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Posted by ブクログ 2021年12月13日
読んだ当時まだ子供でしたが、
今思うと強烈なルッキズム・エイジズムへのアンチテーゼの物語で、ルッキズムが解り易く異様で、明確に上世代から子供たちへの呪いのように描かれた作品。
小学生でもそのキモさが読み取れて、また、家庭環境などの問題とも絡め、かなり社会的な作品だったなと思います。
Posted by ブクログ 2015年11月07日
『カスタム・チャイルド』(電撃文庫)と同じ世界の、もう一つの物語です。
ダーウィンズ・ヒルで電話サポートの仕事をしている春野知佳(はるの・ちか)のもとに、吉一(よしかず)あきこという悪質なクレーマーから子どもが「返品」されてきました。子どもの名前は倫太郎(りんたろう)。彼は、カタログの中から気に入...続きを読むった遺伝子を組み合わせて作られた「カタログ・トランスジェニック」です。知佳は倫太郎を、自分の家に引き取り、育てることを決意します。
やがて成長した春野倫太郎は、予備校で清田寿人(きよた・ひさひと)に出会います。彼は、遺伝子操作の技術に頼らずに生まれた、「ジーンプア」です。優秀な遺伝子を持って生まれてきたカタログ・トランスジェニックに対して劣等感を抱く清田と、親の理想からかけ離れていたために捨てられた苦しみを隠しながら飄々とした態度をとる春野、そして、父親のお気に入りのアニメ・キャラクターそっくりに作られた冬上(ふゆがみ)レイの3人を中心にして、物語は進んでいきます。
物語の終盤、春野の弟だった吉一るうたろうが登場し、春野は自分を捨てた親と再会することを決意します。ですが、当然ながら吉一の家には春野の居場所はありませんでした。春野は、吉一家に対する復讐を敢行しますが、るうたろうもまた、ヒステリックな母親のもとで春野の知らない苦しみを味わっていたことを知らされます。
春野と清田の、どこか少女マンガを思わせる男どうしの友情が魅力的に描かれています。
Posted by ブクログ 2011年10月09日
発売日当日に買ったのに読むのもったいなくて本棚に並べて背表紙を視姦する日々でしたが、ついに先日決心が着いたので読みました。一気に。壁井さんらしい廃退的な雰囲気で無印同様私の好みです。ラストも賛否両論あるみたいですが、私は好きです。現実は簡単に何もかも解決するわけがないので。
Posted by ブクログ 2011年09月26日
お話の舞台や世界観は無印と同じ。無印を知らなくても楽しめるし、知っているとさらに楽しめる、という感じ。
仄暗い青春ストーリーを読みたい人にはおすすめ。
Posted by ブクログ 2011年08月05日
至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。遺伝子操作を拒絶する両親を持つ“遺伝子貧乏”清田ーー16歳の夏に出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがえのない友情を築いていく。
遺伝子工学が発展し...続きを読む、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の青春ストーリー。
* * * * *
電撃文庫の『カスタム・チャイルド』の続編っちゃー続編。でも舞台が一緒なだけで登場人物は全然違います(前作のキャラも出て来ますが)。
前作のころはトランスジェニックはまだ始まったばかりって感じでしたが、今作はかなり普及してます。金髪碧眼の日本人がうようよです。
いや、一応前作でも普及はされてたか?…まぁそれより少し後の話です。
どことなくどんよりとした感じが漂う作品です。色でいうなら灰色。いや、貶してないです!
面白い設定だと思うんだ。
春野と清田がぎゃんぎゃん言い合いとかしてるのが好きだ!きっと春野は清田のこと好きだよと腐女子視点からみてにゅふにゅふしましたとも!そんななか実際にそのようなこと言っちゃうんだから春野くん恐ろしい!そうすると清田はツンデレだなぁ。
とか思いつつ、春野は知佳さんが好きなんじゃないかなぁとも思ってました。年下攻め…!
案の上春野くんてば爆弾発言しちゃうし、もう彼はわたしをどうしたいのかと!萌え殺したいのかと!ツボを突きまくりです。
主任の漢気(?)も好きです。まさか開始早々で爆弾発言…。素敵すぎる!彼には頑張って知佳さんとくっついてほしい次第ですが、あ、春野がライバルか。…おぉ、楽しそう!
それで続編でないかなーとか思ったのも束の間、冬上レイちゃんは一人ぶっ飛んだ方向に歩んでました。うーん、やっぱりそっちにいっちゃったか…。
そんな感じで最後はくらーいですが、全体的に楽しいと思うよ!わたしは好きです。
そんなわけで☆5つ!
Posted by ブクログ 2010年09月28日
もう、なんか電車で涙が出そうになったほどに、痛々しかった。
そして最後に救いがないです。
あぁ、ほんとにこんなに痛々しい青春ものは初めて読みました。
心に響く言葉が沢山あって、それは人間の歪んだ部分であったり、いつも目を逸らしている自分であったりが頭によぎるから。
それは物語の中の、春野がど...続きを読むうだからというわけではなくて自分とどこか重ねて見てしまうから本気で電車で泣きそうになりました。
遺伝子工学が進んでいる現代で、カスタムチャイルドのような世界が出来上がる可能性はゼロじゃない。
そんな妙なリアリティが読者を物語の中に引き込みます。
最初は、トランスジェニックを肯定するこの世界を否定する物語なのかな?と思っていたけれど、話はどんどん歪んで行きました。
子どもが「返品」される世の中、そんな社会は絶対に嫌だし。
自然に出来る子どもをジーンプアなんて蔑む社会も嫌だ。
最初はこのトランスジェニック否定のもと読んでいたのに。
どんどん春野の歪み、冬上の歪みの物語に変わって行きます。
ジーンプアの清田の真っすぐな思いに春野は自分の歪みを自覚して、最後はせっかく真っすぐに進める気持ちになったのに。
そこでまさかの冬上登場!!?
おいおいおい、春野が好きな気持ちはわかるけどさぁ。
ベクトルはそっちに向いてしまうのね。
清田を守るため、とかそういうのん、やりきれないよ。
と、まぁ、決して明るい話ではありませんが。
引き込まれてしまった本です。
Posted by ブクログ 2010年09月10日
面白かったです。
最後、ようやくほんのりと明るい未来が見えるかと思えば、背筋がヒヤリとすることが待っているというのも、さすが壁井さんというか、なんというか…。
それでも、彼の平和な未来を願わずにはいられませんが。
色々気になりつつも、続きがあるようなら、それも読んでみたいです。
Posted by ブクログ 2021年07月23日
発売当時の10年ほど前、1度読んで面白かった記憶があったので再読。
遺伝子工学のみ発展した仮想現代。遺伝子操作で子供の見た目、能力の傾向などを操作可能。
育児放棄されカスタマーサポートの担当だった知佳さんに拾われ育てられてた春野。
遺伝子操作を悪とする宗教にハマった親を持ち遺伝子操作されることな...続きを読むく生まれた清田。
アニメのキャラクターそっくりに作られた冬上レイ。
そんな毒親から生まれた男女3人。親のエゴで性格が曲がってしまった登場人物の苦悩の青春小説。
ただ、一般的な青春小説のように煌めいていないし、読み終わった後スッキリはしない。
文章に関しては酷くは無いが、ラノベの感じが残っていで好き嫌いはあると思う。
ストーリー自体は面白いが、終わり方がこれもまた好き嫌いあると思う。
病んでる登場人物の為個人的には好き。
Posted by ブクログ 2016年08月14日
遺伝子操作によって、親の思い通りの子どもを作れるようになった日本。
けれども、そんな才能を持って生まれてきても、環境が伴わなければ、思った通りには育たない。
遺伝子操作を受けずに生まれてきた才能のない清田と、恵まれた可能性をもって生まれてきた春野、容姿のみを求められて生まれてきた冬上。3人は互いの魅...続きを読む力に惹かれ、行動を共にするようになる。
そんなお話でした。
久しぶりに壁井ユカコさんの小説を読みました。
昔はこの人の作品ばかり読んでいたのに。
本当に、この人は、ダメな魅力をもつ男の人を書くのが上手い(笑)。清田や、冬上ばかりではなくて、読者である私も惹かれていくのです。これまで読んだ中でも、一番暗黒の魅力にあふれていたかも。
けれども、今回は、清田もすごくいいキャラでした。
ふたりの魅力に引っ張られて、途中からはもう止められなくなって最後までぐんぐん読んでしまいました。
ただ、序盤、なんとなくいやな感じがして、50ページくらい読んで本棚に4年くらい眠っていたので、序盤のなんとなく、面白くないというか、んー、よみたくないなぁってところがあったので、★★★★☆です。
Posted by ブクログ 2015年04月29日
年末ですが、新しく創刊された文庫だったし、いわゆるジャケ買いってのをしま して 『カスタム・チャイルド−罪と罰−』って のを読みました。
初めて読む作者さんです
遺伝子工学が発展し、子どもの容姿や性格・得意分野などの【デザイン】が可能 なった仮想現代
子どもを生む前に(とりあえず「生む」 とい...続きを読むう、原始からの女性がしてきたことだけは残っている) カタログから遺伝子を選び、自分の好み の組み合わせで、子どもをカスタマイズすることができる カタログ・トランスジェニック ‥ 遺伝子操作
社会によって歪められた少年少女の屈折 や友情を描く、著者渾身の青春ストーリ ーとあったけれど、親の立場で読んでしまうからか「青春ス トーリー」部分よりも、ちょっと薄ら寒いものを感じてしまった
吉一(春野)倫太郎 ‥ 4歳の時、母にカタログ(自分の理想・予想)通りに成長しないからと、 クレームをつけられ、バイク便の段ボールに梱包され「返品」される
「返品」先の会社員、春野知佳に引き取られ、 10年後、容姿上は理想的なトランスジェニック・チャイルドに育つ
清田寿人 ‥ 両親の営みにより自然妊 娠で生まれる。 この時代、トランスジェニックからは「遺伝子貧乏」ジーンプア と呼ばれる
冬上レイ ‥ 意図的にアルビノ(色素 欠乏症)の症状を発現するようにつくられた、 異質のトランスジェニッ ク・チャイルド
父が愛好するアニメのキ ャラクターに似せて作られ、14歳の時が至福の時間だった
↑ これって、カンペキ に『エヴァ』の綾波レイでっしょーーー ー おまけに、冬月なら ぬ 冬上
この3人が知り合った16歳の夏、遺伝子工学を専門に教える高専「総領晴 八郎還暦記念ジェネスティクス・スクー ル」のための予備校に通っていた
確かに「青春ストーリー」ではあるけれ ど
子どもというひとつの人格を、親の傲慢から、
好き勝手につくりかえることのキモチワルサ
子どもをしばりつけることのオソロシサ を思いました
「遺伝子操作」という仮想だけれど、 今だって、「それがあなたのためなんだから」と、あれもこれも制限し押さえつ ける親の何と多いこと!
尤も、子どもたち本人にとっては遺伝子操作されようがされまいが、 「自分は自分」として、「自分」を確立しながら成長できていればいいけれど、 そして、何かを抱えながらも友人たちと 距離を近づけたり遠ざかったり‥は、青春時代の特権だとは思うけれど
いずれ、仮想じゃない時代が来るんでしょうね
< メモ>
冬上レイが父に持たされていた、ジュニ ア・ケータイの機能を、 清田が「糸でんわ」と表現したのが、実にうまい! と唸りました
Posted by ブクログ 2012年11月06日
おもしろかった。
電撃文庫で描いている世界を、もういちど描く。確固たる世界が作者の中に作られているので、ブレがなくて読みやすい。この世界への思い入れが伝わってきました。終わり方からして、まだまだ描きたいんだろうなぁ。
壁井ユカコさんが好き!と訴えてくれた中学生がいました。あのときその情熱を受け止...続きを読むめて読めばよかった、ごめんね。
ただ、春野と知佳の互いへの思いというのは…まぁ、そういう風に持っていきたいんだろうなーと最初の時点でわかってはいたけど、そういうのは求めてないんだけどな…。これ以上ライトノベル寄りになったら読めなくなるので!瀬戸際なので!この辺で踏みとどまって描いてほしいです。
Posted by ブクログ 2012年10月10日
遺伝子操作で子どもを生みだすようになった世界での、3人の高校生の話。これすごい好み。なんだかんだいって、清田くんを神聖視してる春野くんがいいなあ。
Posted by ブクログ 2012年08月01日
ヒトのすべての遺伝子が解き明かされて、遺伝病に関する遺伝子はもちろん、髪の色や肌、目の色、性格傾向まで決められるように遺伝子研究がすすんだ世界の話。
高校生の主人公の年代では、ほとんどが遺伝子をいじって生み出された子供たちになっており、主人公もその一人。そんななかに、まったく遺伝子をいじっていない少...続きを読む年や、逆に極端に遺伝子をいじって作られた少女があらわれます。
三人三様の過去と現在を生きていますが、とくに主人公に感情移入しながら読みました。
この話のほかにも同じ世界観の話があるそうなので、手をだしてみたいと思います。
Posted by ブクログ 2013年02月07日
うん、よかった。作者が思い入れがあるだけのことはあります。
個人的には電撃文庫のより好き。
壁井さんはもっとメジャーになってもいい作家さんだと思う。
他の方は視点の入れ替わりが読みづらいといってるけど、私はそんな風には感じなかったかな。
強いて言うならレイも清田に救われる方が良かった気がするけど、ま...続きを読むあここらへんも壁井さんらしいですね。
是非またこの世界の物語を書いてほしいですね。
Posted by ブクログ 2012年03月08日
面白かった!なんかハラハラわくわくすると思ったら、壁井ユカコさん、遠慮なくバッドエンドにする人だし、文章からそういう危うさでまくってるからだwwwバッドエンドなのに気分軽いしやっぱいいね♪ちなみに最後はBLでした(笑)
Posted by ブクログ 2011年05月31日
現代日本に似ているようで、全く違った世界観。
遺伝子工学による操作が当たり前のように行われる中で、価値観も異なる子供達の物語。
冒頭のところで、主人公の倫太郎少年の衝撃的な展開から始まる。
春野といえば、壁井さんのNO CALL NO LIFEに出てくる春川を思い出す。
なんとなくふわふわしていて、...続きを読むつかみ所のない感じといい。。。にている。
春っていうのが好きなのかな。。。
これはSFなのかな。。青春小説なのかな。。。特殊な設定なので、SFだけど、描かれているのは青春の葛藤みたいなところですが、親とか友達とか、ありがちな成長期の悩みに加えて、遺伝子による悩みというか、重大な問題がところどころ暗い影を見せている。
結局のところ、子供の頃の虐待とかトラウマをそのまま引きずってしまう人は多いと思うんだけど、読むうちに彼らにはみなし合わせになって欲しいと思うんだけど、最後、彼らは幸せになってくれるのか。。。祈るような感じで読みすすめました。
実際に結末がどうだったかについてはネタバレになるので、かけませんが。。。
Posted by ブクログ 2011年05月14日
近い将来こんな時代が本当にやってきそうで、イヤですね。
あとがきによると電撃文庫でも同設定の作品があるそうで、エピソードやキャラクターの細部までよく練り込まれているのも納得です。
Posted by ブクログ 2011年03月14日
痛々しいSFも初めてだし、痛々しい青春小説も初めて。
清田の前に進む姿がなかったら読めなかったかもしれない。
知佳さんがいい味出してるしかっこいい。
レイはあの有名なレイなんだろうなあ
Posted by ブクログ 2011年01月20日
貴方はデザイナーズ・ベイビーという言葉をご存知だろうか?
胎児の遺伝子を操作する事であらゆる病気の発生を予め防ぎ
同時に容姿・能力を自分の思いのままにする事ができる
いわゆる人間のカスタマイズ化の事である
そしてもしそれがビジネス化し身近なものになったとしたら
貴方は子供に施したいと思うのだろうか...続きを読む?
親のエゴで人工的に生み出された完璧な子供(トランスジェニック・チャイルド)
何もなされなかったが故に貶められた遺伝子貧乏(ジーンプア)
理想追求のため人体改造を繰り返したが故に堕ちた遺伝子中毒者(トランスジャンキー)
遺伝子工学が発展した社会が生み出した者達は果たしてどのような物語を紡ぐのだろうか?
この物語はひょっとしたら日本の遺伝子分野における近未来の警鐘たり得るのかもしれない
ぜひご一読あれ
Posted by ブクログ 2012年01月22日
少しづつ狂っているのを、更正しているのかと思えば全然そうじゃなくて。
最後の終わりが恐い。ホラーかと思った。
しかしこの感じが壁井さんって感じです。
綾波かいwwとか思ったのは私だけではないはず。
Posted by ブクログ 2011年07月17日
電撃文庫で出てた前作は、好感の持てる結末だったような気がするけど、今作はなんとまぁどろどろ暗ーい感じでした。多分、苦しんでいる女の子を半ば強引に助けて、衝突しつつも最後はハッピーエンドだったり、ちょっと斜に構えた男の子が最後はまっすぐで前向きな感じになったりとか、そういう典型的な終わり方にしたくなか...続きを読むったんだろうなぁとか思ったり。どうにも、登場人物の誰にも同情しづらくて、もやもやーとした感じのまま終わっちゃったなぁと思います。救いがないし。でも、それでもやっぱり面白かったなぁと思います。自分の子供を所有物のように扱ってしまう親とか、それでも断ち切れないのが親子なわけで、とか、他人に遠慮なく干渉できる姿が羨ましくて、でも鬱陶しい気持ちとか、一言二言では表現できないもやもやした感情を描く、なんというか小説の醍醐味みたいなのを味あわせてくれる作品だなぁと思います。
Posted by ブクログ 2011年07月17日
遺伝子工学が発展し、子どもの容姿から能力までデザインすることが可能となった仮想現代が舞台・・・という設定が面白かったです。
完璧な容姿を持ちながら実の母親に「返品」された過去を持つ春野。
父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女・冬上。
自然妊娠で生まれ、遺伝子操作を受けてないこと...続きを読むで周りから差別を受ける清田。
この3人を中心に描かれた、どこか歪んだ青春ストーリーです。
生まれ方も性格も正反対ながらに、惹かれあい友情を築いていく春野と清田の姿がとてもすがすがしかったです。
暗い過去ゆえに歪んでしまった春野の行動は狂気じみた面もありますが、どこか憎めず好感が持てます。
きれいにまとまるかと思いきや、意外なことに救いのない顛末。
でもその苦く微妙な後味に不思議な余韻を感じます。
ところで、この小説の中では子どもの容姿が選べるゆえに、西洋人もような外見をもつ子どもたちばかりの世の中になってますが、実際に遺伝子操作ができる社会になったらそんなふうになるかな?なんて思わず考えてしまいました。
個人的にはは日本人、というかアジア人体型のほうが好きなのですが・・・
まぁ、いずれにしろ遺伝子で生まれる前から外見・能力が親の趣味で決められてしまう社会なんて嫌すぎますが。
メディアワークス文庫はライトノベルで育った人たち向けの新しい文庫らしいのですが、たしかにそんな感じの読みごたえでした。
まさしくそんな世代の私としては、これからのこの文庫の頑張りに期待したいところです!
Posted by ブクログ 2020年10月17日
遺伝子操作されていない=正義かと思っていたけど、…皮肉にも偏った両親の信仰心によって果たしてどっちもどっち…となったのは上手い構成。
所々ラノベっぽいのが残念。殴り合いとか…から始まる肝心の男二人のなれそめが浅すぎる泣。中盤からの展開は良かったのに…清田がもっと魅力的だったら最高なのになぁ。春野は...続きを読むうざいところが面白いみたいだけど。
最後、春野は保護者のちかさんと将来的に男女として…と示唆しているけれどなんかすごく違和感。不純物が混ざってしまった感じ。
Posted by ブクログ 2018年10月20日
近年では、あなた好みのカスタムで子どもを生み出せる。肌も髪も瞳も、造作だけでなくて性質も才能も、全部。気に入らなければ返品も可能。そんな日本の高校生男女3人が、歪んでたり歪ませたり歪まないようにしたりするSFちっくな青春ファンタジー。
途中でBUMP OF CHICKENのアルエを思い出した。みんな...続きを読むの心に彼女はいるのだな、という気持ち。この世界に果たして未来はあるのだろうか。
前作の無印もかつて読んだ記憶があるので、再読したい。
Posted by ブクログ 2021年09月11日
遺伝子組換えが一般的になった世界を背景に子ども、をデザインすることが可能となった時代で、三人の少年少女が複雑に絡む話。
一番、共感できたのは、子どもは親の操り人形でないこと。
2013.10.28(1回目)
Posted by ブクログ 2011年03月26日
至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、
“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。
父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。
遺伝子操作を拒絶する両親を持つ“遺伝子貧乏”清田―
16歳の夏に出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがいのない友情を築いていく。
遺...続きを読む伝子工学が発展し、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、
社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の青春ストーリー。
遺伝子操作で子供を作る世界。
こんな世界はいずれ来るのかなと思って読んでました。
遺伝子操作を受けていない子供「清野」=自分達の目線で
この世界を見ることが出来る・・・けど
やっぱりこんな世界は来て欲しくない。
Posted by ブクログ 2011年02月05日
悲しい話。
主人公たち、三者三様、最後まで救いがない。
強いて言えば、ジーンプア、と呼ばれる清田が、
自分の運命を切り開いて未来に進んでいこうとしている
姿が救いなのかも。
春野とレイはもう、ダークサイド真っ逆様。
ところでレイのモデルは言わずと知れたあの人、なんだろうなぁ。
あと、トランスジェ...続きを読むニック第一世代は、生殖能力がなく、
子供が欲しかったら、同じ会社で、人工的に子供を持つ
処置をしなければいけない、その際は、当然、その会社から
遺伝子を買わなければならず、その鎖は永久に続く、という
ところがいちばん怖い。
作中でも書かれていたが、仕組みが農業用作物と全く同じ。
こういう世界がもし現実になったら、生きている意味って
なんだろう、子孫を繋げていく意味ってなんだろう、って
考えてしまいそう。