高殿円のレビュー一覧
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専門分野のおしごと系エンタメは別世界にトリップできるようで楽しい。
税金ネタなので身近だし大切!とは思っても、ニコニコ源泉徴収の身では、節税の葛藤とは縁が薄い。せいぜい節約といえば国民年金かNHKくらい(クズ)
本作は法律コテッコテではないものの、あとがきになってマルサの女は法人相手、トッカンは個人相手という違いをやっと理解するようなハードさ。そこに貧困や自殺、詐欺といった問題が存在するということも知らなかった。お金に殺されないで、という主人公の叫びは悲痛だし、異世界だ。
またクセ強キャラ(Audibleナレーターさんのアニメ声もあって)であるずぼら系主人公のドタバタ感もすごい。セフィロス -
Posted by ブクログ
ネタバレ利一もハナもたがいの背中を見つめながら
前へと進んでいっているなと思った。
ハナのためにから始まり、
大衆が使える化粧品をと品質や材料をこだわって作る。
利一の世の中を読み取る力が凄くて、
これほど頭が回れば物も売れるだろうなと思ったが
それよりも、ハナを想う気持ち、大衆を想う気持ちが
人を引き付けたんだろうなと思った。
ハナも利一を見ながら花街で技術を磨き、
利一にこれだという助言をして何度も助けてきた。
いつかおたがいに…と思っていた利一がハナに送った
「僕が大阪の堺町あたりに家を買うたら…
その家に銀杏の木があったとしたら、
いや、なくてもや。
もうお座敷にはでんで、
僕の前だけ -
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Osaka Book One Projectによる「大阪ほんま本大賞」
大阪の本屋と問屋が”ほんまに読んでもらいたい大阪ゆかりの本”を選ぶ。
大阪及び関西近隣エリアの本屋さんが力を合わせて受賞作を売り
その収益の一部で大阪府の児童養護施設に本が寄贈される。
選考条件は
・大阪に由来のある著書、物語
・文庫本
・著者が存命であること
毎年、天神祭りの日に発表されるこの賞も今年で11回目。
今年の大賞は、高殿円さんの
『グランドシャトー』
高度経済成長期、
義父との結婚を迫られたルーは
キャバレー「グランドシャトー」のNo.1ホステス真珠(しんじゅ)の家に転がり込む。
姉妹のように仲睦まじ -
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いつも立ち寄る本屋さんに『大阪ほんま本大賞受賞作』として陳列されていて、華やかなイラストが本棚一面を埋め尽くしていたのが圧巻で、思わず手が伸びた。
大阪人にとっては、幼い頃からテレビをつければ否応でも目にした「グランシャトー」のCM。
CMキャラのリリアンさんが強烈なインパクトを与え、夜の時間帯にしか流せない怪しげな面白さがいつまでも記憶に残る。
本作は、実在した「グランシャトー」をイメージしたキャバレーを舞台に昭和から平成にかけて苦難を乗り越え、深い絆を深めていく2人の女性の物語。本当に実在したかのような人物像の描写にグイグイ惹き込まれ、赤の他人同士が家族以上にここまで信頼や尊敬し合える -
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おもしろすぎた。やはり、高殿円さんの小説はおもしろい。
ぐー子のキャラが秀逸。性格に賛否あると思うけど、私は嫌いじゃない。
税務署勤務の知人が、いつだったか「あまり好かれる仕事じゃないから、外では職種をあまり言いたくない」と言っていた。それを聞いた時は、そうなのかなー、くらいにしか思ってなかったけれど、この本を読んで「なるほどな」と思わされた。
ぐー子や鏡特官の言葉、2人が対する人たちの言葉から、はっとさせられることも多かった。
ドラマは観てなかったけど、この本の後半の怒涛の展開から、映像化されたらきっとおもしろいんだろうなと思った。
続編読むのも楽しみ。 -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。富裕層に向けて商品やサービスを販売する、百貨店の外商員として働くアラフォー独女・鮫島のお仕事ストーリー。今作では、同僚兼ルームシェア仲間の桝家のお家事情も明らかになる。
普段の生活で馴染みない外商の仕事について詳しく描かれていて興味深かった。
CHANELのスーツやヴァンクリのアクセサリーなどハイブランドを取り扱ったり、フランス旅行に同行したり、豪華なマンションでルームメイトと晩酌したり、煌びやかな日常で読んでいてワクワクさせられる。
また、一筋縄ではいかない顧客を相手に、難解なミッションをひとつずつクリアしていく様が読んでいて爽快だった。 -
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戦前の大手化粧品会社である中山太陽堂を創立した中山太一をモデルとした小説
恋愛小説でもあり大正、昭和の経済社会を学べる最高に面白い本だった
関西がメインで神戸の地名も沢山出てきて親しみやすかったけど、テンポは良くは無いから読みずらさは少しあった
長男として家族を支えるために休む暇もなく働き続ける利一と
両親に幼い頃に色町に売られたハナ
の2人の物語
利一の真心を大切に、毎日が吉日、という言葉が彼の生真面目さをよく表していた。化粧品会社を大きくして成功!以上!で終わらなくて戦時中の悲惨やその後の苦しみが壮大で、老いとどう向き合うかが描かれていて涙が出てきた。
ハナは利一を誰よりも大切に -
Posted by ブクログ
壮大な物語だった。
女と男、支配と服従、変化と停滞……いろんな軸が重層的にこの世界を構成している。どこか多くの幻のような物語であるような顔をしているのに、実は痛いほど現実の物語である。「女は子供を産むことで狂ってしまう。男はいつまでも獣の顔から抜け出せない」本当に覚悟のある表現。
序盤、環璃の理解の早さ・察しの良さにちょっと戸惑ったが、それに導かれるようにしてぐんぐんとのめり込んだ。
全体的にやや説明過多で長いのがちょっと気になった。もう少しシンプルであればもっと手に取るハードルも下がるのに……と。とはいえ、高殿さんの強い意志が、押せては返す波のように、何度も何度も伝わってくるのはこの上なく濃