あらすじ
死ぬか生きるかの極限状況を科学する!どのくらい高く登れるか、どのくらい深く潜れるか、暑さと寒さ、速さなど、肉体的な「人間の限界」を著者自身も体を張って果敢に調べ抜いた驚異の生理学。
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Posted by ブクログ
"最高に面白い本だった。人間が健康に活動できる限界は?という視点から、科学的に分析をする。もしもの不測の事態に陥ったときのサバイバルも学べる。
極寒の海に投げ出されたらどうするか?救命具をつけていれば、じっと浮かんでいる方が助かる確率は高い。水は空気より熱の伝導がはやい。動き回ると急激に体温を奪われ消耗する。
こんな知識も身につく。
宇宙にいくことはまずないだろうが、宇宙酔いについても学べる。
どこまで高く登れるか?
どこまで深く潜れるか?
暑さ、寒さにどこまで耐えられるのか?
どれくらい速く走れるか?
宇宙で生きていけるか?
最後に、生命そのものは、どんな環境で生きていけるのかを地中深くに生息する微生物など紹介しながら紹介している。"
Posted by ブクログ
素直に面白い本。どこまで正確なことが書かれているかは再検証必要だが、理系心をくすぐる本でした。特に、圧力や温度などの身近な因子が身体に与える影響の記述は為になった。
Posted by ブクログ
人間は「高さ」、「深さ」、「暑さ」、「寒さ」にどこまで耐えられるのか、人間はどこまで「速く」走れるのか、人間は「宇宙」で生きていけるのかなど、「人間の限界」について書かれたもの。人間の身体的特徴がどこまで環境に適応でき、その限界はその特徴によって生まれてくるということが、丁寧に書かれていて生理学的にも楽しい読み物だった。
「どこまで深く潜れるか」の章に枕草子《うちとくまじきもの》が引用されているのに驚いた。イギリスの知識階級恐るべし。
Posted by ブクログ
[ここが、体力の終着点]暑さ、寒さ、高さ、深さなどのジャンルごとに、生命がどこまで耐えることができるかを探った科学本。限界の限界に挑んだ科学者など、「奇人」のエピソードなども収録されています。著者は、オックスフォード大学の生理学部教授を務めるフランセス・アッシュクロフト。訳者は、『驚異の古代オリンピック』等の訳業がある矢羽野薫。原題は、『Life at The Extremes』。
科学の知識がなくとも科学を楽しむことができる良作。邦題には「人間」と銘打たれていますが、それ以外の動物や細菌などについても述べられており、幅広く生命の不思議に触れることができるかと。それにしても自らの命を賭して限界についての謎を解明しようとした科学者列伝には恐れ入りました......。
〜極限状態と戦って生きのびるためには、「命の理論」である生理学の知識が欠かせないのだ。〜
最近のカイロの暑さも結構ヤバいです☆5つ
Posted by ブクログ
面白く読みました。熱さ、寒さ、気圧色々あれど、やはり生存に一番重要なのは酸素濃度? 酸素が酸っぱいとは初めて知った。自分の体で人体実験を繰り返すなんて、科学者の鏡です。
Posted by ブクログ
生きるか死ぬかの極限状況で、肉体的な「人間の限界」を
著者自身も体を張って果敢に調べ抜いた驚異の生理学。
人間はどのくらい高く登れるのか、どのくらい深く潜れるのか、
暑さと寒さ、速さの限界は?
果ては宇宙まで、生命の生存限界まで、
徹底的に極限世界を科学したベストセラー。
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これ、めっさ面白かった。
ためになると言うか、普段疑問に思ってた事とか、
えーーー、そうやってんや、なんて体のしくみもわかって、
読んでて楽しかった。
ただ、半分くらいは専門的な事も書かれてて、
ちんぷんかんぷんな所もあったけど、それでも得たものは大きい。
自分自身の体で証明する実験。
危険と隣り合わせやけど、説得力がある。
疑問に思った事を諦めずに突き詰め、答えを出し、
また、発想の転換と言うか、固定概念を持たず、何でもチャレンジ。
すごいなと思った。
Posted by ブクログ
趣味でダイビングと登山をするので、最初の2章の内容に興味があり購入したが、最後まで読んでしまった。非常に面白い。
伝統的に、生理学者は自分の体を使って実験するらしい。
Posted by ブクログ
サバイバルの科学。タイトルからエグい人体実験の話を期待してたが、そんな所は(あんまり)なく、まっとうな科学本。人間は高度何万mまで登れるのか、水深何mまで潜られるのか、寒冷地では?砂漠では?宇宙では?その時人体の内部、肺、血液、骨、細胞はどんな働きをするのか?具体的な事例を取り上げ、それがいかなる科学変化により発生したのか詳細な生理学分析のもと解説されており、楽しむ科学として最高峰の一冊。「走ったらなぜ息があがるのか?」「生命体が繁殖できる限界は?」環境のみならず、スポーツの限界から生命体の限界まで、限界を知りたい人類は必読。続刊は是非、精神的な限界点の探求を!
Posted by ブクログ
人間はどれくらい高く登れるのか?
どれくらい深く潜れるのか?
どれくらいの暑さや寒さに耐えられるのか?
宇宙ではどうなるのか?などを分かりやすく書かれている。
が、私にはちょっと難しくて読むのに時間がかかってしまった。
著者自身が身体を張って経験したことも書いてあって、その辺りはより具体的な話があった。
極地に晒された人間の体がどうなるのかとか、人間だったら簡単に死ぬような極地に住む生き物話が凄く面白かった
Posted by ブクログ
タイトルどおり、暑さや寒さ・高さや低さといった様々な観点から「人間はどこまで耐えられるのか」というものをジョークも交えて書かれている。意外とタフだったり、逆に脆かったりと私たちが想像するよりも人間という生き物は特殊なのだなと感じた。
人間の限界点の先にも暮らしている生物は多く、それらの生物は独自の進化や技術をもっている。それらの生物と人間を比べたり耐えられるカラクリを解説したりと人間が新しくものを開発するキッカケになりそうなことがいくつも書かれているので人間の技術的な進化がまだ可能かもしれないと感じられたため読んでいてとても面白かった。
Posted by ブクログ
生理学者の著者による、極限状況における人間や他生物の限界を検証している一冊。
高さ、深さ、暑さ、寒さ、速さ、地球外などに関わる厳しい環境が集められています。
なかなか専門的で、内容は難いと感じました。
しかし、ユーモアたっぷりの筆致が読者を奥深い極限まで導いてくれるでしょう。
Posted by ブクログ
著者のフランセス・アッシュクロフト(1952年~)は、英オックスフォード大学生理学部教授で、インシュリンの分泌に関する第一人者である。本書は2002年に邦訳版が刊行され、2008年に文庫化された。
本書は、文字通り、人間は「高さ」、「深さ」、「暑さ」、「寒さ」にどこまで耐えられるのか、人間はどこまで「速く」走れるのか、人間は「宇宙」で生きていけるのかなど、「人間の限界」を科学的に解明しようとしたものである。
私は、本書を、理化学研究所と編集工学研究所(所長は松岡正剛)が共同で2017年に企画・選書した、科学の面白さ、深さ、広さが伝わる“科学道100冊“の中で知り、手に取った。
一部の専門的な説明は著者の了解を得て割愛しているとはいえ、生理学の予備知識のない私には読みにくい部分もあったが、「人間の限界」とは、大まかに言えば、「高さ」と「深さ」については、空気の濃度や圧力の高低に体がどこまで対応できるのか、「暑さ」と「寒さ」については、外気温に対して汗や血液の流れの変化でどこまで体温を調整できるのか、「速さ」については、どこまで速くエネルギーを燃焼させて筋肉の運動に使えるのか、という点にあるとのイメージはつかめたように思う。
そして何より、自分で、ふだん暑さや寒さを感じたり、走ったりしたときに(高い山に登ったり深い海に潜ることは殆どないが)、血管や肺などの身体の中の変化が、朧げにでも想像できるようになったという意味で、とても面白く役立つものであった。
(2018年1月了)
Posted by ブクログ
第1章 どのくらい高く登れるのか
第2章 どのくらい深く潜れるのか
第3章 どのくらいの暑さに耐えられるのか
第4章 どのくらいの寒さに耐えられるのか
第5章 どのくらい速く走れるのか
第6章 宇宙では生きていけるのか
第7章 生命はどこまで耐えられるのか
相当理系の内容なので難しいけど面白い。
飛行機が飛んでる最中に窓ガラスが割るとどうなるのか、高山病にかかるとどうなるのか、熱中症になったらどうしたらいいのか、体の中ではなにが起きているのか、どういう症状がでるのか、などが書いてあるので、怖いんだけど役にも立つ、ある意味ライフハックみたいなところも。
コウテイペンギンは群れをなしながら少しずつ移動して体温を保持して、しかも中心にいる温まったのと外側にいるのとが入れ替わるっていう話が好き。
Posted by ブクログ
人間はどこまで耐えられるか?
努力とか我慢とかではなく、生理的/生物的にどこが限界なのか、越えるとどうなってしまうのか、ということをやたら詳しく説明してくれます。例えばエベレストの山頂くらいだと気圧が下がって肺の中の水蒸気圧が増えて酸素を取り込めないそうです、高度1万8000メートル以上で外気に晒されると血液が沸騰してしまうそうです。
他に、どこまで深く潜れるか、暑さ、寒さ、速さ、そして宇宙空間がテーマです。
読んだあと、なんとなく山に登りたくなくなるし、海に潜るのが怖くなります。
Posted by ブクログ
スポーツの世界記録が現在でも更新されているのは、人間の限界が広がっているということなんだと今さら気づいた。人間も動物で進化は続いてるんだなぁと思った。
Posted by ブクログ
「救命いかだで海の真ん中に取り残され、太陽が照りつける下では、海水を体にかけて気化熱によって体を冷やすのが最も賢明だろう。」
高さ、深さ、暑さ、寒さ、速さ、そして宇宙空間において人間はどこまで耐えられるのかについて書かれた本。高さでは、高山病が立ちはだかる。一定の高さを超える場所に定住はできない。そして、高い場所での出産は大変危険である。深さでは、血液に溶ける窒素が問題になる。潜れば潜るほど圧の力により窒素が血液に溶ける。急激に上昇すれば、血管内で窒素が気化して、詰まる。
やけどをしたなら、冷し続けなければならない。なぜなら、表面の熱はとれても、内部に熱が残っているかもしれないからだ。人間は高温に対処できるが、空気が湿っていれば耐えられない。なぜなら、汗の気化により体温を下げるのが難しくなるからだ。
Posted by ブクログ
人間は暑さ(熱さ)・寒さにどれだけ耐えられるのか?深海ではどうなってしまうのか?宇宙ではどうなってしまうのか?知ってそうで知らない人間の限界が載っていて楽しく読めました。
意外に、というかやっぱり、人間と言う生物は脆くて弱いものなんですね。。。そんな人間が、よくこんな苛酷で偶然が重なりあった地球の上に立っているものですな。この偶然には感謝しないとね。
Posted by ブクログ
極寒の地で、灼熱の砂漠で、海で、宇宙(ソラ)で! 人間がどれくらいの環境までなら生きていけるかを解説した良書。サバイバル知識メモみたいな部分が多いなあ、と思ったら普通にサバイバルとか書いてありました。読んでみたらなにかと「呼吸」が重要なポイントを占めていて、「やっぱり呼吸は大事なんだな。波紋を学びたい!」と思いました。科学的な用語はあるけど読みやすい一冊です。
Posted by ブクログ
まさにタイトル通りの内容。
目次からして、
どのくらい高く、
どのくらい深く、
どのくらいの熱さに、
どのくらいの寒さに、
どのくらい速く、
宇宙では…
と、極限状態における人間の体についてわかりやすく説明している。
Posted by ブクログ
読み物として面白い。知的好奇心をくすぐられる。
呼吸関係の箇所は読んでいて息苦しくなりそうだったけど、呼吸は吸うよりも吐く方が大事だというとことなどを知れて勉強になった。
ダイビングの経験があったので、どこまで潜れるのかという箇所もドキドキしながら読めた。
Posted by ブクログ
高温、低温、高さに深さなど、人間の身体の限界についての研究を紹介した本。
同一高度でも、飛行機から急に放り出されたときと、その高度の山に登っていくときとで、生死が変わる理由とか、深くまで潜っていったときの血液中のあれこれとか、いろいろと新しく知ることがあって面白かったです。
この本に書いてあるようなことを確かめるために自分で実験してみた人たちがいるって事も驚きです。
Posted by ブクログ
誰もが一度はなにかしら何かしらここにあるようなことは考えたのではないか?と思う、普遍的な問いを、いたって真面目に検証した本。
普段は感じていないが、特に気圧について、状況によってはいとも簡単に凶器になりえるのだと認識した。
Posted by ブクログ
暑さ、寒さ、高地、宇宙…人間が挑戦してきたあらゆる極限。他にも日常生活の些細なきっかけから人体の限界を探る。生理学をわかりやすく網羅してくれる科学読み物。
偉大な探検家や宇宙飛行士の話も興味深いけど、著者が日本の砂風呂を体験したエピソードなど日常生活の失敗例から学ぶ人間の限界も面白い。
Posted by ブクログ
標高や深海、暑さや寒さ、果ては無重力空間といった極限状態に人体はどこまで耐えられるのかを科学的に明らかにする生理学一般書。様々な歴史的事例や身を張って実験した科学者たちの研究結果の数々を追っていくだけでも面白く、昔の潜水服のへっぽこ具合には思わず笑ってしまった。また、人類の速度の限界についての章で扱われるドーピングの歴史は興味深いものがあった。こういった決して必要な知識ではないけど、日常の中で抱く疑問を丁寧に掘り下げていく内容の本はちょっとした時間の合間に読み進められるしとても楽しい。
Posted by ブクログ
高さ、深さ、暑さ、寒さ、速さ、そして宇宙。人間の限界を決めるのは体温や酸素の要素が大きい。
高いところに登ると肺の中は水蒸気が増える。高度1万mを越えると純粋酸素を吸っても肺の中の酸素分圧が上がらず酸素を取り込めなくなる。およそ飛行機が飛ぶ高度だ。飛行中に窓が割れたり扉が開くと酸素マスクを吸ってじっとしていればなんとか耐えられるが、それまでの余裕は30秒ほどでパイロットが有効な行動を取れる時間はわずか15秒ほど。機内を加圧せずに酸素なしで飛行できる高度は3000mと決められており、高高度を飛行中の機内は1500m〜2400m相当に加圧されている。高山を登る鍵は早く深く呼吸することで、体内のCO2を追い出して酸素を取り込めるようにする。この辺りのメカニズムの解説はいまいちわからなかった。
深海に潜ると加圧された空気を吸ってもいろいろ問題がある。窒素が血液中に溶け込み浮上した際にガスに戻ると毛細血管で血液が流れなくなる。いわゆる潜水病だ。スキューバダイビングの場合潜った深さの半分までは一気に浮上しても問題ない。午前中にダイビングをして、午後に飛行機に乗ると減圧症になるかもしれない。潜水記録に挑もうとする時にはイメージとは逆に肺から空気を吐かないといけないと言う。血中の二酸化炭素濃度が上がると呼吸が苦しくなる、呼吸が苦しくなるのは酸素が足りないのではなく二酸化炭素を追い出すためだ。しかし空気を吐いておけば二酸化炭素はちゃんと肺に溜まるのか?これまたよくわからない。
短時間であれば暑さには耐えられる。105℃の部屋で15分過ごした人がいて、持って入った卵は茹で上がったが人は大丈夫だった。これは汗をかいて体温が上がるのを防ぐからで、中枢体温が42℃を越えると心臓発作を起こすかもしれない。熱中症のリスクは高温多湿で汗が蒸発しないほうが高く、逆に汗を書く時には水分補給が必要になる。病気で熱が出た時にそのままのほうがいいのか、熱を下げたほうがいいのかは異見が分かれている。1-2℃の体温上昇は病原体と戦うのに効果があるという説が有力だが40℃を超えるようだと下げたほうがいい。体温を下げるには冷たい水に入る(血管が収縮する)より濡れたスポンジで体を拭う方が良い。汗まみれで寝ているのは不快だが熱を下げることが目的なら扇風機で風を当てる方が効果的ということになる。
冷たい海に投げ出されることは想像したくないが、助かるためにはじっとしていた方が良い。体を動かすと確かに温まるのだが体温は奪われ続ける。体の周りの体温で温まった水の層を逃さないようにと書いてるが海では波があるのでこれはあまり期待できそうにないように思う。
アスリートが限界に挑む時、酸素を取り込む限界が決まるのは心臓が血液を送る速度だ。肺のガス交換でもなく、筋肉が酸素を取り込む能力でもない。通常心臓は毎分5.5Lの血液を送っており運動すると5倍ほどに増える。しかしトップアスリートは35〜40Lを送り出す。理論上は最大限の運動を15秒間続けることができる。その為にスプリンターはスタート前からアドレナリンを出し心拍数を上げて準備する。それでも200mは最高速を維持できないということになる。
一つ一つのエピソードは面白いが所々に??がつくのがやや残念。
Posted by ブクログ
世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功させた、華岡青洲は有名な話だが、
昔から生理学者は自分や家族の身体を実験台に、研究を行ってきた。
しかしながら、潜在的な危険性は未知数で、人間が生存できる限界もわからないため、
日本を含む各国で、捕虜や服役囚を人体実験にしたと言われている。
科学の進歩の裏で、人間の命に関する研究には暗い影がつきまとうようだ。
あらゆるものに光と陰があるんだな。
Posted by ブクログ
【読み易さ】
やや易しい
【気付き】
★★★★・
【ハマり】
★★★・・
【共感度】
★★★・・
人間が生命を維持することができる高さ、深さ、寒さ、熱さの
限界はどこなのか。
限界に近づいた時、人体はどのような反応をするのか。
限界点は計算で求められるものではなく、
これまで危険を顧みず、限界点に挑んできた人達の歴史でもある。
Posted by ブクログ
科学者魂 命をかける。おそらく死んでも本望なのだろう。なぜならば自分がやりたいことをやっているから。
そんな天命ともいえる仕事に巡り合う旅はつづく。