あらすじ
キーリは教会の寄宿学校に通う14歳の少女。霊感が強く霊が見えることから、神の存在や教義に疑問を抱いており、学校でも孤立していた。 冬の長期休暇の初日、キーリは旅の<不死人>の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオの憑依霊・兵長と知りあう。不死人は戦争で量産された不老不死の兵士であり、現在は教会に追われる身。自分と同じく霊が見える人間にはじめて出会ったキーリは、彼らの旅についていく事に……。鉄道旅行を続ける中、様々な亡霊たちとの出会いと別れを経験しながら、キーリはやっと自分の居場所を見つけた気がしていた。 ――旅の終わりは思いのほか早く訪れる――。ハーヴェイが教会の<不死人狩り>に捕まってしまい、キーリは寄宿舎に帰されてしまったのだ。孤独な日常に戻ったキーリ。しかし、彼女の長くて短い休暇は、終わったわけではなかった……!? 圧倒的なキャラクターの魅力と、お話の面白さで読み手を引き込み離さない超力作。第9回 電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作品! イラストは、同じ第9回 電撃ゲームイラスト大賞<大賞>受賞者・田上俊介が担当。
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Posted by ブクログ
コミカライズ版をきっかけに出会い、中学時代の青春を捧げた作品の一つ。
幽霊が見える事で周囲から遠巻きにされていた少女と、戦争の罪をなすりつけられ命を狙われる身となった不老不死の青年、そして、戦死後ラジオに憑依した兵士の霊が、3人で荒廃した惑星を旅しながら、それぞれの居場所を求めていく物語。
砂埃の匂いがするような荒廃した世界の中で、
陽だまりのようにほんのり暖かくて、涙が出るような優しさが溢れる作品です。
呼んでいくうちに切なさで苦しくなっていくので、正直何度も読み返そうと思える作品ではないのですが、最近ふとしたきっかけで再読し始めました。
互いの存在に救われ、互いを救いたいと心から思うキーリとハーヴェイの、少しずつ少しずつ縮まっていく距離感と関係性が本当に尊くて切なくて、やっぱりこの作品が大好きだなと心から思います。
読み終わった後、必ず心に何か残る作品なので、
ライトノベルであることに食わず嫌いせずに色んな人に知ってほしいな、、
Posted by ブクログ
今まで読んできた本の中で一番好きなシリーズ
中学生の頃に出会い、読み終わった後もずっとカバンに入ってました。
当時は最終巻のラストを思い出す度に涙が…。
Posted by ブクログ
間違いなく私に青年×少女の良さを知らしめた、影響を受けた一冊。
あとハーヴェイみたいな人と結婚することを夢見て彼氏ができなかったのもこの本のせい( ˘ω˘ )
この本を読んだのがそれこそキーリと同年代(!)だったので自己投影しながら読んでいたし、恋愛にしか興味のない年頃だったので最後はくっつけくっつけ…!と念じていた。残念ですがこの巻ではくっつきません、続きを買いましょう。
退廃的な世界で救いのちらつく車窓から、不死人と少女とラジオがあどけなく笑っている話。
ちなみに兵長と言えばリヴァイよりこっち。
Posted by ブクログ
高校生のときに友だちに貸してもらって読んだキーリシリーズ、古本屋で安く売られていて、再読したくなったので買いました。
幽霊が見える女の子、キーリ。
戦争兵器として作られ、永遠の命をもつ青年ハーヴェイ。
しゃべるラジオ、兵長。
そんな3人の、どこか不器用だけど暖かい、けれど常にいつ終わってしまうか分からない寂しさと切なさが織り混じった旅は、まだはじまったばかり。
おぼろげに覚えている最終巻にあった、彼らの旅の終着までの間に、また私も3人といっしょにブルーグレーの空の下を旅できると思うと、なんともいえない喜びと懐かしさが胸に込み上げます。
大好きなシリーズの第一巻、再読記念。
Posted by ブクログ
個人的に、不死人であるハーヴェイのキャラクターが不器用で切なくてとても好きです。
後悔と、苦しみと、切なさと、悲しみと、いろんなものを背負って人は生きていて、いろんな人に出会って信じ信じられてやっと、自分を知るんだなあと、
自分や周りの人間を重ねて思いながら
読みました。
不器用な登場人物がとても物語を引き立てます。
Posted by ブクログ
荒廃した世界に、死なない男と霊が乗り移りしゃべるラジオ、そして幽霊の見える少女が出会って旅をする話。
幽霊が絡むので、とにかく切ない話が多く、
荒廃した世界が舞台なのも相まって
読後の切なさが半端ないです。
そういうものが大好きな私が本当に偶然に出会った名作です。
アニメ化して欲しかったなぁ…今からでもしないかなと思い続けています。
Posted by ブクログ
全巻読み終わってます。
初めて買った電撃文庫です。
この作品で壁井ユカコ先生が大好きになりました。
全体的に切なくて、一冊一冊がものすごく心に残るお話です。
最終巻の最後の最後では、もう涙が止まらなくて大変でした。
苦しいくらい切ないけど、読み終わった後は何故だか心があったかく感じる、本当に素敵な小説でした。
Posted by ブクログ
この本のレビューを見ていると「中学のときに出会った」という方が多いですが、わたしも中学のときに出会って衝撃を受けた一人です。
主役3人が、旅を通して「生きる」(既に死んでいる人もいるけど、敢えて「生きる」)意味・目的を発見・再発見していくさまが、中学生くらいの心に響くのかな、とも思ったり。
退廃的な「惑星」を舞台に、「生きている」少女・キーリと、「死なない」青年・ハーヴェイ、「死んでいる」ラジオの憑依霊・兵長が旅をする話。
化石燃料のスモッグと黄砂で灰色と黄色に染まった空気が見えてきそうなくらいの風景描写と、ちょっと捻くれた性格の三人称がとても好きです。風景描写と心理描写が一体となっているような、安定感のある文章でした。
80年以上も不死人として「生きて」きたハーヴェイが、キーリと会ったせいでこんな酷い目に遭わなきゃならなくなったんじゃと思うくらい酷い目に遭うし、この先も遭っていくわけですが、それを思うと、第一巻目の今作が一番抵抗なく、話としてもすっきり落ち着いて読める作品のように思います。
Posted by ブクログ
たぶん、ライトノベルを漁ろうと思うキッカケになった本。すごく好き。
内容を忘れてしまう本が多かったり題名すら思い出せない本があったりするけど、たぶん、これだけは忘れないだろうなと勝手に思う、それくらい気に入ってる本です。
Posted by ブクログ
高校時代、一緒にオーストラリアへホームステイした友人が持ってきていたシリーズ。確か当時の最新刊が五巻ほどだった。日本に帰国してすぐ全巻収集。自分の文章を見直すきっかけとなった作品。再読開始。
Posted by ブクログ
この作者さんは本当に文章の書き方がうまい。
暗い内容でも、テンポよくすらすらと読めてしまう。
途中読むのが辛くなる事もあるけど、是非全巻読み切って欲しい。全巻読んだ後の感動はたまらない。
Posted by ブクログ
初めて「感動して泣いた」作品です。
表紙に惹かれて読み始めましたが、世界観と繊細な描写、キャラクターたちに引き込まれて全9巻一気に読破しました。
何回読んでも泣かせてくれる、素敵な作品です。
Posted by ブクログ
友達に貸してもらった本。
めっちゃよかったです。
登場人物も世界観も全て大好きです。
Thanks to T.T.
Thanks to T.M.
Posted by ブクログ
キーリは教会の寄宿学校に通う14歳の少女。霊感が強く霊が見えることから、神の存在や教義に疑問を抱いていた。
冬の長期休暇初日、キーリは〈不死人〉の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオの憑依霊・兵長と知り合う。
キーリは勝手に彼らの旅についていく事に……。様々な亡霊たちとの出会いと別れを経験しながら、キーリはやっと自分の居場所を見つけた気がした。
しかし、旅の終わりは思いのほか早く訪れる。ハーヴェイが〈不死人狩り〉に捕まってしまい――!?
Posted by ブクログ
主人公のキーリは、教会の寄宿学校に通う14歳の少女です。霊感が強く、他の人には見えないものが見える彼女は、クラスメイトたちから避けられており、唯一の友人は幽霊のベッカだけでした。
ある日、彼女はイースタベリの駅前で、「不死人」の青年ハーヴェイと、ラジオの憑依霊「兵長」と出会います。不死人とは、兵士の死体に、超高純度のエネルギーの結晶である「核」を、心臓の代わりに埋め込まれた者たちのこと。80年前の戦争で、死なない兵士として作り出され、現在は「核」を狙う教会に追われる身となっています。
ハーヴェイは、炭化銃を装備した教会兵たちの目をかいくぐって、兵長を戦争で亡くなった兵士たちの眠る墓場に送る途中でした。キーリは、そんな彼らについて行くことを決め、奇妙な3人の旅が始まります。
旅の途上、3人はかつてハーヴェイが世話になったという診療所を訪れます。ところがそこで、ハーヴェイと同じく不死人であり、現在は教会のために「核」の回収人として働いているヨアヒムに見つかってしまいます。
キーリと別れたハーヴェイは、ヨアヒムの襲撃を受けて「核」を奪い取られてしまいます。そしてヨアヒムは、なにくわぬ顔でキーリの前に現われ、彼女を首都の神学校に招くという話を持ちかける。ヨアヒムの正体を知らないキーリは、彼の言葉に従って首都へ向かう列車に乗ります。そんな彼女に、「核」を失ったハーヴェイの身体に入り込んだ兵長がやってきて真実を告げます。キーリは、ヨアヒムからハーヴェイの「核」を取り戻すことを決意します。
「あとがき」にも書かれているように、「荒野の惑星、スチームパンク、旧式ラジオ、さびた機械と古いオイル」といったギミックが詰め込まれた世界が舞台ですが、キーリには霊が見えるということで、すこし幻想的な雰囲気もある物語です。いちおう全体の流れはありつつも、連作短編のようなスタイルになっているところが気に入っています。
Posted by ブクログ
再々読。不老不死の青年の旅に霊感が強い少女がついていく話。それまで青年は生きることに対して嫌気を感じていたが、少女との出会いで(途中殺されかけても)無意識に生き延びようする所までの変化が印象に残った。
2014.8.9(1回目)
Posted by ブクログ
教会の寄宿学校に通うキーリは、霊を見ることができる特別な力を持っていて現実にそぐわない教会の教えに疑問を抱いていた。駅舎で出会った不死人(ハーヴェイ)の青年とラジオに宿る兵長の霊との出会いをきっかけに、冬の植民祭休暇を彼らの旅に同行する。目的地である東の戦場跡地までの道すがら様々な霊との交流を元に徐々にハーヴェイたちに心を寄せるキーリ。しかし、不死人の持つ無尽蔵のエネルギーを欲する教会の追手が刻々と忍び寄っていた。
『クロノ×セクス×コンプレックス』を読んで、壁井さんのファンになりました。代表作である『キーリ』にも手を伸ばしてみました。
乙女チックなイラストとは裏腹に、内容は結構ハードです。独特の世界観に入り込むまでは時間がかかるのですが、いったん物語の世界に入り込むと登場人物たちが息づく様がありありと浮かんできます。一つひとつの動作や場面を丁寧に解説する地の文が素晴らしい。
ライトノベルに多い派手な戦闘や学園生活ではなく、鉄道旅行を中心として物語が進行していく様子が旅好きの自分には印象に残りました。生きている人間に接するのが苦手なキーリ、無愛想で世俗に興味のないハーヴェイ、初対面ではキーリに対し敵対心丸出しだった兵長、それぞれが旅を通じて少しずつ互いを分かり合い成長していく。特別な言葉や難しい表現では決してないのだけれど、過度なく不足なくのシンプルな心理描写や風景描写が、一人ひとりの存在を際立手せてくれる。
Posted by ブクログ
壁井さんのファン(のつもり)なのにキーリをちゃんと読んだことがないのは問題だなと、思って古本屋で探してきました。
とりあえず3巻まで購入。
1巻だけは内容を知っていたのですが、続きを全部読もうと思います(*・ω・)ノ
Posted by ブクログ
面白かった!
王道なラノベという感じ。
イラストは少女漫画みたいだった。
壁井さんの文芸のほうも読んでみたいなぁ。
霊のみなさんが切なくてよろしかったです。
Posted by ブクログ
半分までは惰性で読んでました。自分の中で半分読んで面白いと感じない小説は読み通しても心に響かないと思ってたので。しかし、この本は途中からぐっとひきつけられて目が離せなくなりました。そこからひきずられるように最終巻まで読んじゃいました。キャラクターも濃くて面白く楽しく時に物悲しいです。
Posted by ブクログ
退廃的な世界観、他のファンタジー作品にはない独特な砂の海を走る船。
その世界設定に引き込まれ、想像力を膨らませて情景を浮かべていたのを覚えています。
Posted by ブクログ
中学校の時、たいして仲良くない子に
何読んでるの?って声かけたのがきっかけ(笑)
キーリとハーヴェイの話はドキドキばっかりで。
結局全巻買っちゃったというハマリっぷり。
キノの旅より好きです。
初の電撃文庫で読んだ作品。
Posted by ブクログ
一巻のみ。
霊感が強く幽霊が見える少女と不死人という不老不死の男の物語。
私の周りで
「一巻は凄い面白い」
と評判。
「二巻以降は?」
「あんま印象残ってない」とのこと。
宗教だったり惑星移住だったりでちょっと不思議な世界勘が結構雰囲気出てます。良いです。
中世っぽいけどスチームパンク的な。
黒髪でおとなしいという主人公のキーリがどうも没個性的に感じてあまり好きじゃなかったんですが、読み進めてく内に我が見えてきたり成長が垣間見れたりでダンダン好きになってました。
かわいくてたくましいです。
読みやすく読後感も良いんですが対決シーンがやや強引かつ早急な決着だったのであっけにとられた
最後はとても素敵です読後感良し。
全部読むのでとりあえずの★3!
Posted by ブクログ
文章がしっかりしていて、少し分かりづらいシーンも多いんだけど
安定して読める。
退廃的な世界観なんだけど、
機械と霊という相反する二つの存在が一緒にいるのが不思議。
不死者に霊、魂がないのだとしたら、
ハーヴェイを操作しているのは脳なの?
とかいろいろ気になってしまって。
そういうの気にならない人だったら楽しいのかもしれない。
言葉選びが小気味よい。話は王道。
続きは特に気にならないかな。
Posted by ブクログ
死んだ霊が見える少女、キーリと不死人、ハーヴェイ、ラジオに憑依
している霊、兵長が列車で旅する話。
マルドゥック・スクランブルを読んでいたとき、私の頭の中で
バロットのイメージは表紙で見たことがあるだけのキーリの姿だったのですよ。
というわけで、キーリの方も読んでみました。
話の作りや描写が丁寧。キャラクターも魅力的でした。
ただ、電撃ゲーム大賞の大賞作品にしてはインパクトが足りないような。
あと一文が長いのか句読点が不適当なのか、読んでてつっかえる感じが
するのが気になりました。
でも面白かったことは面白かったので続編も買ってみようかと思います。