壁井ユカコのレビュー一覧
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至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。遺伝子操作を拒絶する両親を持つ“遺伝子貧乏”清田ーー16歳の夏に出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがえのない友情を築いていく。
遺伝子工学が発展し、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の青春ストーリー。
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電撃文庫の『カスタム・チャイルド』の続編っちゃー続編。でも舞台が一緒なだけで登場人物は全然違います(前作のキャラも出て来ますが)。
前作のころはトランスジェニックはまだ始まったばかりって感じでしたが、今作はかなり普及してます。金髪碧眼の日本人がうようよです。
いや、一応前作でも普及はされてたか?…まぁそれより少し後の話です。
どことなくどんよりとした感じが漂う作品です。色でいうなら灰色。いや、貶してないです!
面白い設定だと思うんだ。
春野と清田がぎゃんぎゃん言い合いとかしてるのが好きだ!きっと春野は清田のこと好きだよと腐女子視点からみてにゅふにゅふしましたとも!そんななか実際にそのようなこと言っちゃうんだから春野くん恐ろしい!そうすると清田はツンデレだなぁ。
とか思いつつ、春野は知佳さんが好きなんじゃないかなぁとも思ってました。年下攻め…!
案の上春野くんてば爆弾発言しちゃうし、もう彼はわたしをどうしたいのかと!萌え殺したいのかと!ツボを突きまくりです。
主任の漢気(?)も好きです。まさか開始早々で爆弾発言…。素敵すぎる!彼には頑張って知佳さんとくっついてほしい次第ですが、あ、春野がライバルか。…おぉ、楽しそう!
それで続編でないかなーとか思ったのも束の間、冬上レイちゃんは一人ぶっ飛んだ方向に歩んでました。うーん、やっぱりそっちにいっちゃったか…。
そんな感じで最後はくらーいですが、全体的に楽しいと思うよ!わたしは好きです。
そんなわけで☆5つ! -
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ネタバレ列車の旅から船旅へ。
ハーヴェイの保護者っぷりにニヤニヤ。
前作はハーヴェイの辿って来た過去がメインでしたが、今作ではキーリの過去についても少しずつ触れられています(幽霊だけでなく不死人まで引き付ける体質なのか)
「トリ・ペリ」と「砂の上の白い航跡」が個人的に好きな話です。
「トリ・ペリ」は、続きを意識してキーリ自身にもスポットを当てている中でも、ハーヴェイの過去を振り返っていく前作の雰囲気に近いせいか、ハーヴェイがいろいろと痛々しい中でほっとできるインターバル的な話。
「砂の上の白い航跡」は、キーリの母親のエピソードが涙なしには読めませんでした。トリ・ペリと同じく、愛しい人にまたいつか巡り会えやしないかと、そうやってキーリの母親も待っていたということか。
冷静に考えると、キーリの体質にハーヴェイがひたすら振りまわされている話です。最後に名キーリが誉挽回して帳尻合わせていますが、そんな持ちつ持たれつなところが良い関係なんでしょうね。
ハーヴェイも、「おまえがいてくれて良かった」って言ってますし。 -
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ネタバレこの本のレビューを見ていると「中学のときに出会った」という方が多いですが、わたしも中学のときに出会って衝撃を受けた一人です。
主役3人が、旅を通して「生きる」(既に死んでいる人もいるけど、敢えて「生きる」)意味・目的を発見・再発見していくさまが、中学生くらいの心に響くのかな、とも思ったり。
退廃的な「惑星」を舞台に、「生きている」少女・キーリと、「死なない」青年・ハーヴェイ、「死んでいる」ラジオの憑依霊・兵長が旅をする話。
化石燃料のスモッグと黄砂で灰色と黄色に染まった空気が見えてきそうなくらいの風景描写と、ちょっと捻くれた性格の三人称がとても好きです。風景描写と心理描写が一体となっているような、安定感のある文章でした。
80年以上も不死人として「生きて」きたハーヴェイが、キーリと会ったせいでこんな酷い目に遭わなきゃならなくなったんじゃと思うくらい酷い目に遭うし、この先も遭っていくわけですが、それを思うと、第一巻目の今作が一番抵抗なく、話としてもすっきり落ち着いて読める作品のように思います。 -
Posted by ブクログ
もう、なんか電車で涙が出そうになったほどに、痛々しかった。
そして最後に救いがないです。
あぁ、ほんとにこんなに痛々しい青春ものは初めて読みました。
心に響く言葉が沢山あって、それは人間の歪んだ部分であったり、いつも目を逸らしている自分であったりが頭によぎるから。
それは物語の中の、春野がどうだからというわけではなくて自分とどこか重ねて見てしまうから本気で電車で泣きそうになりました。
遺伝子工学が進んでいる現代で、カスタムチャイルドのような世界が出来上がる可能性はゼロじゃない。
そんな妙なリアリティが読者を物語の中に引き込みます。
最初は、トランスジェニックを肯定するこの世界を否定する物語なのかな?と思っていたけれど、話はどんどん歪んで行きました。
子どもが「返品」される世の中、そんな社会は絶対に嫌だし。
自然に出来る子どもをジーンプアなんて蔑む社会も嫌だ。
最初はこのトランスジェニック否定のもと読んでいたのに。
どんどん春野の歪み、冬上の歪みの物語に変わって行きます。
ジーンプアの清田の真っすぐな思いに春野は自分の歪みを自覚して、最後はせっかく真っすぐに進める気持ちになったのに。
そこでまさかの冬上登場!!?
おいおいおい、春野が好きな気持ちはわかるけどさぁ。
ベクトルはそっちに向いてしまうのね。
清田を守るため、とかそういうのん、やりきれないよ。
と、まぁ、決して明るい話ではありませんが。
引き込まれてしまった本です。