三上幸四郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
文庫版になって初めてこの本のことを知りました。
「これが最後の仕事になる」という一行の後は、各作家独自の世界が広がっています。
1編6ページなのでスキマ時間に読みやすく、飽きたらブックマークして、他のことをしながら読み進めることができます。飛ばし読み・つまみ食い読みもできます。
わたしは、病院の待合室で読んでいましたw
文章構成のお手本としてもオススメです。
オチがある作品は落ち着きます。オチだけにw
〔作品紹介・あらすじ〕
最初の1行は全員一緒。
1編6ページ、24種の「最後の仕事」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
著者一覧(掲載順)
小川哲
五十嵐律人
秋吉理香子
呉勝浩
宮内悠介
河村拓哉
桃野雑派
須藤古都離
方丈貴恵
白井智之
潮谷験
多崎礼
真下みこと
献鹿狸太朗
岸田奈美
夕木春央
柿原朋哉
真梨幸子
一穂ミチ
三上幸四郎
高田崇史
金子玲介
麻見和史
米澤穂信
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傲慢(プライド):中山七里
リベラルを掲げる男が、愛弟子の女性をレイプする。
された女性はすぐに警察に被害届を提出。
された側とした側の双方で主張をするが、
レイプをした男が突如殺害される。
当然疑いの目はレイプされた女性に向けられるが、
何故かアリバイの主張を拒否する。
お互いの傲慢が絡み合いどちら側の味方も気持ちの悪さを覚える。
男を殺害したのはレイプされた女性の秘書。レイプされた女性の傲慢な態度から罪をなすりつけようとした。
また殺害時刻には趣味の児童買春をしていた為、アリバイを主張出来なかった。
怠惰(スロウス):岡崎琢磨
7歳の息子が急に学校への登校を拒否し始める。
様子を見ていたが一向に改善の見込みがない為、
気分転換に実家の農業の手伝いに向かう。
全て息子の計画通り、農家を営む祖父母を助けたがために、絵本を参考に芝居をして農業を手伝わせる様に仕向ける。
7歳にしてかなりの策士。
憤怒(ラーズ):川瀬七緒
7つの作品で1番好み。
自閉症スペクトラムを持つ息子の音也が事故で急死した。
良かれと思い田舎に移住した父の和人と妻の彩美は悲しみにくれていた。継母である彩美は音也を可愛がり、よく尽くしてくれていた。葬儀を終えて間もなく、1人の老女から嫌がらせを受ける。原因も分かぬまま、嫌がらせはエスカレートしていき、ついに老女と直接話し合いの対決に向かう。
老女が語った恐ろしいまでの真実に驚愕。
息子を殺したのは継母の彩美。
自身が妊娠したことを機に邪魔な音也を消すことにした。
ただただ怖い
嫉妬(エンヴィー):七尾与史
相手に対する嫉妬が暴走して殺害に至るまでの話。
シェークスピアの「オセロ」
夏目漱石の「こころ」
これらの作品を絡ませて物語は展開する。
嫉妬により好きな男性の恋人を刺す主人公。
その主人公を裏で操っていた精神科医の女医。
上手く出来過ぎな物語だが、エンタメとしては満点。
色欲(ラスト):かもしだセブン
高校生の息子に金庫の中にしまっておいたエロ本を見つけられる。エロ本から推理できる息子の考察がまさに名探偵。
主人公の職業、母親との馴れ初め、
離婚に至った経緯や再婚相手の素性まで
一冊のエロ本主人公の半生を丸裸にする。
暴食(グラトニー):若竹七海
親からの虐待により、人格が極端に歪んだ中村公介。
カニバリズムで殺人を繰り返すシリアルキラーと
ママと呼ばれる正体は男の遺体処理を生業にする者との同居生活。2人の関係性が曖昧なまま物語が進行し、最後で全て明かされる。 -
Posted by ブクログ
七つの大罪と言われる「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」に基づく七つの短編集!
また、本書の七つそれぞれの短編の著者も「七」に関係があるなど、面白い仕掛けが施してあった。
七つの短編はどれも面白く一気読みしてしまった。
特に「憤怒」は短編にも関わらず、離婚、障害、村集落、認知症など盛り沢山の内容をギュッとまとめてあり、短編では勿体無いほどの作品だった。
あと意外だったのは「色欲」で、タイトルも然り、他の流れからもっとグロテスクか砕けた内容を想像しながら読んだが、息子の返しなどコミカル要素もありつつ、家族の大切さを教えてくれるような物語だった。
他のどの作品もホント素晴らしかった!
テーマを明確にして書かれた短編だから、読者もテーマを先に知って読めるので、読みやすく楽しみやすいと感じる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
7つの大罪、
傲慢 嫉妬 憤怒 怠惰 強欲 暴食 色欲
7人の作家さんが大罪をテーマにそれぞれの思うがままに書いていて短編
濃厚で、短編なのでいいとこどりな、結末が面白い。
傲慢とは、自分を過大評価し他人を見下す態度や心のあり方を指す言葉
どの人も、あの人もこの人もプライドが高い
傲慢を、最大限に表したないようだった 笑
怠惰とはすべきことを怠ける様子を表す言葉
怠ける場所がどこをさすのか、
人によって怠けて見えることもある。
でも、その人にとっては、成すべきことのために怠けている場合もある?
そんな意味で書いているのかな?
なんて優しい気持ちになれる内容
私はこれが1番好き。
人に心配させる事はよくないが、それでも彼が思って行動に起こした事はとても素晴らしい。
憤怒とは、非常に激しい怒りの感情を表す言葉
もしかしてミステリーがちょうどよい面白さ。
悲しい話ではあるが、憤怒をとてもよく表している。
嫉妬とは、自分にとって大事なものが他人によって脅かされると感じたときに生じる不快な感情
まさしく嫉妬の塊であった。嫉妬することは、ある。
若い時よりは随分減ったし、認めることが出来るようになり、自分というものも分かってきた。
嫉妬で狂いだした人たちの極限!!
強欲とは、必要以上に金品や名誉などをむさぼり求める心を指す言葉
必要以上でむさぼり求めていました、、。
色欲は、性的な欲望が強く高ぶった状態を指す言葉
展開や物語が、エロな正義で面白かった 笑
短編だから、濃厚で密で、言葉がはいる!
子供には読ませられないけどね 笑
暴食とは、必要以上に大量の食べ物をむさぼるように食べることを指す言葉
必要以上っていうところが、この物語で明らかになる。ちょっとグロテスクではあるが、短編だと潔い!内容もぶっ飛んでるが、面白かった。 -
Posted by ブクログ
名前に7があるなど七に縁持ち作家による、七つの大罪がテーマの七つの短編集(岡崎さんは作家紹介読むまで何繋がりかわかりませんでした)。大罪ネタなだけに、スカッと爽やかな話ではありません。読みごごち重視の人には向かず。でも、どの作家さんも工夫が見られて面白かったです。殺人も強姦もエロも色々出てくるので高校以上向け。
「罪の名は傲慢」中山七里
古手川や渡瀬が最後に登場します。地位のある男が立場を利用して一服盛り、女性を犯す。しかし女性はめげずにすぐに訴えるための行動を起こす。お互いの行動や立場、発言、マスコミの報道のあり方。真実は?
「手の中の果実」(怠惰)岡崎琢磨
七歳の息子、櫂は学校に行きたがらず、行っても嘔吐して帰宅した。いじめも見られないし、何が原因かわからない。勝沼から戻ったあと名探偵を演じたのは予想外の人物だった。
「移住クライシス」(憤怒)川瀬七緒
自閉スペクトラムの息子が移住先の田舎で裏の溜池に落ちて死んだ。自分も再婚した妻も地域の人もきをつけていたのに。悲しみ、悔いる僕と妻の元に、痴呆症が疑われる老婆が怪しく敷地内に立ち入ることが続き、不安と戸惑いに襲われる。
「オセロシンドローム」(嫉妬)七尾与史
漱石の「こころ」についての会話が発展して歯科医師と恋愛していた私。しかし盲目的な独占欲でうまくいかなくなり破綻、ストーカーのような状態になりカウンセリングを受けるのだが、人の感情はもっと拗れていた。
「十五分」(強欲)三上幸四郎
動画配信者として成功していた私は殺人や放火の容疑で収監されている。動画を15分と決めて編集していた私。取材に来た記者は自分のファンだったといい、面会15分を何回か続けて何が起こったか聞き取りをした。そして明かされる真実と思いもかけないもう一つの15分。
「父親は持っているエロ本を子どもに見つからないようにしろ」(色欲)カモシダせぶん
これはタイトルから予想されるものを軽く裏切ってきます。こんな息子いないよーっていうのが一番の感想。あと、エロネタがばんばん来ますが、一番読後感よかったです。金庫に入れてあったエロ漫画雑誌を息子が読み、父に自分の感想を話すのですが…。
「最初で最高のひとくち」(暴食)若竹七海
一番胸糞悪くなったかも。気持ち悪くなるほど嫌な話を読みたい人にオススメの内容でした。息子を可愛がる母親のお話です。