あらすじ
警官がモグリの副業で性風俗店を経営しているとのタレコミが。調べてみると本当だった。しかも大繁盛している。同僚が観て見ぬフリをしていて、それをいいことにかなりのサービスをやって評判だった……。その警官は、仕事は真面目で警察情報をヤクザに流している形跡はない。「本人にはやんわりと説得するから、事を荒立てないで欲しい」と錦戸は言われるが、彼は納得出来ない。しかし、そのその風俗店で、風俗嬢の殺人事件が発生。「ドイツで起きた『フリッツ・ホンカ事件』に似ている」と錦戸。彼の頭には世界中の猟奇殺人事件がデータベースのように入っている。超エリートらしく緻密に捜査方針をたてた錦戸だったが、またぞろ榊鋼太郎ら超庶民が一枚も二枚も噛んできて…。他、女子高生誘拐、ネット殺人、オレオレ詐欺を扱った全四編。エリート思考と庶民派人情のぶつかり合いが意外や意外、難事件を解決に導く異色警察小説第二弾!
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Posted by ブクログ
安達瑶『降格警視2』徳間文庫。
シリーズ第2弾。
あらゆる犯罪に精通し、エリートコースを邁進していながら、とあることで左遷されるという憂き目にあった錦戸准警視と私人逮捕が趣味の榊鋼太郎とその仲間たちが繰り広げるコメディタッチの世相を反映した連作形式の警察小説。
現役警察官が関わった犯罪や議員候補者の犯罪と隠蔽、セクハラのでっち上げやネット犯罪と現代の世相を反映しており、面白い。
錦戸准警視の降格理由が明らかにされない以上は、まだシリーズは続くのかな。
第一話は、現役警察官が経営する違法風俗店を巡る騒動。あくまでも愚直に正義を貫こうとする降格警視の錦戸准だったが警察組織の壁に阻まれる。事件は違法風俗店で働いていた女性の拉致監禁事件へと発展し、最後は何故かドタバタ劇。
第二話では、ボロアパートを狙う空き巣事件と主婦がネットに書いた夫への不平不満罵詈雑言から依頼殺人への発展が危惧される事案が描かれる。殺人を止めるべく錦戸准と榊鋼太郎たちが動くが。
第三話、榊鋼太郎とその仲間たちが応援していた区会議員候補者の藤沢祐輔が選挙で落選する。三位当選した『いけ好かないふっくらした女』が選挙が始まる直前に交通事故を起こしたというどこかで聞いたことのあるような展開に。
第四話は、錦戸准や榊鋼太郎らが集う居酒屋クスノキでアルバイトをしている女子高生が誘拐される。誘拐を主導したのは旦那がネットゲームで女子高生と知り合い、付き合っていると誤解し、嫉妬に狂った妻だった。
本体価格770円
★★★★