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Posted by ブクログ
『カスタム・チャイルド』(電撃文庫)と同じ世界の、もう一つの物語です。
ダーウィンズ・ヒルで電話サポートの仕事をしている春野知佳(はるの・ちか)のもとに、吉一(よしかず)あきこという悪質なクレーマーから子どもが「返品」されてきました。子どもの名前は倫太郎(りんたろう)。彼は、カタログの中から気に入った遺伝子を組み合わせて作られた「カタログ・トランスジェニック」です。知佳は倫太郎を、自分の家に引き取り、育てることを決意します。
やがて成長した春野倫太郎は、予備校で清田寿人(きよた・ひさひと)に出会います。彼は、遺伝子操作の技術に頼らずに生まれた、「ジーンプア」です。優秀な遺伝子を持って生まれてきたカタログ・トランスジェニックに対して劣等感を抱く清田と、親の理想からかけ離れていたために捨てられた苦しみを隠しながら飄々とした態度をとる春野、そして、父親のお気に入りのアニメ・キャラクターそっくりに作られた冬上(ふゆがみ)レイの3人を中心にして、物語は進んでいきます。
物語の終盤、春野の弟だった吉一るうたろうが登場し、春野は自分を捨てた親と再会することを決意します。ですが、当然ながら吉一の家には春野の居場所はありませんでした。春野は、吉一家に対する復讐を敢行しますが、るうたろうもまた、ヒステリックな母親のもとで春野の知らない苦しみを味わっていたことを知らされます。
春野と清田の、どこか少女マンガを思わせる男どうしの友情が魅力的に描かれています。
Posted by ブクログ
至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。遺伝子操作を拒絶する両親を持つ“遺伝子貧乏”清田ーー16歳の夏に出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがえのない友情を築いていく。
遺伝子工学が発展し、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の青春ストーリー。
* * * * *
電撃文庫の『カスタム・チャイルド』の続編っちゃー続編。でも舞台が一緒なだけで登場人物は全然違います(前作のキャラも出て来ますが)。
前作のころはトランスジェニックはまだ始まったばかりって感じでしたが、今作はかなり普及してます。金髪碧眼の日本人がうようよです。
いや、一応前作でも普及はされてたか?…まぁそれより少し後の話です。
どことなくどんよりとした感じが漂う作品です。色でいうなら灰色。いや、貶してないです!
面白い設定だと思うんだ。
春野と清田がぎゃんぎゃん言い合いとかしてるのが好きだ!きっと春野は清田のこと好きだよと腐女子視点からみてにゅふにゅふしましたとも!そんななか実際にそのようなこと言っちゃうんだから春野くん恐ろしい!そうすると清田はツンデレだなぁ。
とか思いつつ、春野は知佳さんが好きなんじゃないかなぁとも思ってました。年下攻め…!
案の上春野くんてば爆弾発言しちゃうし、もう彼はわたしをどうしたいのかと!萌え殺したいのかと!ツボを突きまくりです。
主任の漢気(?)も好きです。まさか開始早々で爆弾発言…。素敵すぎる!彼には頑張って知佳さんとくっついてほしい次第ですが、あ、春野がライバルか。…おぉ、楽しそう!
それで続編でないかなーとか思ったのも束の間、冬上レイちゃんは一人ぶっ飛んだ方向に歩んでました。うーん、やっぱりそっちにいっちゃったか…。
そんな感じで最後はくらーいですが、全体的に楽しいと思うよ!わたしは好きです。
そんなわけで☆5つ!
Posted by ブクログ
もう、なんか電車で涙が出そうになったほどに、痛々しかった。
そして最後に救いがないです。
あぁ、ほんとにこんなに痛々しい青春ものは初めて読みました。
心に響く言葉が沢山あって、それは人間の歪んだ部分であったり、いつも目を逸らしている自分であったりが頭によぎるから。
それは物語の中の、春野がどうだからというわけではなくて自分とどこか重ねて見てしまうから本気で電車で泣きそうになりました。
遺伝子工学が進んでいる現代で、カスタムチャイルドのような世界が出来上がる可能性はゼロじゃない。
そんな妙なリアリティが読者を物語の中に引き込みます。
最初は、トランスジェニックを肯定するこの世界を否定する物語なのかな?と思っていたけれど、話はどんどん歪んで行きました。
子どもが「返品」される世の中、そんな社会は絶対に嫌だし。
自然に出来る子どもをジーンプアなんて蔑む社会も嫌だ。
最初はこのトランスジェニック否定のもと読んでいたのに。
どんどん春野の歪み、冬上の歪みの物語に変わって行きます。
ジーンプアの清田の真っすぐな思いに春野は自分の歪みを自覚して、最後はせっかく真っすぐに進める気持ちになったのに。
そこでまさかの冬上登場!!?
おいおいおい、春野が好きな気持ちはわかるけどさぁ。
ベクトルはそっちに向いてしまうのね。
清田を守るため、とかそういうのん、やりきれないよ。
と、まぁ、決して明るい話ではありませんが。
引き込まれてしまった本です。
Posted by ブクログ
発売当時の10年ほど前、1度読んで面白かった記憶があったので再読。
遺伝子工学のみ発展した仮想現代。遺伝子操作で子供の見た目、能力の傾向などを操作可能。
育児放棄されカスタマーサポートの担当だった知佳さんに拾われ育てられてた春野。
遺伝子操作を悪とする宗教にハマった親を持ち遺伝子操作されることなく生まれた清田。
アニメのキャラクターそっくりに作られた冬上レイ。
そんな毒親から生まれた男女3人。親のエゴで性格が曲がってしまった登場人物の苦悩の青春小説。
ただ、一般的な青春小説のように煌めいていないし、読み終わった後スッキリはしない。
文章に関しては酷くは無いが、ラノベの感じが残っていで好き嫌いはあると思う。
ストーリー自体は面白いが、終わり方がこれもまた好き嫌いあると思う。
病んでる登場人物の為個人的には好き。
Posted by ブクログ
遺伝子操作によって、親の思い通りの子どもを作れるようになった日本。
けれども、そんな才能を持って生まれてきても、環境が伴わなければ、思った通りには育たない。
遺伝子操作を受けずに生まれてきた才能のない清田と、恵まれた可能性をもって生まれてきた春野、容姿のみを求められて生まれてきた冬上。3人は互いの魅力に惹かれ、行動を共にするようになる。
そんなお話でした。
久しぶりに壁井ユカコさんの小説を読みました。
昔はこの人の作品ばかり読んでいたのに。
本当に、この人は、ダメな魅力をもつ男の人を書くのが上手い(笑)。清田や、冬上ばかりではなくて、読者である私も惹かれていくのです。これまで読んだ中でも、一番暗黒の魅力にあふれていたかも。
けれども、今回は、清田もすごくいいキャラでした。
ふたりの魅力に引っ張られて、途中からはもう止められなくなって最後までぐんぐん読んでしまいました。
ただ、序盤、なんとなくいやな感じがして、50ページくらい読んで本棚に4年くらい眠っていたので、序盤のなんとなく、面白くないというか、んー、よみたくないなぁってところがあったので、★★★★☆です。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
電撃文庫で描いている世界を、もういちど描く。確固たる世界が作者の中に作られているので、ブレがなくて読みやすい。この世界への思い入れが伝わってきました。終わり方からして、まだまだ描きたいんだろうなぁ。
壁井ユカコさんが好き!と訴えてくれた中学生がいました。あのときその情熱を受け止めて読めばよかった、ごめんね。
ただ、春野と知佳の互いへの思いというのは…まぁ、そういう風に持っていきたいんだろうなーと最初の時点でわかってはいたけど、そういうのは求めてないんだけどな…。これ以上ライトノベル寄りになったら読めなくなるので!瀬戸際なので!この辺で踏みとどまって描いてほしいです。
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