あらすじ
客船の乗員乗客、全員人質!政府への要求は200億円!悪漢刑事vs.謎のテロリスト、洋上の死闘! 船内爆発と殺人で騒然とする豪華客船「パシフィック・プリンセス」。監視カメラが壊され、鑑識もおらず捜査は難航、そこに謎のテロリストからの脅迫が。やがて、背後に政府要人も関わる巨大なマネーロンダリングの疑惑が浮上する……!寄港を拒否され、洋上の孤島と化した豪華客船、はたして悪漢刑事・佐脇たちの運命は…? シリーズ最大の巨編(上・下2巻)の完結編、その予想もしなかった結末とは……。
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Posted by ブクログ
安達瑶『洋上の饗宴(下) 新・悪漢刑事』祥伝社文庫。
怒涛の展開の下巻。ふと気が付けば、上巻には描かれていたお馴染みのエロ描写は無く、ひたすらスケールの大きなミステリーとサスペンスが展開される。間違いなく、シリーズ最高傑作だろう。
日本及び寄港予定だった沿岸国の全てから入港を拒否されたパシフィック・プリンセス。殺人犯どころか、テロリストに天然痘に、次々と佐脇刑事ら乗客を襲う脅威。果たして、事件の真相や如何に。
悪漢刑事シリーズとしては初の上下巻の上に、おもな登場人物の一覧に舞台となるパシフィック・プリンセス号の見取り図が収録されるという力の入れよう。如何に安達瑶がこの作品に力を注いだかが窺える。
以前、Twitterで安達Bが取材で船のクルーズに参加していると呟いていたのは、この作品のためだったのかと納得。さらにTwitterで安達Bがネトウヨ連中によく絡まれているが、さりげなくその辺りも作中に盛り込んだのは彼らへの意趣返しだろうとほくそ笑む。