嗣人のレビュー一覧
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ネタバレじめっとした怖さだった。「死んだら山に帰る」福岡の田舎の山岳信仰とそれに巻き込まれる人々の話。それぞれの話で信仰の一部が垣間見ることができますが、全貌ははっきりしない。まさに霧の中というやつです。じんわり近づいてくるが、結構アクティブな怪異です。
一周目はただただ気味の悪い話であったが、二周目からは細部を読むと少しずつルールが見えてくる。
前の話に出てきた人が別の話でメインで登場したりと、話が地続きになっているところも怖い。
村人には役割があるようだ。贄は次々に亡くなるから子供を多く産まねばならない。そのため、外部から相手を見つけて囲わねばならない。またくじ引きという役割分担もあるようだ。あ -
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文庫化するんかい!
元々の本の後書きで、文庫化は出来へんやろみたいなニュアンスのことを書いていたので、元の本を買い漁ったのだが、まさかの文庫化……。そりゃそうだよね、京極夏彦が文庫で出るんやもん。大概のものはできるよって思ってた人は何人かいると思う……。
さて、それはさておき本の感想を。
霊が見える青年-桜千早と、公務員の大野木が霊とそれと関わる人々との物語。
読みやすい……圧倒的に読みやすい!!!元の本と比べて時系列が整理されているため初めての人にも入りやすい並びになっている。もとの作風が好きな人には不評なのかな?2人のキャラクター性がわかるエピソードから始まるので、スっと世界観に馴染むこ -
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くるたんさんの本棚からです。
くるたんさんありがとうございます!
時は文明開化の明治時代をへて、文化が花開いた平和な大正時代。
舞台は博多。
文豪の青年、香月と、自らを鬼子と蔑む十四歳の少年、春彦が物語の主人公です。
作者あとがきにもありましたが、この時代の少年の精神年齢の高さには驚きました。
十四歳とは思えない春彦。
二人は堅粕町のバラバラ殺人事件を調べ始めます。
そこで人の死ぬ日時を言い当てるという占い師に出会います。
占い師は千代という十六歳の巫女で、同じく巫女の姉、八重を捜していました。
二人は千代と一緒に八重を捜そうとしましたが…。
この作品はタイトルからいって、私の -
Posted by ブクログ
曰く付きのものが集まる夜行堂で
起きる妖しい物の怪のお話かなー
(ほのぼのな感じの)
と思ってましたが、結構スプラッターな表現も
あり、びっくりしました!
あと、生きてる人間の行いが1番恐ろしい!
事故で片腕を失ってから見えないものが視える
主人公千早と市役所で曰く付き案件などを解決する
課に異動させられたオカルトは信じない大野木。
ストーリは、短編ものと連作のものも混ざる感じで、最初は読み進めにくいかなとも思いましたが
読み進めるにつれて次第にのめり込む作品でした。
心霊や曰く付きにしろそこには人が人に対して悪意を持って行ったことが原因となりその場所に渦巻く
憎しみや怒り、悲しみが強