安達瑶のレビュー一覧

  • 悪漢刑事 最後の銃弾

    Posted by ブクログ

    安達瑶『悪漢刑事 最後の銃弾』祥伝社文庫。

    シリーズ最新刊。悪漢刑事・佐脇の『最後』が描かれる。シリーズはこのまま完結するのだろうか……

    鳴海市を舞台にした不穏な事件が次々と発生。そして、何故か過去に悪漢刑事・佐脇に関わったオンナたちが鳴海市に集結する。

    鳴海署管内で発生した上級国民による猥褻事件。同じ頃、警察官僚・入江の娘、女優の奈央が鳴海市で誘拐される。追い討ちをかけるかのように鳴海市の市会議員らによる鳴海署の糾弾行動が起きる。

    面白かった。日本の世相や事件を作中に上手く散りばめ、この人物はきっとあの野郎だなと思わずニヤリとする。

    本体価格690円
    ★★★★★

    0
    2020年01月05日
  • 洋上の饗宴(下) 新・悪漢刑事

    Posted by ブクログ

    安達瑶『洋上の饗宴(下) 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。

    怒涛の展開の下巻。ふと気が付けば、上巻には描かれていたお馴染みのエロ描写は無く、ひたすらスケールの大きなミステリーとサスペンスが展開される。間違いなく、シリーズ最高傑作だろう。

    日本及び寄港予定だった沿岸国の全てから入港を拒否されたパシフィック・プリンセス。殺人犯どころか、テロリストに天然痘に、次々と佐脇刑事ら乗客を襲う脅威。果たして、事件の真相や如何に。

    悪漢刑事シリーズとしては初の上下巻の上に、おもな登場人物の一覧に舞台となるパシフィック・プリンセス号の見取り図が収録されるという力の入れよう。如何に安達瑶がこの作品に力を注いだか

    0
    2017年06月26日
  • 洋上の饗宴(上) 新・悪漢刑事

    Posted by ブクログ

    安達瑶『洋上の饗宴(上) 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。

    悪漢刑事シリーズとしては珍しい上下巻の長編作品。久し振りに破天荒で痛快な佐脇刑事が帰って来た感じがする。また、一方で本格推理小説のようなシリアスな事件が描かれ、さらに一捻り二捻りの大きな展開があり、シリーズとして大きな変貌を遂げたようにも思う。いずれにせよ、非常に面白い。

    佐脇刑事は裏稼業でマネーロンダリングに手を染める会社社長の輝本の身辺警護の名目で、愛人の千紗と共に豪華客船バシフィック・プリンセスで休暇を楽しむ。乗船しているのは癖のありそうな奇妙な客ばかり…船上という密室で起きる殺人事件…さらには…

    事件の真相と犯人は未だ闇の中…

    0
    2017年06月25日
  • 強欲 新・悪漢刑事

    Posted by ブクログ

    悪漢刑事の新シリーズ。
    鳴海に戻った佐脇に、女署長や島津という新しいキャラクターが絡み、なんといっても磯部ひかるの久々の登場! 悪漢刑事の原点回帰の作品

    0
    2016年02月19日
  • Twitter小説集 140字の物語

    Posted by ブクログ

    twitterの可能性・新たな文章作品の形態を見させてもらった気がします。特に恋愛系のお話がすきー。たった140文字の文章を読み終わったあとに頭の中でぶわーっと物語世界が広がる感じがぞくぞくします。

    0
    2010年01月21日
  • 紳士と淑女の出張食堂

    Posted by ブクログ

    度重なるミスから会社をクビになってしまった彼女が転がり込んだのはケータリング料理店。
    しかし一癖も二癖もあるお客さんばかりで、毎日がどったんばったん大騒ぎ!
    全体的に登場人物の頭が悪すぎる気はしますが、そのおかげで気楽に読めますね。
    「それはまた別のお話」もどこかで読めるといいなあw

    0
    2025年03月28日
  • 侵犯 内閣裏官房

    Posted by ブクログ

    安達瑶『侵犯 内閣裏官房』祥伝社文庫。

    シリーズ第4弾。文庫書き下ろし。

    冒頭から政治批判のような辛辣な描写や芸能界のゴシップやらが散りばめられていて面白い。そして、今回の物語のテーマは、一触即発のきな臭いアジアの現状のようだ。

    今まさにロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮によるミサイル発射、台湾有事と国際紛争があちこちで起きている。米国のポチと化した日本のお馬鹿な首相は、勝手に過去最大級の防衛費の増額を決定し、その費用を増税や復興予算の流用で賄おうとしている。日本は米国の人柱となり、まっしぐらに戦争へと向かっているように見える。

    与党の国会議員が失踪し、党幹事長からの指令を受けた内閣裏

    0
    2023年01月19日
  • 降格警視2

    Posted by ブクログ

    安達瑶『降格警視2』徳間文庫。

    シリーズ第2弾。

    あらゆる犯罪に精通し、エリートコースを邁進していながら、とあることで左遷されるという憂き目にあった錦戸准警視と私人逮捕が趣味の榊鋼太郎とその仲間たちが繰り広げるコメディタッチの世相を反映した連作形式の警察小説。

    現役警察官が関わった犯罪や議員候補者の犯罪と隠蔽、セクハラのでっち上げやネット犯罪と現代の世相を反映しており、面白い。

    錦戸准警視の降格理由が明らかにされない以上は、まだシリーズは続くのかな。

    第一話は、現役警察官が経営する違法風俗店を巡る騒動。あくまでも愚直に正義を貫こうとする降格警視の錦戸准だったが警察組織の壁に阻まれる。

    0
    2022年06月21日
  • 傾国 内閣裏官房

    Posted by ブクログ

    安達瑶『傾国 内閣裏官房』祥伝社文庫。

    自衛隊出身の武闘派女子上白河レイらが所属する現代のお庭番『内閣裏官房』の活躍を描いたシリーズ第3弾。

    なかなか痛快。しかし、大きく広げた風呂敷を慌てて畳んだような最終盤から結末までの展開はあっさりし過ぎていて、少し拍子抜け。中盤までの熱量が一気に冷めてしまった感じだ。

    芝浜重工の女性秘書が自宅に大量の血痕を遺し、防衛や基幹インフラに関する機密情報と共に失踪する。大企業と通経省、大物議員との癒着、その背後で蠢く新興宗教団体……

    芝浜重工のモデルはアメリカの原子力事業で巨額損失を計上し、一気に経営危機に陥った東芝だろう。今や大企業としての信用も失墜し

    0
    2022年04月18日
  • 強欲 新・悪漢刑事

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鳴海署刑事課一係に復籍帰任。しかし署内は大幅な人事異動で署長は元気印のスポーツ女子という印象の若い美人だった。そんな中、閉鎖的な集落での連続殺傷事件の追加捜査を命じられるが新たな事件が起こり・・・。

    0
    2021年11月20日
  • 天国と地獄~悪漢記者~

    Posted by ブクログ

    安達瑶『天国と地獄 悪漢記者』光文社文庫。

    シリーズ第3弾。今回も現代の世相を背景に三流週刊紙のヤサグレ記者の奮闘を描く。余りにも世相を反映し過ぎて、佐久間と清乃の活躍が余り目立たず、エンタメ性が低くなっているのがちょっと残念。

    週刊誌の売れ行きが伸び悩む中、『週刊超真相』の編集部でバズーカと呼ばれた記者・佐久間は、清乃と共に超高級シニアレジデンスで体験取材を行う。金持ちしか入れないシニアレジデンスで優雅に暮らす老害たちの生態と彼らが駄目にした日本社会……

    日本の雇用制度を根底から破壊し、貧富の格差を拡大させた大バカ野郎がモデルの、プライドだけは高いという最悪の陰湿で頑固な老人・滝中が台

    0
    2021年08月19日
  • 政商 内閣裏官房

    Posted by ブクログ

    安達瑶『政商 内閣裏官房』祥伝社文庫。

    自衛隊出身の武闘派女子上白河レイらが所属する『内閣裏官房』のシリーズ第2弾。

    今の日本と重なる所も多く面白い。

    総理大臣が交替しても、世の中は良くなるどころか悪くなる一方。新型コロナウイルスの感染状況を見れば、Go To事業や聖火リレーをやっている場合ではないことは小学生でも解るのに日本政府は経済優先で国民の命は二の次に考えている。経済関連団体から多額の献金や裏金を集める政治家ならではの思考なのだろう。

    現実世界の日本と同様、新政権が発足し、叩き上げの官房長官が総理大臣に就任する。また、こちらも現実世界と同様、芸能人や著名人の自死事件が相次ぐ。

    0
    2021年05月17日
  • 私人逮捕!

    Posted by ブクログ

    正義感の強い方にはとても痛感であると思いました。
    若干詰めが甘い箇所もありますが楽しく一気読みしちゃいました。
    オススメの一冊ですね
    「三匹のおっさん」を思い出しました。
    またテレ東さんでドラマ化してくれないかな

    0
    2020年09月22日
  • 内閣裏官房

    Posted by ブクログ

    安達瑶『内閣裏官房』祥伝社文庫。

    政府与党の不祥事や不正を秘密裏に処理し、事件を揉み消す現代のお庭番とも言うべき内角官房副長官室の活躍を描いた作品。見聞きしたことのある政界のスキャンダルがわんさか描かれる。時勢を反映した政治色が強く、エロはやや少ない。もしかしたらシリーズ化されるのかな。

    突然の辞令を受けて内閣官房副長官室に転属し来た元レディースで陸上自衛隊出身の武闘派女子の上白河レイは、着任早々、議員秘書の殺害事件に遭遇する。曲がったことが嫌いで猪突猛進の上白河は議員秘書殺害事件の犯人を追うが……

    本体価格700円
    ★★★★

    0
    2020年09月01日
  • 悪女列車

    Posted by ブクログ

    安達瑶『悪女列車』実業之日本社文庫。

    鉄道エロティック・コメディ・サスペンス娯楽小説。

    まさかブラック・フィールド探偵社の黒田やじゅん子までもが登場するとは思わなかった。『桜を見る会を巡る一連の騒動』や『カルロス・ゴーン逃亡劇』など時事ネタを巧く放り込んでいて、なかなか面白い。

    通勤で間違えて乗車した埼京線の女性専用車両の中で謎の美女を助け、その美女に一目惚れした主人公は、警察やヤクザが入り乱れるトラブルに巻き込まれていく……

    本体価格720円
    ★★★★

    0
    2020年06月08日
  • 鄙(ひな)の聖域~悪漢記者~

    Posted by ブクログ

    安達瑶『鄙の聖域 悪漢記者』光文社文庫。

    シリーズ第2弾。

    実際に起きた事件や、現代社会に於いてはいつ起きてもおかしくないような事件をテーマに三流週刊紙のヤサグレ記者の奮闘を描く。適度にエロもあり、なかなか面白い。

    埼玉県の山間部の町で起きた一家6人殺傷事件を巡り、『週刊超真相』の編集者・佐久間が凶行の裏側に潜む驚愕の真相に迫る。

    本体価格700円
    ★★★★

    0
    2019年10月04日
  • 悪徳(ブラック)探偵 ドッキリしたいの

    Posted by ブクログ

    安達瑶『悪徳探偵 ドッキリしたいの』実業之日本社文庫。

    シリーズ第5弾。安定のエロスとサスペンスにブラックユーモア。

    ヤクザの黒田が経営するブラックフィールド探偵社でタダ働きさせられている飯倉は芸能プロのアイドルスカウトに、グループ寮の住み込みに、沖縄ロケの同行と奔走するが……

    新潟の某アイドルグループの騒動をデフォルメした事件も描かれ、なかなか面白い。実際のところは本作に描かれたことが起きていたのではなどと勘繰ったりして……

    本体価格676円
    ★★★★

    0
    2019年08月21日
  • 報いの街 新・悪漢刑事

    Posted by ブクログ

    安達瑶『報いの街 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。

    悪漢刑事シリーズ。お約束のエロあり、現実に起きた事件を題材にして、悪漢刑事・佐脇の活躍を描く。

    任侠も正義も生き残るのが難しい時代。ヤクザを全面的に肯定する訳ではないのだが、かつてはヤクザと警察、市井の人びとがもう少し上手くバランスを取っていたように思う。暴力団排除条例が施行された現在は警察や手加減を知らぬ一般人の方がヤクザより怖いくらいだ。かつては明確だった善と悪との境界線が見えなくなっている。

    鳴海市の壊滅した旧鳴龍会の残党は世間の偏見に晒され、まともな仕事にも就けず、生活が困窮していた。彼らの現実を目の当たりにした刑事の佐脇は彼らのため

    0
    2019年07月27日
  • 密薬 新・悪漢刑事

    Posted by ブクログ

    安達瑶『密薬 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。

    文庫書下ろし。悪漢刑事の新シリーズ第4弾。今回も悪漢刑事・佐脇の暴れ度は小さく、少し物足りなさを感じる。大学のヤリサーに新薬を巡る大学の不正と時勢を反映した事件が描かれる。お約束のエロもあるが……

    随所に現代の若者には理解不能な懐かしギャグが散りばめられており、そういうことから考えると、このシリーズの対象読者は40代後半以降なのかと考えてしまう。

    0
    2018年12月15日
  • 悪徳(ブラック)探偵 お泊りしたいの

    Posted by ブクログ

    安達瑶『悪徳探偵 お泊りしたいの』実業之日本社文庫。

    『悪徳探偵』シリーズ第4弾。今回も連作短編形式でB級感たっぷりで少しエロありの5編を収録。

    どうやら探偵業よりも副業の方がメインとなったようで、反社会的勢力の副業というと今野敏の『任侠』シリーズっぽい感じもする。今回はヤクザ社長の黒田にコキ使われる飯倉良一を中心に民泊業、貸し切りミステリー列車や豪華客船のアテンド、女性専用車両の警備、高原ガイドと様々な副業へのチャレンジが面白おかしく描かれる。

    0
    2018年08月15日