仙川環のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母の生まれ故郷である離島へ赴任した医師・希世。
島民の半分以上が高齢者なのに、寝たきりの人は数名。
その理由は、全島あげて取り組んでいる”ぴんぴんころり運動”のおかげだという…。
仙川環さん、ほとんどの作品を読んでますが、
今回の医療色は、さほど濃くなかったです。
そのかわり終始、不気味な空気が漂う物語でした。
呪われた歴史…。
その地域に根付いた風習…。
貧しさから、老い先短い者の命と、未来ある子供の命を
天秤に掛ける。
閉ざされた島の中で、何が正しいのか、何を信じていいのかわからなくなる。
誰もが怪しく思え、疑ってしまうんです。
WOWWOWでドラマ化して欲しいような作品でした。 -
Posted by ブクログ
吉祥寺にある有名自然食品店で4個1000円で売られていた「極卵」から食中毒事件が発生した。元新聞記者のジャーナリスト瀬島桐子がその真相を探る。高いものは安心で安全であると信じ込む消費者に食品業界で今何が起こっているか、実態を突き詰めていくうちに大企業の思惑が見え隠れする。
実際遺伝子組み換えの技術は私たちの知らないところでどんどん研究が進められていて、認可されればすぐにでも遺伝子組み換え動物を作ることができるところまで達している。
この小説はもちろんノンフィクションであるが、同じようなことが近い将来現実に起こらないとは断言できない。そんな予感さえしてくるため、十分ミステリー感が味わえる作品だっ -
Posted by ブクログ
「ウィルス研究医の仲沢葉月は、外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。子供は焼死体で発見される。しかし、夫の啓介は女からの呼び出しに出かけていったきり連絡が取れなく帰ってくる様子もない。夫の行方を捜すうち、幼児誘拐殺人事件と夫との意外な共通点、彼女の勤める病院の裏側を知る事になる。」
作家の仙川さんは「娯楽小説」を書いていきたいと話しています。この言葉通り、この作品は2時間ドラマを見るような楽しさを感じます。そして、とても読みやすかったです。医療サスペンスは知識が無いと難しい印象がありましたが、専門のことばかりに偏らず、登場人物の心理にも焦点を当てているので、最後まで -
Posted by ブクログ
お気に入りの医療ミステリー、シリーズ的には第5弾、
といっても、つながりはなくそれぞれが独立したお話しです。
今回のテーマは、美容クリニックとプラセンタ。
そこに、狂牛病やらヤコブ病、アルツハイマーが関わってきます。
パッと見では、なんのつながりもないこれらのキーワード、
とあることから、一つの恐ろしい事件が浮かび上がってきます。
主人公は、そろそろトウが立ちそうな一組の男女、佐野先生と歩美さん。
どこか微笑ましい二人の擦れ違いぶりも、意外と面白かったです。
“美容”というフレーズ自体にあまり関心が無いのですが、
このような問題もはらんでいるのだなぁ、、と、興味深く。
げに恐ろしきは -
Posted by ブクログ
マレーシアで日本製薬会社と取引をしている日本人女性・直美。
彼女の関わるプロジェクトの裏では、
彼女の秘密裏に別の動きがあったー。
その"ある動き"によって日本へ送られた医薬成分のサンプルには、
扱い次第で治療薬にも病原体にもなる成分が含まれていた。
彼女は自分に対する裏切りや周囲からの不当で理不尽な扱いに憤然としながらも、病原体の感染源と真意究明とのために命がけで奔走する。
彼女の経験する悔しさ地震の無力さへの苛立ちが伝わってくるように、
真相解明へ向け、ページをめくる手が止まらなかった。
結局ボンゴの真意はわからない。
帰路の暴言は何だったんだ