矢羽野薫のレビュー一覧

  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    ネタバレ

    サイエンスのみならず、人間社会へのリテラシーを高めるためにあらゆる人が参考になる本であると思う。

    「詐欺」では、故意による不正行為が紹介される。
    「バイアス」では、NULLの結果が無視されることによる出版バイアス、良い値が出るまで何度もサイコロを振るp値ハッキングが説明される。
    「誇張」では、スピン=レトリックによる誇張が説明される。
    そして、「逆インセンティブ」では、これらを招く科学界の構造的な問題を論じる。

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    2026年08月16日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    ネタバレ

    パワーポーズは効果が無いと論文の著者が認めていたり、そのうち読みたいと思っていたファスト&スローについて一部情報が間違っているなど有名な論文や大ヒットした本に書いてあることも間違っていることはあると具体例を上げて書いている。
    メタアナリシスも統計の取り方を間違うと全然違う結果が出るなど新たなことも学べた。
    P値を一定以下にしたいため何度もデータを取り直すなど「そんなことあるの?」というような内容も書いてある。
    日本人には馴染み深い?STAP細胞も少し取り上げている。
    いろいろな本を読んできたが大ヒットした〇〇や有名な〇〇は科学的に又は統計的に間違っていると書いている本には初めて出会ったかもしれない。
    論文発表当初は情報が正しくても後で再度統計を取り直してみると結果に相関関係がないとなった場合に研究者でもない普通の一般人が一々情報をアップデートするのは大変なのでこういう本はありがたい。
    この本を読んでいると有名な学術誌に掲載されたからといって内容が正しいわけではないという気がしてくるし、そういう具体的な例も上げてくれる。
    データの解析方法を少し変えるだけで黒を白にしたり、その逆も出来る。
    人間が利益関係で関わっている以上、発表された論文や理論は本当に正しいのかと考えさせてくれる本だった。

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    2026年07月20日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    研究者を目指す者にとっては必読書と言える。不正にもさまざまな形態があり、ときに意図的に、またあるときは意図せず、こうした不正が起こってしまう。その背景には、研究資金の獲得や利益相反などがある。対策としては、研究の事前登録など、いくつかの仕組みが既にあるものの、その機能は十分とは言えないようである。論文の考察において、結果を必要以上に印象的に見せようとする心性は読んでいて興味深かった。
    論文ほ成果は、単なる自己満足で終わることなく、社会に還元されること必要がある。おそらく研究者の中には、その気持ちが強すぎてバイアスに支配される人もいるのだろう。成果を批判的にみるうえで査読は欠かせないシステムであるが、どれだけインパクトファクターの高いジャーナルでも査読の不正がある以上、プレプリントのようなシステムがもだと広まればいいなと思う。

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    2026年07月06日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    科学的論文を使用して科学を否定する興味深い本。スタンフォードの監獄実験は、イカサマだったという帯に惹かれる。帰納法や演繹法。いくら科学と言ってもそこは人。バイアスや再現性。人は見たいようにしか結果を見たいようにしか見ず、それを評価するのも人。

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    2026年05月13日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    この本でセンセーショナルに語られる斬新さを求めた結果の捏造、紹介する程度に書かれている意図しないミス、あるいは定期的に成果をアピールしなければならないプレッシャーなど、私は数十年前に研究者をやめて会社勤めになったが今でも同じように感じる現場はある。結果を捏造しない矜持はあるが、大げさに使われる物を体を張って止めるようなことは出来ない。チャレンジして何も成果が無ければ、たとえマイナス評価を食らわなかったとして反省し次は成果を出す事を求められ、いずれ捏造に手を染めてしまうのではないかという恐怖がある。
    著者の言う通り 何も無い という結果に対する見方が変わって欲しいと願う

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    2026年05月01日
  • 最後の授業 ぼくの命があるうちに

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    (息子へ)
    お父さんがこれまで読んだ本の中で、もっとも感動した本のひとつ。

    金銭面で成功した人が書いた本や、道徳的に立派な人が書いた本など、自己啓発本をたくさん読んできたが、この本が一番、こころに残った。

    余命を告げられてから、「生きる」ことを真剣考えた人の、「生きる」ことに対する教えは、どんなに成功した立派な人の教えより、上。

    お父さんが感銘した内容を一部紹介しおこう。
    ①壁がそこにあるのは理由がある。
     壁は、僕たちのいくてを阻むためにあるのではない。その壁の向こうにある「何か」を自分がどれほど真剣に望んでいるか、証明するチャンスを与えているのだ。

    ②幸運は、準備と機会がめぐりあったときに起こる。
     運をつかむには、機会が必要だが、機会がめぐってきたときに、きっちり準備しておかないと、つかむことができないということ。逆に、きっちり準備しとけば、必ずその機会を掴み取れる。

    ③ロッキーの一作目が売れた理由。
     ロッキーは勝ち負けを気にして試合したのではなく「KO負けだけはしたくない」、それを目標としていた姿が美しかったから
    ④あやまるときは心から

    まだまだ感銘した内容はたくさんあった。
    これ以上のことは、是非、本書を手にして読むこと。お父さんからの命令。

    (お父さんのつぶやき)
    余命半年と知ったとき、お父さんは君に、どんなメッセージを残そうか?

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    2026年03月29日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    私も科学者の端くれなので、といっていいのか正直一般の人の科学や科学者への信頼度、というのはよくわからない。自分はどうかといえば、科学への信頼度は高い。
    もちろん当事者だからというのはあるけれども、例えば論文は一定のお作法に乗っ取り書くし、統計をきちんとして、条件整理したうえでの有意差を出して自分の研究結果をまとめていく。⋯とここまで書いて、そう、有意差ってのは操作しうるものなのよねえ⋯だからイカサマか、という言えばそんなことはないんだが、しかし操作できるというのは捏造と紙一重的な部分ではある。

    科学の世界に入り込むと最も大事なのは論文を出版していくことだが、実はその過程に様々な欺瞞が入り込む余地があるのは内部の者であれば誰でも知っている。いや純粋な大学院生の頃は知り得なかったりすることもあるけど、科学者なら誰でも少なくても一片の誤魔化しもなく結果をまとめることはあるだろうか??いやある人もいるだろう。そこは内部にいても厳密な、とても厳しいお人にも会うので信じられるところ。でもそうでもないことも経験するので、私たち科学者の科学への信頼度は、条件付き、と言っていいだろう。

    さてさて、この本は、科学の再現性への疑問に焦点を当てる。特に心理実験の数々には再現性の問題があることは時折報道されるようにもなってきた。わけても、帯に書いてあるスタンフォード監獄実験は有名な実験。学生たちを囚人と看守に分けて役割を与えると、自然に看守たちは残酷な仕打ちを囚人役の者に与えていく。その程度があまりにひどいので実験は中止された。このショッキングな実験は何度も何度も記述され、映画化(確かドイツ映画)もされて、私もほんとについ最近まで信じていたけど、再現性など無いんですよねえ。。オリジナルの実験では実験者に双方にこう振る舞えとか教示があったそう。他にも再現されない有名な心理実験は数多く。近年では様々な文脈において、行動経済学的思考がもてはやされて、その応用が唱えられるが、実際には元になる実験はそれほど再現性があるわけでもない。もはやそこは面白い結果が常に成り立つと信じられているフィクションでありファンタジーなのに…って自分も講義で言っていたじゃんと、本書を読んで来年度の講義は、自分の講義を疑えと学生たちに言うことに決めました。

    それはさておき、小保方さんまでフォローされていてにんまり。一般の人が本書をもとに科学論文は全然信用できない、となってしまうのはとっても心配だが、本来はスタンフォード監獄実験にしても、「科学者の言う事を鵜呑みにする科学部の記者さんたち」の責任が私は大きいと思うのですよ。実は私もそうだが、科学論文というのは常に出版バイアスに晒されている。そう、有意な結果が出ないと基本的には出版されないから、こうした結果これは何の意味もありませんでした、という知見が溜まりづらいのよね。。そういう場合多くの科学者は、あぁもうこれは結果でないんだな、と白旗上げて、別な設定をしたり、テーマを変えたり。だって出版できない結果にこれ以上携わったって時間の無駄なんだもん、と。

    でも、出版にこぎつけた論文から、頭のいい記者さんなら、あれ?別な条件だとどうなんだろう、とか、ここは上手く誤魔化していないのかと気づいてほしいのよね。そうすれば、科学者だってあぁそこは弱い点なんですよ、とちゃんと言うのだから。
    色々身につまされれることは多いけど良い本でした。ちなみに科学出版界もこの問題にはどうにかしようと試みていることはあり、そこも記述されています。
    本書でもっとも恥ずかしいと思うのは、世界一の捏造論文大賞が日本の麻酔科医ってことかな。頼むぜ。

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    2026年02月02日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    科学を正しく、世の中の真理を華々しく解明するものと人は思い込んでいるため、今の科学は信頼がおけなくなってしまった土壌が出来上がった。欲を持たず、眼の前の実験や研究結果に冷静に分析評価することが科学者のみならず、我々にも求められる。

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    2026年01月11日
  • 人間はどこまで耐えられるのか

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    素直に面白い本。どこまで正確なことが書かれているかは再検証必要だが、理系心をくすぐる本でした。特に、圧力や温度などの身近な因子が身体に与える影響の記述は為になった。

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    2025年05月25日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    装丁に書かれている内容から、世の中で信じられている
    「 科学的とされているような事実」が実際は嘘でしたと言う軽い告発系の読み物かと想像していたのだが、 実際には想像以上に硬い内容の話だった。

    一言で言えば、今の科学研究は様々な理由により再現性がない、 あるいは効果がない研究成果が溢れており、そのような事態が発生してしまうメカニズムと解決するための方法論を提示しているのが本書だ。

    どのようなシステムであっても、必ず問題が起こることは避けられないので、 そのような例が少ないのであれば問題はない。しかし本種によれば、分野によって異なるがかなりの事例が歪められているとのことである。かつて大学院まで行き論文なども書いていた自分からすると、身につまされるような内容がたくさんあり、一度メタ的にシステムを認知すると、このような課題があるのかと考えさせられる内容だった。

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    2025年05月15日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    著者はキングス・カレッジ・ロンドンの講師(出版時34歳)。専門は心理学だが、生命科学や脳科学から心理学や経済学まで、実験科学における研究や論文の不正をメッタ斬る。若いだけに勢いがあって、解説も歯切れよい。
    データの捏造や改竄はもってのほかだが、事後のデータの追加やp値ハッキングはインフォーマルにはよく見かける。これがなぜダメか、そのへんもわかりやすく解説されている。その点でも、とくにこれから研究の道に進もうとしている人には、おすすめ。研究室の悪しき慣習や伝統に染まるまえに(途中で大きくコケないためにも!)、一読しておいたほうがよい。
    (蛇足。日本版の帯には、大きく「スタンフォード監獄実験はイカサマだった!」とある。この宣伝文句、原著のカバーには見当たらないし、本文中でも1ページ程度しか触れられていない。スタンフォード監獄実験はNHK-BSではいまだに真実として再放送されているが、イカサマの件はその業界ではよく知られている話だ。)

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    2025年05月09日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    本書『Science Fictions』は、科学の世界に潜むさまざまな問題点――特に、研究の再現性の欠如や不正、そして構造的なバイアスについて取り上げた一冊である。私たちが「科学的」と聞いたときに抱くイメージは、客観的で、正確で、信頼できるものというものが多い。しかし著者は、そのような科学の理想像と現実との間にあるギャップを、具体的な事例を通じて明らかにしている。

    中でも印象的だったのは、科学的な発見が必ずしも厳密なプロセスを経ていないこと、そしてその中に成果の誇張や再現性のない研究が少なからず存在しているという点である。また、研究成果が評価されるためには注目を集める必要があるという現実が、科学者たちをセンセーショナルな方向へと向かわせる一因となっていることも示されていた。

    このような問題の背景には、研究者のモラルだけではなく、研究を取り巻く制度や評価の仕組み――つまりインセンティブの構造が深く関わっている。多くの場合、査読やデータの保存といった地味で重要な仕事には評価が集まりにくく、派手で目新しい成果の方が資金や注目を集めやすい。著者は、こうした構造的な問題が科学の健全性を脅かしていることを指摘していた。

    本書を通じて、私自身もさまざまなことを考えさせられた。特に印象に残ったのは、「科学者もまた人間である」という点である。科学者といえば、どこか特別で、間違いをしない存在のように思っていた部分があったが、本書に登場するさまざまな事例を見て、それが幻想であることに気づかされた。科学もまた、人間の営みの一部であり、そこには当然、感情や欲望、判断ミスが入り込む余地があるのだ。

    また、科学を支える仕組みにも限界があると感じた。研究資金の配分や成果の評価において、資本主義的な仕組みが働くのは自然なことであるが、それが結果として科学の方向性を歪めてしまうこともある。もちろん、制度を設計する側も悪意があるわけではなく、価値の高い研究に多くの支援を届けたいという善意に基づいている。しかし、その善意が必ずしも良い結果を生むわけではないという事実に、人間社会の複雑さを感じた。

    現代は、個人の自由や多様性が尊重される時代であり、「好きな研究をやっていい」という考え方が広く受け入れられている。そうした中で、研究者に特定の行動を求めたり、方向性をコントロールするのは難しい。だからこそ、どのようなインセンティブを設計し、どのように科学の健全性を支えていくかが、これからの課題になるのではないかと考えている。

    本書は、科学に対する信頼を失わせるための本では決してない。むしろ、科学という営みをよりよく理解し、その価値を守っていくために必要な視点を与えてくれる一冊であった。私自身も、これからは科学的な情報に対してただ鵜呑みにするのではなく、批判的な視点を持ちながら、より丁寧に向き合っていきたいと思う。

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    2025年04月17日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    面白い。ヒ素生命体や、医学に関する知識(ピーナッツアレルギーや双子の帝王切開など)の誤った科学が、なぜ生まれてしまうのか、どうすれば良いのかについて示唆的な論考。

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    2025年03月16日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    本書で扱われていたのはアカデミックの世界の不適切な行為が主だったが、会社でもどこでも同じような事は起きてると思う。
    筆者が述べているように、システムに課題があり、結果の誇張やp値ハッキングのような手段をすることで得をするままではよくない。
    一個人としてできることは、事実を謙虚に受け止め、センセーショナルな結果を無批判に受け入れることを避けることだと感じた。

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    2025年01月15日
  • ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

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    最高の職場を作り続ける方法が学べる一冊

    Googleの組織づくりにおける試行錯誤の過程がつぶさに語られている。実行するうえでぶつかった困難や、実施したことでどんな結果や学びを得られたのかなどが、具体例をふんだんに交えながら説明しているため非常に分かりやすかった。

    Googleはただのエリート外資だと思っていたが、人間的な思いやりと野心に溢れる会社だと感じた。

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    2025年01月10日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    ネタバレ

    科学論文の衝撃的な不正実態と背景、そして考え得る対策が詳細に解説されている。心理学や栄養学は再現性が難しいと言われているらしいが、経済学、医学、生物学、教育学など、様々な分野で不正が横行しているようだ。
    もちろん第一義で責任を負うべきは主たる研究者なのだが、本書を読むと、全て研究者が悪いとも言い切れないように思ってしまう。限られた研究費やポストを得るためにはインパクトのある論文を多数発表する必要がある。悪意がなかったとしても再現性実験やデータ確認に割ける時間は多くなく、グレーな結果が多くなるだろう。また、nullまたはnegativeな結果はインパクトが薄いため、オープンになりにくい、所謂出版バイアスも影響している。
    驚いたのは、出版社が引用カルテルによって不当にジャーナルの権威を高めていたことだ。大きな事件もあったようだが、恥ずかしながら勉強不足で全く知らなかった。こうなると、研究成果の評価に使われているインパクトファクターやh指数とは一体何なのかと疑問に感じてしまった。この実態をコルネリス・ベガ作「錬金術師」の絵画に例えている。ベガは金に執着することの無意味さを語っているのだが、この論文至上主義も本質を見失っていると言わざるを得ない。
    最終章では対策についても述べられている。中でも、研究のオープン化/チーム化、プレプリントは実効性が高いのではないかと感じた。
    スター研究者の牽引によって特定分野が大きく発展することもあるが、殆どは地道に実直に結果を積み重ねた多くの研究者に支えられているのだと思う。謙虚さを失わず、真摯に科学と向き合うことが何より大切だと、改めて気付かされた。

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    2024年09月30日
  • Science Fictions あなたが知らない科学の真実

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    これは根底から認知が変わる。

    大体、「論文で査読されててメタアナリシスであれば信じるに値する!大学でも何度も引用されてるから信用できる!」と信じて疑わなかったものが一気に崩れ去り、「あの心理学の講師今頃冷や汗かいてるのかな」「多分その講師も俺も教わったんだから嘘な訳が無い!」とするんだろうなとか色々妄想してた。
    自分事だけど「筋肉の超回復を信じていたし、大学の講義でも使われてたのでドヤ顔で言ってた」過去を枕に顔を埋めて足をバタバタする毎日で他人の事は言えない。

    結局大人はみんな「星の王子さま」に出て来るビジネスマンやジオグラファーや点燈夫なんだから、制度、金、環境で真実はそれらによって定められるんだろうな。それで賞賛を得て帽子の角度少し変えて喜んで過ごしてるだけだろうし。

    で、結局情報って何を信じれば良いのかって言うと、「(意訳ってよりも勝手な解釈)1次情報の論文にアクセスし、尚且つ読む時はそれを疑って読みなさい」と。
    言ってる事は至極真っ当なんだけど、疑う材料の情報のストックさえ無かったらもう終了だよね。
    何も信じられない。

    学校や大学の講義も信じられない。
    1192年が鎌倉幕府の始まりなんて誰がそんな後に変えられる征夷大将軍基準で言い出したんだよ!
    何でプロテインは運動後30分以内がゴールデンタイムとか言い出したんだよ!本書とは関係無いですが。

    所詮論文書いてる人達も清廉潔白な訳じゃなく人間臭い泥臭いし、日本人が圧倒的に論文撤回のエキスパート、つまり騙そうと言う意思で論文書いてる人が居たと知れたのも非常に興味深かった。

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    2024年08月09日
  • ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

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    欧米企業は、ジョブ型や実力主義など、
    人に関して、もっとドライなのかと
    思っていましたが、本書より、
    そうではないことに気付かせてもらいました。

    社会環境や時代が移りゆく中で、
    変化してきたのではないかと思いますが、
    こうした側面を情報として新聞等で、
    取り上げてほしいと感じました。

    答えをすぐ求めずに、
    仮説を立て、実験し、
    社内で実験をすることを伝え、
    進めている点は、公平性、透明性がありました。
    その中で、変化に対して耐性が付き、
    創造性も磨かれていくのだと
    感じました。

    人事系(育成/採用)の方は、もちろんのこと、
    人事系でないマネジャーの方も、
    読んでおくべき良書としてお薦めです。

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    2023年10月08日
  • 人間はどこまで耐えられるのか

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    人間は「高さ」、「深さ」、「暑さ」、「寒さ」にどこまで耐えられるのか、人間はどこまで「速く」走れるのか、人間は「宇宙」で生きていけるのかなど、「人間の限界」について書かれたもの。人間の身体的特徴がどこまで環境に適応でき、その限界はその特徴によって生まれてくるということが、丁寧に書かれていて生理学的にも楽しい読み物だった。

    「どこまで深く潜れるか」の章に枕草子《うちとくまじきもの》が引用されているのに驚いた。イギリスの知識階級恐るべし。

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    2023年07月29日
  • 運のいい人の法則

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    非常に面白かった。結局のところ、運がいい人悪い人の違いと言うのは、同じ物事が起こったときに、その物事のプラスの面を見れるか、それともマイナスの目にフォーカスをするかの違いなんだろうなと感じる。あらゆる人にとって、起こっている事象と言うのはほとんど同じだけれども、その受け止め方が違うだけで、人生の幸福度や雲の高さにまで影響与えるんだと思うと、 意識的に運を高めることができるからこそ、物事に対して良い面にフォーカスしてみようと改めて思わされる。

    運を鍛えるレッスン

    法則1チャンスを最大限に広げる
    ①運のいい人は、運のネットワークを築き、それを広げている。
    4人の友人を作る、「ご無沙汰しています」
    ②運のいい人は肩の力を抜いて生きている。
    ③新しい経験を喜んで受け入れる
    サイコロゲーム

    法則2 虫の知らせを聞き逃さない
    ①直感と本能に耳を傾ける
    洞窟の老人を訪ねる、決断してから一旦立ち止まる
    ②直感を高める方法を知っている
    瞑想

    法則3幸運を期待する
    ①幸運が将来も続くだろうと期待している。
    「私は運がいい」、目標を決める
    ②たとえわずかでも 可能性があるなら目標達成するために努力して、失敗してもあきらめない
    コストパフォーマンスを分析する
    ③対人関係がうまくいくと思っている
    幸運を想像する

    法則4 不運を幸運に変える
    ①不運のプラス面を見ている
    ゴミ山から宝物を探す
    ②不運な出来事も長い目で見れば最高の結果になると信じている
    灰の中から飛び立つ不死鳥
    ③不運にこだわらない
    気分転換の達人たち
    ④積極的に行動して将来の不安を避ける
    問題解決の5つのステップ
    /運動して体動かせば悩みも忘れ気持ちが高揚する
    /面白くて笑える映画を見ながらストーリーに入り込む
    /20分ほど時間をかけてこれまでに経験した幸運を思い出す楽しいことを思い出せば気持ちも明るくなる
    /楽しくなる曲を聴き音楽に浸る
    /友人に会って相手の近況を聞く


    以下は面白かった質問に対する運のいい人と、悪い人の回答
    質問: あなたは銀行の窓口で順番を待っている。そこへ銀行強盗が現れ、中を振り回しあなたは腕を打たれた。
    これに対し、 この出来事はうんがいいと思うか、それともうんがわるいと思うが、雲のいい人と悪い人に− 3から+3で点数をつけてもらった。とてもうんがわるいと思う場合は− 3、とてもうんがいいと思う場合は+3となる

    運が悪い人の回答
    そもそも質問の内容がおかしい。こんな状況でうんがいいと思えるのは、銃で撃たれるのが好きだと言う人くらいだ-3
    運がいい人の回答
    1 中で打たれたら即死したかもしれない。腕に当たったから助かったのだろう。うんがよかった+3
    2頭を打たれたかもしれないと思えばうんがよかった。それに体験談を新聞社に持ち込めばいくらかお金がもらえるかもしれない+3

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    2022年05月10日