仙川環のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前々から、医療をネタにした小説を発表されている、仙川さんの著作。
最近徐々に広がり始めたのか、先日ドラマ化もされていました。
私は『チーム・バチスタの栄光』の海堂さんと同じ時期にて、
そちらとはまた違った面白さで、読み続けています。
主人公は、MBA取得者ということで鳴り物入りで入社した、麻倉智子、
なんですが、アラサーの今となってもイマイチ目が出ず、飼い殺し?状態。
その理由は、頭でっかちすぎること、、現場を見ないこと、
小手先の実感のない理論を振りかざしていること、etc、、イタタ。
そんな彼女が、老人医療現場の現実を向き合う事で、
一人の“記者”として成長していく物語、でしょうか -
Posted by ブクログ
ネタバレ全く前知識無く、裏表紙のあらすじすら読まずに手に取った本作。タイトル名と表紙の印象から、介護を題材にした人間ドラマと勘違いして読んでいたので、中盤以降の急展開に仰天(そもそもミステリと思ってなかったので…)してしまいました。
その急展開ぶりと、タイミングを同じくして“覚醒”する主人公の目覚ましい変化はとても魅力的で、久々に没頭しながら本を読んでいました。
内容が内容だけに、読後はちょっと考えさせられますね。犯人の言い分はもっともらしく聞こえますが、結局自分勝手な想像で助けたつもりになってるだけじゃん?と思っちゃいました。
自分の思想・主張のために、要介護者たちを利用してただけだと思ったの -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親が急逝しやむなく実家の医院を継いだ成田真澄は、田舎で悶々とした日々をおくっていた。そんな折、従妹が原因不明の病に倒れ、治療法もわからぬまま死に至らせてしまう。その後、従妹の友人も同様に死を遂げる。
狂犬病に酷似した症状、撲滅したはずの殺人ウイルスの再上陸なのか?
町民はワクチンを求めてパニックに陥り、飼い犬の無差別殺害も続出。
はたして、その感染源は?
仙川環さんの本は、どれも面白い。
この再発は、医師としての成田真澄、一人の女性としての成田真澄の心情の変化が描かれていて、周りの登場人物の魅力もあいまって、引き込まれて読んだ。 -
Posted by ブクログ
北関東の農村風景が残る幼稚園に桧垣学は、訪れていた。恋人の原島聡美がこの幼稚園の先生をしてた。今日は、夏の暑い日。園児達は、父兄と一緒に農業研修に出掛けてた。桧垣は、聡美のために手伝いにきてた。おにぎりと鴨鍋のお昼御飯。無事に終ったと思われたが、その日の夜相次いで病院に駆け込む園児たちが・・・。
園児達の症状をみて、おにぎりの杜撰な管理から出た単純な食中毒だと思われた。だが、大人に一人も症状が出ないのは、おかしい・・。病院の医師の町田信夫は、慎重に原因を調べる。吐しゃ物を調べるとカドミウムが検出された。公害病の「イタイイタイ病」の原因となった物だった。
安易な発表が農家の風評被害に繋がる事