だった沿岸国の全てから入港を拒否されたパシフィック・プリンセス。殺人犯どころか、テロリストに天然痘に、次々と佐脇刑事ら乗客を襲う脅威。果たして、事件の真相や如何に。
悪漢刑事シリーズとしては初の上下巻の上に、おもな登場人物の一覧に舞台となるパシフィック・プリンセス号の見取り図が収録されるという力の入れよう。如何に安達瑶がこの作品に力を注いだか -
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安達瑶『洋上の饗宴(上) 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。
悪漢刑事シリーズとしては珍しい上下巻の長編作品。久し振りに破天荒で痛快な佐脇刑事が帰って来た感じがする。また、一方で本格推理小説のようなシリアスな事件が描かれ、さらに一捻り二捻りの大きな展開があり、シリーズとして大きな変貌を遂げたようにも思う。いずれにせよ、非常に面白い。
佐脇刑事は裏稼業でマネーロンダリングに手を染める会社社長の輝本の身辺警護の名目で、愛人の千紗と共に豪華客船バシフィック・プリンセスで休暇を楽しむ。乗船しているのは癖のありそうな奇妙な客ばかり…船上という密室で起きる殺人事件…さらには…
事件の真相と犯人は未だ闇の中… -
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安達瑶『侵犯 内閣裏官房』祥伝社文庫。
シリーズ第4弾。文庫書き下ろし。
冒頭から政治批判のような辛辣な描写や芸能界のゴシップやらが散りばめられていて面白い。そして、今回の物語のテーマは、一触即発のきな臭いアジアの現状のようだ。
今まさにロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮によるミサイル発射、台湾有事と国際紛争があちこちで起きている。米国のポチと化した日本のお馬鹿な首相は、勝手に過去最大級の防衛費の増額を決定し、その費用を増税や復興予算の流用で賄おうとしている。日本は米国の人柱となり、まっしぐらに戦争へと向かっているように見える。
与党の国会議員が失踪し、党幹事長からの指令を受けた内閣裏 -
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安達瑶『降格警視2』徳間文庫。
シリーズ第2弾。
あらゆる犯罪に精通し、エリートコースを邁進していながら、とあることで左遷されるという憂き目にあった錦戸准警視と私人逮捕が趣味の榊鋼太郎とその仲間たちが繰り広げるコメディタッチの世相を反映した連作形式の警察小説。
現役警察官が関わった犯罪や議員候補者の犯罪と隠蔽、セクハラのでっち上げやネット犯罪と現代の世相を反映しており、面白い。
錦戸准警視の降格理由が明らかにされない以上は、まだシリーズは続くのかな。
第一話は、現役警察官が経営する違法風俗店を巡る騒動。あくまでも愚直に正義を貫こうとする降格警視の錦戸准だったが警察組織の壁に阻まれる。 -
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安達瑶『傾国 内閣裏官房』祥伝社文庫。
自衛隊出身の武闘派女子上白河レイらが所属する現代のお庭番『内閣裏官房』の活躍を描いたシリーズ第3弾。
なかなか痛快。しかし、大きく広げた風呂敷を慌てて畳んだような最終盤から結末までの展開はあっさりし過ぎていて、少し拍子抜け。中盤までの熱量が一気に冷めてしまった感じだ。
芝浜重工の女性秘書が自宅に大量の血痕を遺し、防衛や基幹インフラに関する機密情報と共に失踪する。大企業と通経省、大物議員との癒着、その背後で蠢く新興宗教団体……
芝浜重工のモデルはアメリカの原子力事業で巨額損失を計上し、一気に経営危機に陥った東芝だろう。今や大企業としての信用も失墜し -
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安達瑶『天国と地獄 悪漢記者』光文社文庫。
シリーズ第3弾。今回も現代の世相を背景に三流週刊紙のヤサグレ記者の奮闘を描く。余りにも世相を反映し過ぎて、佐久間と清乃の活躍が余り目立たず、エンタメ性が低くなっているのがちょっと残念。
週刊誌の売れ行きが伸び悩む中、『週刊超真相』の編集部でバズーカと呼ばれた記者・佐久間は、清乃と共に超高級シニアレジデンスで体験取材を行う。金持ちしか入れないシニアレジデンスで優雅に暮らす老害たちの生態と彼らが駄目にした日本社会……
日本の雇用制度を根底から破壊し、貧富の格差を拡大させた大バカ野郎がモデルの、プライドだけは高いという最悪の陰湿で頑固な老人・滝中が台 -
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安達瑶『政商 内閣裏官房』祥伝社文庫。
自衛隊出身の武闘派女子上白河レイらが所属する『内閣裏官房』のシリーズ第2弾。
今の日本と重なる所も多く面白い。
総理大臣が交替しても、世の中は良くなるどころか悪くなる一方。新型コロナウイルスの感染状況を見れば、Go To事業や聖火リレーをやっている場合ではないことは小学生でも解るのに日本政府は経済優先で国民の命は二の次に考えている。経済関連団体から多額の献金や裏金を集める政治家ならではの思考なのだろう。
現実世界の日本と同様、新政権が発足し、叩き上げの官房長官が総理大臣に就任する。また、こちらも現実世界と同様、芸能人や著名人の自死事件が相次ぐ。
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安達瑶『報いの街 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。
悪漢刑事シリーズ。お約束のエロあり、現実に起きた事件を題材にして、悪漢刑事・佐脇の活躍を描く。
任侠も正義も生き残るのが難しい時代。ヤクザを全面的に肯定する訳ではないのだが、かつてはヤクザと警察、市井の人びとがもう少し上手くバランスを取っていたように思う。暴力団排除条例が施行された現在は警察や手加減を知らぬ一般人の方がヤクザより怖いくらいだ。かつては明確だった善と悪との境界線が見えなくなっている。
鳴海市の壊滅した旧鳴龍会の残党は世間の偏見に晒され、まともな仕事にも就けず、生活が困窮していた。彼らの現実を目の当たりにした刑事の佐脇は彼らのため
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