安達瑶のレビュー一覧
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錦戸准。東大から警察庁に入庁したキャリアだったが、下町の墨井警察署生活安全課課長として転任。その理由は本人が黙して語らないので不明だが、階級も警視から警部へと降格しているだけによほどのことがあったと思われる。
警察庁への早々の返り咲きを期して事件解決に奔走する錦戸の活躍をコミカルに描く連作短編集。シリーズ1作目。
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墨井署受付で、初老の男が大声で係の警官に噛みついていた。男が片手にがっちり摑んでいるのは、これまた初老の太って人相の悪い男の腕。聞けば私人逮捕してきたから生活安全課で正式逮捕しろという。
対応する警官たちが困りきっていたところに登場したのが、スマー -
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安達瑶『悪徳令嬢』実業之日本社文庫。
『悪徳令嬢』という割には悪徳ではないし、極悪な前理事長の不正も可愛いものだ。感覚が麻痺しているのか。それだけ現実の世が腐っているのだろう。エロも無く、風刺も少なく、バイオレンスも無く、非常に物足りない。
32歳独身で啓陽大学の非常勤講師の相良拓海は講義のコマを減らされ、このままでは生活も立ち行かぬとやきもきしていた。そんな中、大学の現理事長が不正疑惑を受け、辞任し、新たな理事長として巻き髪の令嬢が選任される。
5年前に起きた死亡事故の謎、稀覯本の紛失事件と混乱の中、上演された演劇でさらなる事件が起きる。
本体価格700円
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安達瑶の内閣裏官房シリーズ第2作目、文庫本書き下ろし(2021年5月文庫本)。
新政権が発足し、内閣官房副長官も韮沢から横島に変わったが副長官室のメンバーは変わらず、内閣裏官房は存続していた。
内閣官房に秘密裏に組織された副長官室。陸上自衛隊特殊作戦群から出向の上白河レイ、警視庁捜査二課から出向の津島健太郎、外務省から出向の等々力健作、国税庁査察部から出向の石川輝久、そして室長の御手洗嘉文の総勢5人が横島内閣官房副長官の命令の元、ある民間施設で起きた殺人事件に急行する。
その施設は新政権とも繋がりが深い企業、人材派遣会社「キャリウェル」が要人を接待するために造った迎賓館「キャリウェル・キャッス -
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安達瑶の作品は初めて。本屋でタイトルを見て面白そうだったので購入。文庫本書き下ろし小説(2020年8月文庫本)。
胸がスカッとするようなリアルな警察官僚小説に近いストーリーかなと思っていたら全然違った。まあスカッとするにはする結末ではあったが、殺人事件の動機や犯人の設定がなんかリアル感がない感じで、黒幕の首相秘書官というのも頭脳明晰という感じではないし、考えていたのと違うなと思いながら読み進めていた。しかし漫画チックな犯人像と不必要な犯人とのアクションシーンを除けば痛快な展開で面白い。
内閣官房に秘密裏に組織された副長官室。政府与党の足を引っ張る不祥事や不正をもみ消し、場合によっては悪をも守る -
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安達瑶『紳士と淑女の出張食堂』実業之日本社文庫。
5話収録の連作グルメ・ミステリーという触れ込みなのだが、グルメもミステリーも得意のエロも中途半端。時節の話題を盛り込むのに精一杯でストーリーがお座なりという感じになっている。類似の作品に福澤徹三の『侠飯』があるが、こちらは創作料理にミステリーとスリル、しっかりしたストーリーがあり、圧倒的に面白い。
会社で大きなミスを犯し、解雇された挙げ句に彼氏にもフラれた居間野ヒロミはクリスマスの夜にゴミ屋敷と化した部屋の中から小銭をかき集め、高級ケータリング料理店に料理を注文する。配達に来たこうしろうに怠惰な生活を嗜められたヒロミは、その高級ケータリング
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