高殿円のレビュー一覧
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『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の4』— 静緒の新たな挑戦と成長の物語
高殿円氏の『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の4』は、爽快な仕事エンタメシリーズの第4弾です。富久丸百貨店芦屋川店の外商員として働く鮫島静緒は、バイトたたき上げからアラフォーにしてついに全国売上トップ10入りを果たします。セレブたちの悩みを解決し、彼らの要望に応える斬新なアイディアと真心で、京都の老舗お嬢様の起業やニューリッチのアート投資家と高級官僚の娘の婚約など、多忙を極める日々を送っています。
しかし、会社の合併により社内政治に巻き込まれ、身体を壊すほどの多忙な生活を送る中で、静緒は「私にとって幸せなことは?」と -
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ネタバレシリーズ第三作。安定の面白さだが、メインエピソードの顧客のうち二人が成金というか、代々続く資産家ではなかったので上流階級感がいまいち薄く感じた。
大きなエピソードは主に4つ。トレーダーの美容整形、イラストレーターの誹謗中傷&著作権対策、顧客の息子の中学受験、清家様の終活&葬式。ここに主人公本人のキャリアアップや母との関係、家のエピソードが加わる。
正直、終盤に入るまでは退屈な展開である。それでも読ませる筆力の高さは流石であるが、主人公が外商として成長し業務をそつなくこなすことができるようになったため、大きな対立が起こらないのだ。
相方である枡家も前作で家族との確執を解消したせいか、すっかり牙を -
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ネタバレ勤続年数が長くなればなるほど、実績を上げればあげるほどに出てくる昇進&部下指導問題。過去一わかるー!と共感した。仕事は楽しい。でもそれ以外のしがらみが増えてきて、仕事だけに集中できないモヤモヤ。このままで本当に良いのだろうかという焦り。加えて体調の問題。前作まではお客さんとの関わり、仕事のやり方などがテーマに置かれていたが、本作は自分は一体どうしたいんだ?という核となる部分をテーマにしていて考えさせられた。彼女が出した結論は外商として頑張るということだったが最後の最後に思わぬ人事が発表されて次が気になる!
(読書メーターからの転記) -
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ネタバレ仕事を頑張る女性にお勧めしたい一冊。面白かった!専門卒洋菓子店に勤務していた鮫島がヒット商品を生み出し、百貨店のバイヤーに引き抜かれる所から話が始まる。そこでも成果を上げた彼女は叩き上げでエリート集団が配属される外商に異動。そこで尊敬する上司羽鳥と出会い、ゲイの同僚と同居し、お客様を通じて大切なことを学んでいく。百貨店の外商なんて聞いたことはあるけどレベルだったが、売れるもので望まれるものならば本当に何でも商品にしてしまうのだと驚いた。同時にどこまでも要望に応えられるからこそ、難しいさもあるのだと思った。
(読書メーターからの転記) -
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40歳という人間として節目を迎える円熟期とでもいうのだろうか。主人公は39歳でその目前。仕事もプライベートももう少し高みを目指すか落ち着くか、選択を迫られる時期。そんな時にもう一度自分と向き合い、大切なもの、いま大事にしたいものを、人との関わり合いを通して見つけていく物語。
まだ、20代の自分にも刺さる部分がいくつもあった。私もこの歳になった時、「メリーゴーランドが好きだ」と屈託もなく言えるような、もしくはそれに乗れなかった自分を愛おしいと思えるような生き方をしていたい。
※以下、本文のセリフ抜粋
仕事を仕事としかとらえなければ、自分を消費するのみ。でも仕事をうまく使えば、人生も上積みで