山本甲士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公・ひかりさんの佇まいには、何歳になっても憧れを抱かせる不思議な魅力がある。
特に心に残ったのは、彼女の見せる「優しい嘘」の場面だ。神経痛でもないのに「痛い」とつぶやき、誰かに用事を頼んで手伝ってもらう。それはただ甘えているのではなく、頼まれた相手の「誰かの役に立った」「必要とされている」という自己肯定感を、ごく自然に引き出すための温かな配慮なのだと感じる。
ひかりさんの立ち振る舞いには、「やってあげている」という恩着せがましさが一切ない。自分の親切を誇ることもなく、相手の立場やプライドを一番に考えながら、さりげなく日常の中に優しさを溶け込ませていく。
特別な魔法ではなく、一歩引いて誰かの心に小さな灯りをともすような生き方。そんなひかりさんのように、軽やかで包容力のある温かい人になりたいと思わせてくれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ引きこもり生活10年の宗也が、側溝で震えていた子猫を助けたところから物語は動き出す。
猫のごはん代のためにと、10年ぶりにバイトを探し始める宗也。人と関わることに強い苦手意識を抱えていたはずなのに、気づけば少しずつ、外の世界とのつながりを持てるようになっていく。
「変わりたい」という大きな決意があったわけではなく、目の前の小さな命を守りたいというただひとつの思いの積み重ねが、結果的に宗也の人生を動かしていく。読みながら、この物語には静かなメッセージが込められているように感じた。
私自身、新しいことに挑戦するのが苦手で、「変わりたい」と思ってもなかなか変われずにいる。そんなモヤモヤを抱えている人に、一歩を踏み出す勇気をくれる作品だと思う -
Posted by ブクログ
10年ひきこもっていた宗也さんが、子ネコを側溝から救い出すことによって、子ネコのためにひきこもりから少しずつ脱出していく物語。
皆こんなふうに家から出られるようになると良いなぁ。ハードルを下げた仕事をもらって、少しずつ社会に出る不安を払拭していった宗也さん。
子ネコちゃんはブルーの瞳からマリンちゃんと名付けられて、家族の中心となり、話題の中心となる。宗也さんのお父さんとお母さんもどんなにほっとしたことでしょう。筋トレして体型も逞しくなって、自信をつけていく宗也さん。
ブログのハンドル名はさなぎさんがブログのコメントにも力付けられながら、成長していく姿を楽しく読んだ。