嗣人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】序/膿霧/炎罪/禁足/人形/投射/虚像/祭祀/晩夏/嗚咽/禍猿/夢魔/幻旅
隻腕の見鬼・千早と県庁対策室の大野木が怪異に立ち向かう物語が中心。要所要所で夜光堂が現れる。
「序」は、帯刀老の臨終間際の話。
「炎罪」は、遠野恭也と鷹元楸の話。楸はいじめ被害者の心を操り、復讐を囁き、恭也はその結果を愉しむ。
「晩夏」は、自ら境界を越えて異界を選ぶ男の話。
「夢魔」は、木山の視点で語られる帯刀と取り組んだ事件の話。
「幻旅」は、おまけのような小話で、神々が疲れを癒やす宿に紛れ込んだ大野木と千早の話。
怪異に立ち向かうといっても、千早には退治する力はなく、ただ見極めて対処するというのが興 -
Posted by ブクログ
★2.8
王道の怪談もの 短編集だが連作というほどのつながりはなく 考察系のような思わせぶりもなく それぞれが独立した短編として描かれている
タイトルが鬼談であり まえがきに「これは、鬼の噺である」とあるが 第三話で語られているようにそれは「鬼(おに)」と言われて我々が一般的にイメージするものではなく 「目に見えない、超自然の存在。死人の霊魂、精霊。或いは人に祟りをする魔」=「鬼(き)」のほうである
その「鬼(き)」を象徴する存在である「黒い人」にまつわるエピソードが中心となっているが 彼らは居場所を探していたり何かを訴えかけようとはするものの 直接的に祟ったり呪ったりということはあまりな -
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神である菅原道真は三十男としてアパート暮らししている。好物は卵かけご飯/入試のお礼参り時期の太宰府天満宮/天満宮での神々の花見/エアコンを買いに/キャンプで四苦八苦/神無月・神在月での神々のバトル/自分のための神事に遅刻した/大晦日から新年の神さまはもうたいへん/瀕死状態で二日市温泉で湯治/菅原道真が神になるまで(ラストがこの話なのは辛いので、途中に入れて欲しかった)。
■簡単な単語集
【天津神】高天原の神々。あるいはその子孫。あんまり地上に降りてこない。強烈な神威で肌と目が焼ける。
【天照大御神】神様のトップ。伊勢神宮からなかなか離れられないので神無月にも出雲に顔を出すことはあまりない。