高殿円のレビュー一覧
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いつも立ち寄る本屋さんに『大阪ほんま本大賞受賞作』として陳列されていて、華やかなイラストが本棚一面を埋め尽くしていたのが圧巻で、思わず手が伸びた。
大阪人にとっては、幼い頃からテレビをつければ否応でも目にした「グランシャトー」のCM。
CMキャラのリリアンさんが強烈なインパクトを与え、夜の時間帯にしか流せない怪しげな面白さがいつまでも記憶に残る。
本作は、実在した「グランシャトー」をイメージしたキャバレーを舞台に昭和から平成にかけて苦難を乗り越え、深い絆を深めていく2人の女性の物語。本当に実在したかのような人物像の描写にグイグイ惹き込まれ、赤の他人同士が家族以上にここまで信頼や尊敬し合える -
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おもしろすぎた。やはり、高殿円さんの小説はおもしろい。
ぐー子のキャラが秀逸。性格に賛否あると思うけど、私は嫌いじゃない。
税務署勤務の知人が、いつだったか「あまり好かれる仕事じゃないから、外では職種をあまり言いたくない」と言っていた。それを聞いた時は、そうなのかなー、くらいにしか思ってなかったけれど、この本を読んで「なるほどな」と思わされた。
ぐー子や鏡特官の言葉、2人が対する人たちの言葉から、はっとさせられることも多かった。
ドラマは観てなかったけど、この本の後半の怒涛の展開から、映像化されたらきっとおもしろいんだろうなと思った。
続編読むのも楽しみ。 -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。富裕層に向けて商品やサービスを販売する、百貨店の外商員として働くアラフォー独女・鮫島のお仕事ストーリー。今作では、同僚兼ルームシェア仲間の桝家のお家事情も明らかになる。
普段の生活で馴染みない外商の仕事について詳しく描かれていて興味深かった。
CHANELのスーツやヴァンクリのアクセサリーなどハイブランドを取り扱ったり、フランス旅行に同行したり、豪華なマンションでルームメイトと晩酌したり、煌びやかな日常で読んでいてワクワクさせられる。
また、一筋縄ではいかない顧客を相手に、難解なミッションをひとつずつクリアしていく様が読んでいて爽快だった。 -
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戦前の大手化粧品会社である中山太陽堂を創立した中山太一をモデルとした小説
恋愛小説でもあり大正、昭和の経済社会を学べる最高に面白い本だった
関西がメインで神戸の地名も沢山出てきて親しみやすかったけど、テンポは良くは無いから読みずらさは少しあった
長男として家族を支えるために休む暇もなく働き続ける利一と
両親に幼い頃に色町に売られたハナ
の2人の物語
利一の真心を大切に、毎日が吉日、という言葉が彼の生真面目さをよく表していた。化粧品会社を大きくして成功!以上!で終わらなくて戦時中の悲惨やその後の苦しみが壮大で、老いとどう向き合うかが描かれていて涙が出てきた。
ハナは利一を誰よりも大切に -
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壮大な物語だった。
女と男、支配と服従、変化と停滞……いろんな軸が重層的にこの世界を構成している。どこか多くの幻のような物語であるような顔をしているのに、実は痛いほど現実の物語である。「女は子供を産むことで狂ってしまう。男はいつまでも獣の顔から抜け出せない」本当に覚悟のある表現。
序盤、環璃の理解の早さ・察しの良さにちょっと戸惑ったが、それに導かれるようにしてぐんぐんとのめり込んだ。
全体的にやや説明過多で長いのがちょっと気になった。もう少しシンプルであればもっと手に取るハードルも下がるのに……と。とはいえ、高殿さんの強い意志が、押せては返す波のように、何度も何度も伝わってくるのはこの上なく濃 -
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ネタバレ『上流階級』3巻目
1巻では新米だった静緒もすっかり外商員が板に付いて来た
桝家との関係もなかなか良い
が、ここにきて
転職、引っ越しを考える
いやー、このまま桝谷と結婚でもいいじゃない!と思ってしまう
ところで、
富裕層が外商を使う理由として
コスパよりもタイパ
というのは、
昨今、富裕層じゃなくても、世の中タイパタイパいうようになってきたよねーと思う
タイパで作り出した時間を有意義に使えているのならよいのだけど…
実家の束縛に耐えかねて家を飛び出した鞘師さんの言葉
私は私が選んだことのマイナスを受け止めて生きる
50代にして病に伏した弥栄子様がお友達や子どもたちへ残した言葉
人生は -
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