矢羽野薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一見すると、自己啓発本のようなタイトルですが、これは紛れもなく「科学」の本です。
心理学者であり、マジシャンでもあるリチャード・ワイズマン博士が、人の幸運について、科学者の立場から語っています。面白いエピソード、豊富な研究事例、各種の科学的知見が満載で、とてもためになる内容です。
最後には、「幸運のワークショップ」によって、運を鍛えることができるというオマケつき。実践するかしないかは自分次第ですが、科学的な最適解を知っておくだけでも幸運になれる気がします。
イギリス人らしいウィットに富んだ文章も私は好き。氏の入門編としても読みやすくていいと思います。 -
Posted by ブクログ
以前読んだ詩人のアーサー・ビナードのエッセイにも言えるのだけれど、在日アメリカ人の書く文章には、当人の年齢に関係なく子どもの目線のような素直さが感じられてとても新鮮だ。育った文化風土が感受性に及ぼす摩耗の度合いの違いだったりするのかもしれないが、まずそこが面白い。そして、彼ら外国人の目から見て、東京が如何に緻密で精巧な生活サイクルをこなしているか、如何にストレスフルな都会生活を無意識に送っているかが照射され、今さらながらにギョッとさせられる。確かにこんな中にいきなり飛び込んだら頭痛にも悩まされるよな、と思わずにいられない。著者は意識的に「東京は世界で一番○○な街だ」という書き出しを多用してひと
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに惹かれてこの本を手に取ってみました。本書は、著者がさまざまな調査を行い、「運の良い人の4つの法則」と、それに付随する12の実践ポイントをまとめています。
率直に言うと、幸運の4つの法則(チャンスを広げる・虫の知らせを聞く・幸運を期待する・不運を幸運に変える)を整理して示している点がとても面白かったです。特に「虫の知らせを聞き逃さない」という法則では、直感や本能に耳を傾け、決断後に一度立ち止まることの大切さが強調されていて、実生活でも応用できそうだと感じました。
また、調査はイギリス国内が中心ですが、「運の良い/悪い」という感覚には民族差もあるかもしれません。同じ調査を他国で行えば -
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Posted by ブクログ
運のいい人とはどんな人なのか、どんな傾向をしているのかを手がかりを知る良書である。
運のいい人とは、どんな人だろうか。本著では「直感」であると主張している。行動も失敗も良い出来事も悪い出来事も日常の何気ない情報や経験の全てが、直感という感覚に無意識に集められて発現する。それは、私たちが日頃から何かを目的にして意識的に行動した結果、集められた材料であり、頭の中でパズルのピースを埋めるように形を作っていくようなものである。
私たちは思っている以上に頭は優秀であり、意識しなくても材料を集め学習し直感という機能を発現するように出来ており、それが結果的に運のいい人に繋がると本著では説く。
瞑想もいいだろ -
Posted by ブクログ
傍目から見ると神聖で厳格な科学の世界も、人間の欺瞞に満ちている、ということがあらゆるフェーズで発生していることを示しています。
著者の深い見聞によって、歴史的事実や分析が体系的にまとめられていて、不正やこうやって起こっているんだなと勉強になりましたし理解もできました。
一方で、そうした歴史的背景や事実などを大量に並べて深堀りしているため、とにかく分量が多く、単なる事実と主張だけであれば相当コンパクトになるであろうにも関わらず、なんでこんなに同じ(ような)主張をずっと読み続ければならないのだろう…というのがとにかく大変でした。
本当に事実だけ知りたい、要点だけ知りたい人には全くの不向きで、そも -