山本甲士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
迷える人たちをよき方向に導くという不思議な能力を持つ犬・マジックの1年を描くハッピーファンタジー。
春夏秋冬の4編からなる連作短編集。シリーズ2作目。
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各話の登場人物にうまく関係性を持たせるなど実によくできた構成で、1作目よりさらにおもしろかった。
個人的に気に入ったのは「夏」編。ヤンキー崩れの不器用な男がマジックの絶妙なレッスン( 調教⁉ )によって次第に人間ができてくる話で、マジックの賢さがよくわかります。
自分を客観視して適性を知ること。そしてその適性を活かした仕事に力を尽くすこと。それらは自立するための大切な要素です。
それらができて初めて人から信頼されるようになり、信頼されるとその信頼に応えようと努めるようになるのです。
この好循環が軽快なタッチで描かれていました。このテンポよくことが運んでいく心地よさこそ山本甲士ファンタジーの真髄でしょう。
ひとつ気になるのは最終話のラストシーンです。
本話の「迷える人」であるチヨが孤独から解放されて前向きに生きられるようになっても、マジックはチヨの元を去らないまま話が結ばれています。これは、1作目から続いてきたエンディングパターンと大きく異なります。
もしかしてマジックは、チヨの古家を自分の終の棲家と定めたということなのでしょうか。 ( マジックもいいおトシみたいなので。)
特定の飼い主を持たず、神懸かり的な賢さで迷える人たちを救い助ける犬・マジックの活躍。まだまだ読みたく思うので、この見立てがどうか外れますように……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ周囲の人との関係や仕事、人生がうまく行ってなかったり、困ってる人の前に或る日突然現れる黒柴風のマジック。とても人間臭く、賢く優しいわんこ。こんな子が私の前にも現れないかなぁと夢想してしまうほど魅力的な良い子。
その人が前に進めるように色々なきっかけをくれる。知り得なかった真実に導いてくれたり、なかなか仲良くなれない大切な誰かとの仲を取り持ってくれたり、良くない習慣をいつの間にか改善させてくれたり…そして、臨時の飼い主が前を向けるようになったら去って行ってしまう。
前作もすごく好きだったけど、今作は更に良かった。
特に、最後の冬の主人公チヨさんのお話がとても心に響いた。シングルマザーだった一人娘と孫息子と一緒に住んでいて貧しいながらも楽しい生活だったのに、二人とも亡くなってしまい、一人ぼっちに…
孫の将は夢だった漫画家への道が開けなくて思い悩んでの自殺かもしれなくて、チヨは苦しんでいた。
或る日、マジックが将の旧友の元へ導いてくれ、彼から将は自殺ではなかった、彼には明るい未来があったという真実を知り、ずっと読めなかった遺作にもやっと向き合えたチヨ。
そんな彼女の元へ、暫く2階を間借りさせてくれないかとDVに遭っていた親子が連れて来られる。チヨは、彼らを守りたいと思い、ずっと居てくれていいと独白する。
それはつまり、マジックへの言葉でもある?
マジックがチヨの元を去る描写もなく、やってきた男の子に近づいていくことから、マジックもチヨと一緒に親子を守るのかな?
3作目も読んでみたいけれど、これでシリーズは完結なのかな。ちょっぴり寂しい。それほどマジックが大好き。 -
Posted by ブクログ
心がじ〜んと温かくなって最後はちょっとうるうるしちゃいました。
ひかりさんと出会った人達が少しずつ良い方向に導かれてゆく…着実に一歩一歩前に進めている。
ひかりさん、本当に不思議な人!
触れ合ってみたいなぁ、ひかりさんと。
何よりの変化は孫のミツキちゃん!
1巻の初めを思うとその代わりようにびっくり!笑
すごいですね〜無理矢理でもなんでもなく自然と人の有り様を変えてしまうんですもん、ひかりさん。
この本を読んでいると毎日をしゃかりきにならず丁寧に生きていこう、そんなふうに思える。
心が洗われる気がします。
このところ忙しい毎日に心が荒みかけていたので良いタイミングで本書を手にしたなぁと本書との出会いに感謝(^^)
Cバードでコーヒーも飲みたいし、さかぐち膳食べたーい! -
Posted by ブクログ
廃業間際のスーパー復活劇!
なんとなくこーなるのだろうなぁと予想通りの展開だったけど、とにかく読んでいて楽しかった♪
スーパースタッフや顧客のエネルギーがどんどん満ちていくのが分かるから読んでいて元気が出る!
仕事は生きる為、生きる為に働く!と割り切るのも別に悪くない!
でも一日の何分の1かを仕事の時間に費やす…ならば楽しく過ごせるに越したことはない。
もちろん生活の為に、お給料をもらう為に働くんだけど…仕事を楽しめる事の相乗効果で色んなことが上手く回り始める。
気持ちも時間も生活も気力も…そしてお金も…エネルギーと彩に満ちた人生って本当の意味で豊かな人生なんじゃないかなぁ。
大手のスーパーにはない気軽さ安心感、アットホーム感…これらが小規模スーパーの魅力!
敢えてそちらを好んで買い物に行きますもん、自分も!
それぞれの良さを引き立て合いながら人々の生活を…人生を潤してほしいなぁ〜
山本甲士さん、「ひかりの魔女」に続き2冊目ですが生きるエネルギーを、元気をくれる小説!
好きです! -
Posted by ブクログ
2022.08.15
じゅせんどうだよ 夏休み後半
拾い物をきっかけに
どんどん変化していく人達の物語
セカンドバッグ 岩手青森にて
やる気ない店員
革製のバッグを売る仕事
サングラス 東京大宮にて
売れない女優の卵
マラソン
嗅覚と聴覚
バッジ
ただのヤンチー
警察手帳
サンタクロース
ハンドグリップ
引きこもり
ジム
むきむき
ウォッチ 郡山にて
大好きな人の急死
鏡文字盤時計
最高!
一つずつの物語が面白いうえに
ちょっとだけ、繋がるストーリーが
あっちい!!!
ちょっとしたことで、人って変われる
きっかけとやる気さえあれば
変われるんだなあ、、、と。
誰にでもおすすめしたい本★ -
Posted by ブクログ
接客、販売業に携わる人はもちろん、それ以外の人も人と関わる職種の人はみんな読んだ方がいい、と思うくらいいい内容。
ストーリーとしてはもうわかりやすすぎる展開だし、穏やかな抑揚…というところだけど、とても安心してすいすい読める。
流れがいいのでずっと読み続けていきたいという気持ちと、でもこのまま読んだらもう終わってしまう、まだこの世界感に浸りたいのに、と寂しくなる気持ちとで無駄に揺れ動いた(笑)
個人的には一成の妻の友枝のネガティブ発言がめちゃくちゃイライラしたのと、浅野がもしかしたら何かしらの曲者なのでは…と早々から警戒していたものの、まさかのそれ?!という展開だったのも面白かった。
また、この小説の終わり方…ここまで明るく前向き一辺倒だったところに、江南さんのショパンのノクターンのくだり…とても切なくて、でもこの小説の終わり方にとてもふさわしくて素敵だった。
そして、おすすめは読みながらのYouTube。
後半に出てくるピアノ曲、つどつどYouTubeで検索してBGMにしながら読んだ。
面白さが倍増した。
「仕事の値打ちは、いくら稼ぐかではない。幸せを日々実感しながら働くことができるかどうか。」
この一言に全てが集約されているし、私も大事にいていきたい言葉となった。