あらすじ
弟子入り先を破門されてしまった桜千早は夜行堂へと導かれ、成り行きで使い走りとして仕事を始める。夜行堂と特別対策室の依頼をこなす千早は、やがて業務の効率化の為に大野木の家に居候となることに。県庁の大野木に届いた依頼は、息子の変化に戸惑う母親からのものだった。訪問するとおかしくなるという都市伝説のある大学寮の廃墟。肝試しにいった息子は戻ってから様子がおかしくなり、部屋から一歩も出なくなってしまったという。一緒に行った友人から話を聞こうと、面談に訪れた青年はひどくおびえていた。大野木と千早は二人で話を聞くことに。多発する怪異には、人の情念や想いが、人ならざるものと混じっている。それらが引き起こす、数々の呪いと悲劇。それら怪異をあざ笑うかの如く静観する夜行堂店主の真の目的とは……。文庫化にあたり、上下巻それぞれに短編を書き下ろし収録。
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Posted by ブクログ
千早くんが不当な暴力にさらされると、静かにガチ切れる大野木さんが……ある意味これも彼の人間味のみられる行動で、個人的には大好きです。書き下ろしは、そうでしたね……彼女自身の恨みの念は、見えなかったんですよね。
Posted by ブクログ
事故によって右腕を失った代わりに怪異が見える能力を得て、夜行堂の使いぱしりをする桜千早。
県庁生活安全課特別対策室の室長に任じられ、霊が見えないながらも自身のできることを実直にこなす大野木龍臣。
大野木の家に千早が居候を始めたことで相棒として本格的に怪異に相対することになる。
「夜行」:頭では理性ではそっちと分かっていても、心では感情ではこっちだと動いてしまう。自分の損得より、相手を思って行動できる千早の性格が分かる話。
「翡抄」:3日もみれば頭がおかしくなりそうな悪夢。それを6日連続で見ても正気な彼は精神力が本人が思っているよりも強いと思う。結果的に夜行堂店主に救われるが、彼は運が悪いのだろうか、良いのだろうか。
「狂歌」:戦争によって人生が狂い、死後まで苦しんでいる。あくまで物語の中の話だが、現実では原爆投下から81年、世界は平和からまだほど遠い。
「忌檻」:井の中の蛙大海を知らず、触らぬ神にたたり無しだ。
「穢向」:上巻の洩呪の依頼人・遠野里香の目線から見た世界。どこまでいっても変わらない、変われない人もいる。残酷なことにそれは事実だ。
「紫眼」:見鬼の彼女は察しが良い、何事も引き際が肝心だと理解している。
「惡會」:千早の意地とプライド、大野木のポテンシャルの高さと千早への愛を感じた。
「千尋」:上巻の洩呪の自死した虻川千尋の目線から見た世界。誰も恨まず、誰も憎まなかった彼女。誘惑にも負けず、自分を貫いた彼女。決して弱かったからその道を選んだわけじゃなかったと思う。
上巻からいろいろな意味で怖かったが、下巻もそれは相変わらずだった。
今回は上巻と下巻で繋がった話があり主人公が違うと、こうも違うのかと楽しめた。
各話ごとに読み終わった後の感情がバラバラだ。喜怒哀楽をぜんぶ味わった。
Posted by ブクログ
上巻より怖かったです…
上巻で読んだお話が、別の人の視点から語られたお話として載っていて、視点が変わるとこんなにも印象が変わるんだと、うわぁ…と思いました。
結局真相はなんだったっけ?となり、もう一度上巻を読みました。
この本を読んでいると、怪異とか呪物ってほんとにそのへんにあったりするのかな…とぞっとします。
Posted by ブクログ
新エピソードと上巻の物語の別視点など。
上巻よりホラーっぽさが強くなりだいぶグロかった。
怪異より人の内面の醜さが際立つ。
ラストの話は切ない。
上巻では怯えてただけの大野木さんの見せ場有。
Posted by ブクログ
2人ともクール系かと思いきや、意外とそうでもない…?
まだ物語の序盤だからか、さらっとしてるな〜伏線かな〜というお話が多かった印象です。
今回まかれたたねが今後一気にぶわっと広がっていくのかなと思うと、続編が楽しみでなりません。(期待を込めての-1です)
そして楸ちゃん気になる。好きな予感。
そしてのそして最後の話が一番印象的でした。
幸せでありますように。
Posted by ブクログ
人が一番恐いというのを実感する程の人の悪意。上巻で読んだ話を別視点から描かれるとこうなるのか。思考回路が全く理解できずその事に恐さを感じる、危害を加えられた千早の姿に静かにブチ切れる大野木の姿が普段の様子から想像できなくて、でもなんか良いなと思える。
Posted by ブクログ
上下巻まとめての感想
『夜行堂忌憚』は、「バディ×オカルト×怪談×謎解き」という好み直撃の要素満載。帯を見て思わず手を伸ばしてしまった。短編連作で軽快に読めるが、高校を舞台にした狗神による惨殺シーンは強烈で、小野不由美『魔性の子』を思い出した。『魔性の子』が中国由来の妖怪観を背景に異界の侵食を描くのに対し、本作の狗神は日本の民間信仰や祟り神の系譜に近く、土着的な恐怖を孕む。両者に共通するのは、人間には理解できない異界の理が日常を破壊する瞬間の不気味さ。軽い読み口ながら、異界観の比較という思わぬ深みを味わえた。