嗣人のレビュー一覧

  • 穂束栞は夜を視る

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    霊能力者だった祖父が死に、遺された小学4年生の孫、栞を守るため、道士の白銀と獰猛な大男・窮奇が現れる。

    ミステリ的には王道の展開。不気味な妖魔たちが次々と出てくるが、人間側の被害はさほど大きくないのが甘い分、読みやすい。主人公が男子小学生だからか児童書のような読み心地。キャラが立っているし、まだすべて解決したわけではないので、シリーズ化するかな。

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    2025年10月26日
  • 木山千景ノ怪顧録

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    夜光堂奇譚シリーズを読んだことがないので、
    ついていけるか…?!と読み始めたのですが
    めちゃめちゃ面白かったです。
    どうやら夜光堂奇譚シリーズでは死後も恐れられている男、らしい木山が主人公。
    病弱であり、自分が少しでも長く生きるために帯刀に弟子入りする。
    そんな木山はこの作品ではまだ若く、素直な部分もある。しかし家に得体の知れないものがいたり、それが人間を食ってしまっても気にしない。幼さがまだ残っているのに冷徹が既に垣間見えている。この男がなぜ死後も恐れられるようになったのか…。
    読み終わってシリーズあるなら読みたいな…と思いました。まんまとハマりそうです。

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    2025年10月23日
  • 木山千景ノ怪顧録

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    夜行堂に欠かす事の出来ない悪の傑物、木山。

    が、
    その彼の根幹にあるのが、己が生い立ちの不幸だったとは…些か拍子抜けした。

    しかも自らの野望の為、彼が師事した帯刀は飄々とし浮世離れしてこそいるが、その実、折々に木山を気にかけ何かと交流を図ろうとしている。

    それら全てを袖にして、怨嗟としている姿には痛ましさすら覚える。
    猗窩座闇堕ちの契機ほどの事であれば、いざ知らず、自らにのみ終始する妬み嫉み怒りとは甚だ笑止。

    中二病か!

    それとも今後何かしらが…
    まぁ、あるのでしょう。

    それよりも
    10月発売の本編その7。
    帯刀、木山亡き世での
    彼らの弟子達の邂逅…若き見鬼と公務員コンビvs楸との

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    2025年09月28日
  • 四ツ山鬼談

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    【収録作品】囁く家/防空壕の声/ひそむ鬼/バス停の影/迷い鬼/でんしゃ/水浴びの音/会議室の声/潮の満ち引く海/簞笥の煤/ヤマから響く声

    実話怪談の体で語られている。
    怪談だから腑に落ちる解決はなくて、現実と地続きの怖さがある。

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    2025年09月23日
  • 穂束栞は夜を視る

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    世界観は夜行堂に通じるものはあるけど、些か粗いと思った。
    作者さんが執筆初期に書き溜めた作品なのか?

    最近続々と異なる嗣人作品のタイトルが出版されているが、肝心な夜行堂の7はまだなのかな?
    夜行堂でお馴染み、敵役の爺さんの若かりし日の奇譚を購入済なのだが、それより7が待ち遠しい!

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    2025年09月07日
  • 天神さまの花いちもんめ

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    【収録作品】
    春の章 一 東風梅香
    春の章 二 桜花慈酒
    夏の章 一 暑気宝来
    夏の章 二 珈琲天林
    秋の章 一 天地神明
    秋の章 二 秋思御衣
    冬の章 一 惟賀神年
    冬の章 二 六花慰撫
    四季の章 匂い起こせよ、梅の花


    祟り神だった道真と今のぽよよんとした道真と。八百万の神々のいじましい現世生活になんだかな感がある。

    コメディタッチで、事件らしい事件は起こらない。が、ドタバタしていていじましい。道真の過去が重みを与えるが、それだけで、私には合わなかった。
    江口夏実さんが漫画化したら、面白いかもしれない。

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    2025年09月02日
  • カナエトメイ 怪奇専門探偵事務所

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    オカルト探偵。女ふたりのバディもの。
    虹色の瞳で呪いを見る。ラノベっぽい。厨二っぽい。
    映像化に向いてる気がする。

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    2025年08月27日
  • 夜行堂奇譚 弐

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    前巻よりも心温まるお話が多く、怪異を通じて人の優しさや縁を感じられる一冊だった。千早と大野木のコンビも板についてきて、凸凹だけど信頼し合える、お互いになくてはならない関係に。ただ二人とも大怪我が多くて、この先本当に大丈夫なのかと心配になる。物語としても主要人物が出揃った印象で、続きがますます楽しみ。

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    2025年08月17日
  • 呪物怪談

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    怪談集らしい変な話、荒唐無稽な話も多いが、この本を読んで一つ発見したことがある。

    呪いなるものは理不尽で不条理であることがむしろ面白い。
    呪われる経緯があって酷い目に遭う話もあるが、こと呪いに関しては、そこに呪物があったから呪われたなんて交通事故めいた理不尽さがむしろ「呪いらしさ」を出すような気もする。
    祟り信仰的な心持ちだろうか。

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    2025年08月13日
  • 夜行堂奇譚 下

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    人が一番恐いというのを実感する程の人の悪意。上巻で読んだ話を別視点から描かれるとこうなるのか。思考回路が全く理解できずその事に恐さを感じる、危害を加えられた千早の姿に静かにブチ切れる大野木の姿が普段の様子から想像できなくて、でもなんか良いなと思える。

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    2025年08月13日
  • 夜行堂奇譚 上

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    隻腕の見鬼・千早とオカルト嫌いな県庁生安課・大野木が多発する怪異の解決に挑むバディもの。一つ一つの話は長くなく読みやすい。全く性格も考え方も違う2人が少しずつ絆が深まっていくのがなんか良い。いかなる時も職務を全うしようとする大野木さんがいい感じ。そして骨董屋「夜行堂」店主の正体とは。

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    2025年08月11日
  • 夜行堂奇譚 下

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    上下巻まとめての感想
    『夜行堂忌憚』は、「バディ×オカルト×怪談×謎解き」という好み直撃の要素満載。帯を見て思わず手を伸ばしてしまった。短編連作で軽快に読めるが、高校を舞台にした狗神による惨殺シーンは強烈で、小野不由美『魔性の子』を思い出した。『魔性の子』が中国由来の妖怪観を背景に異界の侵食を描くのに対し、本作の狗神は日本の民間信仰や祟り神の系譜に近く、土着的な恐怖を孕む。両者に共通するのは、人間には理解できない異界の理が日常を破壊する瞬間の不気味さ。軽い読み口ながら、異界観の比較という思わぬ深みを味わえた。

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    2025年08月11日
  • 夜行堂奇譚 下

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    上巻があまりに中二感満載だったので、
    下巻も買ってしまったから読んどくか…くらいの気持ちで読み始めたらノリに慣れたのかまあまあ面白く読めた。過去やこの先に繋がる登場人物たちもチラホラ出てきて話自体にエンジンかかってきたのかも。
    続刊も文庫化されていくと思うのでもう少し続き読んでみたくなった。

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    2025年08月01日
  • カナエトメイ 怪奇専門探偵事務所

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    面白かった。呪いの事件を解決する探偵事務所。普通に警察管轄でも怪奇事件を担当する部署があってという設定。家族を惨殺された過去をもつ元刑事。化け物に目を取り替えられた少女。2人のバディの関係が爽快。

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    2025年07月22日
  • 文豪は鬼子と綴る

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    大正時代の博多が舞台。
    人気作家・香月蓮と彼に見込まれて助手にされた中学生・瀬戸春彦のバディもの。
    キャラ小説として楽しく読めました。

    一部書店では嗣人先生の書き下ろし小説が読めるQRコードが付いたイラストカードが配布されたそうですね。

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    2025年07月21日
  • 夜行堂奇譚 弐

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    見鬼・千早と県庁生安課・大野木が怪異事件を解決するシリーズ第2巻。

    前作に続き、世界観が広がって面白かった。
    短編にいろんな雰囲気の話があって楽しい。
    子供の愛おしさの表現が良い(P536)
    「守母」と「追華」が好き。

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    2025年05月15日
  • 四ツ山鬼談

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    フィクションとして読むと物足りないけれど、ノンフィクションとして読むとありそうな感じ。あえて鬼談としているが鬼の描写は出てこない。あとがきで鬼とは誰のことだったのだろうとあり、私は今を生きる自分たちを指しているのではと思った。過去のことに関心なく、平和に生きている自分たち。被害にあった側から見たら無関心こそ鬼の所業となるのでは。

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    2025年04月07日
  • 夜行堂奇譚 陸

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    【収録作品】序/帰郷/蓮乗/失墜/応報/狂信/昏迷/猫酒/妄終/御所/子声/魔性

    桜千早と大野木龍臣のバディもの。
    強大な敵・鷹元楸が新興宗教の教団を乗っ取り、桜と大野木が対峙する。
    物語も佳境に入り、不気味さが増す。

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    2025年04月06日
  • 天神さまの花いちもんめ

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    太宰府を中心に綴られる神様たちの話。
    人と同じように肉体を持って現代に生きている神様たちの生活が面白い。

    新しいものが出るたびに新しい神様がうまれるとかとても日本的。

    全体的に神様が人の幸せ願いすぎててそんな手厚いことある?とは思うけど、優しい世界なのでまあいい。

    それだけに菅原道真が天神になった物語部分は読んでいてなかなか辛かった。
    年表部分は淡々としているだけにより怨みの深さが滲んでくるというか。
    めちゃくちゃ長いこと祟ってるもんなぁ。
    廟作っても追贈しても祟り続けてるの当時の身に覚えあった人たちはさぞかし怖かっただろうなちょっとざまあみろとは思った。

    他の神様バージョンも見てみた

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    2025年04月05日
  • 天神さまの花いちもんめ

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    菅原道真の生涯を改めておってみると、しんど…てなるね。そしてあの死者の多さ、そりゃ祟りって言われちゃうね。

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    2025年03月15日