嗣人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ世界観に慣れたのか下巻の方が面白くて楽しめた。
短編だから読みやすいし話によって千早視点と大野木さん視点とそれ以外の視点とで見方が変化するから飽きない。
上巻では店主の得体の知れなさやヤバさといったものがいまいち少なかったけど「忌檻」でちょっとそれが露出されていて良かった。
あと下巻では大野木さんのブチ切れという名の大活躍もありバディ感が強まって今後の展開がより面白そう✨
文庫書き下ろしの最後の「千尋」はしんどかった…上巻では「いじめられた末に自殺した子」でしかなかったけどこの話で「千尋ちゃん」の輪郭がはっきりしたから余計辛い…お母さん想いの良い子やん…(;_;)
でもどの話でも悪い奴はちゃんと因果応報で痛い目見るか死んでるからその点は良かった。ざまあみそ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ事故によって右腕を失った代わりに怪異が見える能力を得て、夜行堂の使いぱしりをする桜千早。
県庁生活安全課特別対策室の室長に任じられ、霊が見えないながらも自身のできることを実直にこなす大野木龍臣。
大野木の家に千早が居候を始めたことで相棒として本格的に怪異に相対することになる。
「夜行」:頭では理性ではそっちと分かっていても、心では感情ではこっちだと動いてしまう。自分の損得より、相手を思って行動できる千早の性格が分かる話。
「翡抄」:3日もみれば頭がおかしくなりそうな悪夢。それを6日連続で見ても正気な彼は精神力が本人が思っているよりも強いと思う。結果的に夜行堂店主に救われるが、彼は運が悪いのだろうか、良いのだろうか。
「狂歌」:戦争によって人生が狂い、死後まで苦しんでいる。あくまで物語の中の話だが、現実では原爆投下から81年、世界は平和からまだほど遠い。
「忌檻」:井の中の蛙大海を知らず、触らぬ神にたたり無しだ。
「穢向」:上巻の洩呪の依頼人・遠野里香の目線から見た世界。どこまでいっても変わらない、変われない人もいる。残酷なことにそれは事実だ。
「紫眼」:見鬼の彼女は察しが良い、何事も引き際が肝心だと理解している。
「惡會」:千早の意地とプライド、大野木のポテンシャルの高さと千早への愛を感じた。
「千尋」:上巻の洩呪の自死した虻川千尋の目線から見た世界。誰も恨まず、誰も憎まなかった彼女。誘惑にも負けず、自分を貫いた彼女。決して弱かったからその道を選んだわけじゃなかったと思う。
上巻からいろいろな意味で怖かったが、下巻もそれは相変わらずだった。
今回は上巻と下巻で繋がった話があり主人公が違うと、こうも違うのかと楽しめた。
各話ごとに読み終わった後の感情がバラバラだ。喜怒哀楽をぜんぶ味わった。 -
Posted by ブクログ
以前読んだ『四ツ山鬼談』も怖かったが、
本作もそれに劣らず強い恐怖を感じさせる内容。
どちらも土着的な恐怖や
人の理解の及ばない領域を描いており、
読後に残る不穏さが共通している。
今作は福岡の山間にある、
禁足地を舞台にした連作短編集。
独立した物語でありながら、
それぞれが少しずつ繋がり合い、
読み進めるほどに土地に根付いた信仰や
因習の全貌が浮かび上がってくる構成。
文章は読みやすく、一気に読んでしまった。
もう一度読み返すことで細部に散りばめられた伏線や
ルールを追うことで、新たな発見がありそう。
派手な演出よりもまとわりつくような
土着信仰の恐怖を味わいたい人におすすめの一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ事件に巻き込まれて右腕を失った桜千早。実在しない右腕は怪異に反応する。
長身でエリートの大野木龍臣。見たことも経験もない怪異を担当する特別対策室の室長を命じられる。
桜が右腕を失うところから話は始まり、大野木と出会いバディを組み怪異に対応する話と言葉で説明すると淡泊だが、実際読むとなかなかに濃い話だ。
「殘仇」:桜の右腕を失い、能力に目覚めるきっかけの話。桜の人柄がこの話を読むだけでも分かる。誰かのために優しくも非情にもなれ。個人的には桜、よくやったと言いたい。
「掬魂」:大野木と桜が出会う話。こちらは大野木の人柄が分かる。真面目で堅実、怪異を信じてない。そういう人がそれを経験したらこうなるんだろうなーという予想通りだった。
「團詩」:自殺者の絶えない通称自殺団地。好奇心で首をつっこんで帰ってこれなくなるとは、元凶にも来ちゃった方にも、残念だったねくらいしか言うことない同情の余地なし。
「洩呪」:壮絶ないじめの上で亡くなった虻川千尋は生きることに未練がなかったのだろう。残された母親はいじめた生徒を、その親を、見て見ぬふりの教師を、守れなかった自分を許せなかったんだろう。ここまでのバッドエンドもなかなかない。
「叫禍」:思いこみによってどれだけの犠牲者を出したんだろう。同情する要素は1ミリほどあるが、自身と同じ苦しみを味わう親子を量産してるって性格悪いの次元越えてる。
「至双」:行方不明者の出るトンネルの調査。珍しく恐怖を感じない。それもそのはず話を通して帯刀老の紹介をされたのだから。
「酔う搖花」:遙か昔、人身御供のある時代。結末を変えることはできない。それでも、そこに至る過程を変えることで少しでも救いになるのならと行動した2人の覚悟を感じた。
立場を変えれば、見る人が違えば、その話は救いにも絶望にもなる。そういう1冊だった。
1話1話が短く、桜と大野木の性格も分かりやすく読みやすかった。
個人的には、帳尻あわせなハッピーエンドでなく、後味悪いバッドエンドがあるのがよかった。 -
Posted by ブクログ
※ネタバレあります
夜行堂奇譚壱からどんどん人間味ある話が増えているような気がします。
怪異と言っても、小さい頃出会った不思議な出来事とか、今思えばあれってなんだったんだろうみたいなものも、この夜行堂奇譚の話に通ずるところがあるような気がします。
『追華』
心が少し温かくなりました。
道中は怖かったけど…
なんかこう、千と千尋の変な世界を思わせるような、そんなイメージが湧きました。
『穢瘡』
この話に出てくる呪いはかなり怖かったです…
描写もグロくて気持ち悪いです。
人の悪意から生まれた呪いで、刑事さんたちも出てくるので、現実の中に起こる怪異が浮き彫りになっていてより気味悪かったです。
『黒偉』
やはり古い骨董などにはそういったものが宿っていることもありますよね…
『驟雨』
夜行堂壱で出てきた(たしか)楸がかけた呪いの話でした。
今回いちばん気味の悪い呪いでした。
この話はあまり好きではないけど、夜行堂の店主が助けてくれたのは面白かったです。
千早が力を使いすぎてる描写があったりして、この先が心配です。
『水石』
なんだか不思議な話でした。
本当にこんな水の涌く石があって、それで川ができていたとしたら面白いなと思いました。
いろんな選択肢があるけど、どれを選んでもそれで世界は回っているんですよね…
『鼓花』
千早と大野木さんが一緒に夏祭りに行き、怪異に出会う話。
この話が一番好きでした。
2人が同居してる描写も面白いし、2人で夏祭りを楽しんでるところの掛け合いも楽しかったです。
怪異に出会うけど、あっさり戻れたので良かったです。
『夜葬』
帯刀老の葬儀の話でした。
帯刀老亡くなっちゃったんだ…
すごい葬儀でした…
少しほろりと悲しくなりました…
『門出』
これはなんの話だろうと思ったら、どうやら上巻の『守母』に関連してる?
これも心温まる感じでした。
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Posted by ブクログ
菅原道真が主人公?!と驚いたのですが、
とても面白かったです。
神さまだけど、人間に混じって生活している。
人間のように生活をしているけど、発言や行動がやっぱり神さまで驚きます。
神さまもワープできる?!と、それ以前に自社から出てるものなのだなあと思いもしました。
神々の子として生まれたもの、人から神になったもの。いろんな生まれの神がいると知り、なるほど…と歴史の勉強もしているようでした。
他の作品だと、1人の人間と仲良くなる神さまや、神使が人間と仲良く…などが多い印象ですが本作は神さま同士が人間界で仲良く過ごされてるのが印象的です。
また、自社の氏子の成長を見守ることをとても大切にされているのだなと感じました。お宮参りから老衰するくらいの年まで見守っていてくれるなんて、頼もしい神さまたちだなと思います。その一方で氏子を見守るとはまた異なるであろう、家電の神や珈琲の神という現代的な神さまがいるのも新鮮に感じました。
個人的には神使の鷽が可愛らしかったので、もっと登場してほしいです…!
嗣人さんは怪異系を書かれる印象があったので、ほっこり和風ファンタジーも書かれていたのだなと驚きました。すごく好みな作品だったので3巻も出るのかしらと楽しみです。 -
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ネタバレ菅原道真が主人公?!と驚いたのですが、
とても面白かったです。
神さまだけど、人間に混じって生活している。
人間のように生活をしているけど、発言や行動がやっぱり神さまで驚きます。
神さまもワープできる?!と、それ以前に自社から出てるものなのだなあと思いもしました。
神々の子として生まれたもの、人から神になったもの。いろんな生まれの神がいると知り、なるほど…と歴史の勉強もしているようでした。
他の作品だと、1人の人間と仲良くなる神さまや、神使が人間と仲良く…などが多い印象ですが本作は神さま同士が人間界で仲良く過ごされてるのが印象的です。
また、自社の氏子の成長を見守ることをとても大切にされているのだなと感じました。お宮参りから老衰するくらいの年まで見守っていてくれるなんて、頼もしい神さまたちだなと思います。その一方で氏子を見守るとはまた異なるであろう、家電の神や珈琲の神という現代的な神さまがいるのも新鮮に感じました。
個人的には神使の鷽が可愛らしかったので、もっと登場してほしいです…!
嗣人さんは怪異系を書かれる印象があったので、ほっこり和風ファンタジーも書かれていたのだなと驚きました。すごく好みな作品だったので3巻も出るのかしらと楽しみです。