清志まれのレビュー一覧
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25編のショートショート集で、ちょっとした時間にも読み進める事ができて楽しかったです。
全て『だから捨ててと言ったのに』の一言から始まり、そのあとは作者さんによって推理物になったり、ホラーになったり、感動物になったりと、ショートショート集なのにとても読みごたえがありました。
知っている作家さんの作品には作家さんらしさが出ていて楽しめました。初めての作家さんの作品もあったので好みの作風の作家さんの他の話も読んでみたくなりました。
このショートショート集をきっかけに読書の幅が広がりそうです。
今回は第四弾目とのことで、前作も読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレショート・ショートなので、一編が8ページくらい。その短い中で背景をぼかしつつも確信に迫る書き方してたりするものもあり、うまく咀嚼できないまま終わったものもあり、でも面白い短編集だった。
始まりが不穏なので、大体不穏な話が多い中、最初から最後までハッピーに終わる「切れたミサンガ」が好き。
人でも殺したんかと思いつつ、同じ格好ときたのでSFかと思ったら 笑
安定のホラーの「こわくてキモくてかわいい、それ」も好き。
それが不気味だけど、主人公が見下されてることに気付きながらも知らないふりして難を逃れてて、性格悪い私はざまみろと思ってしまった。
「久闊を叙す」も良い。
こんな形で、我が友李徴子を読むとは。新鮮な感覚だった。 -
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
「待つ」ことでしか、進まなかった人生がある。
今は古びた平成初期の新興マンション。 その一室に、ひとりの年老いた男が、孫とともに住んでいた。
男が訥々と語る、心温まる、この部屋の思い出。
孫はここで、ずっと母を待っている。
この部屋に残された母の愛に囲まれて。
しかし、男が語る思い出はすべて“嘘”だった。
かつてこの男は、とある幼い兄妹から、この部屋を奪った。
男には、そうしなければならない、痛切な理由があったーー。
風吹く部屋で、ずっと誰かを待ち続けた、ある家族と男の物語。
水野良樹(いきものがかり)が筆名で描く、渾身の書き下ろし小説。
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いきものがかりのメンバーである水野良樹(筆名:清志まれ)による作品。
とても丁寧に書かれていて、文体も綺麗、比喩もしっかりしていると思う。
ただその破綻のなさが、時に優等生的で、どこか面白味に欠けるようにも感じた。あるいは借り物めいた印象もあり、清志まれの個性が希薄な印象を受けた。
それでもそんなことがどうでもよくなるほどに面白く、心に残る作品だった。
謎解きのような展開は少しまどろっこしく感じたものの、先へ先へと読ませる推進力があり、最終的に本当の悪人は登場しない点も心地よかった。最後は久しぶりに本を読んでちょっと泣きそうになった。 -
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作品紹介・あらすじ
こんなことになるなんて!
1行目は全員一緒、25編の「大騒ぎ」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第四弾。
*****
25編からなるショートショート集。
Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第4弾とのこと。既に第3弾と第6弾は読み終えた。
最初の一文は必ず「だから捨ててと言ったのに」で始めなければならない、という括りがある。
他のシリーズと同様に玉石混交。ただ他のシリーズよりも本書の方が面白い作者が多かった。ただ、飛び抜けて面白いというわけではなかった。
以下が面白かった作者。
須藤古都離
黒澤いづみ
岡崎隼人
砥上裕將
清志まれ
舞城王太郎
高田崇史
背筋
多崎 礼
谷絹茉優
夕木春央
最果タヒ
このうち清志まれはいきものがかりの水野良樹のペンネーム。谷絹茉優はChevonというバンドのヴォーカリスト。ミュージシャンが二人参加している。
上記の中では砥上裕將と夕木春央が特に良かった。歳を取ると、こうした小さな感動話に思わずウルっとしてしまう。そして最果タヒの文章。詩人だからなのかもしれないけれど、とても心に響いてきた。 -
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短編なのでサクサク読めた。
今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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↓読んだ中で印象に残ったもの。
●良い話
砥上裕將『母の箪笥』
金子玲介『恋文』
●じわじわ来る系
潮谷験『無理解』
五十嵐律人『累犯家族』
背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』
●設定の世界観が独特
黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
舞城王太郎『食パンと右肘』
多崎礼『海に還る』
麻耶雄高『探偵ですから』
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個人的には、金子玲介さんの『恋文』が一番馬鹿っぽく軽いテイストが面白かった。
また、多崎礼さんの『海に還る』は短編の設定にしては面白い。短いから逆に良かったのかな?
潮谷験さん『無理解』と、五十嵐律人さん『累犯家族』は、表題テーマらしいイメージ。 -
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人気アナウンサーの桜木雄平。
仕事は好調、現場での信頼も厚く、
元女優の妻との間に一人息子を授かる。
誰もが羨む成功物語。
幸せとしか形容できないほどの。
ただ彼は幸せに「なってしまった」
幸せであることが桜木雄平を形作ってしまった。
桜木雄平は幸せでなければならない。
「桜木雄平」という着ぐるみを着せられた桜木。
彼は幸せのままで、死ぬことを選んだ。
「桜木雄平」として死ぬことを選んだ。
彼は幸せだった。
幸せな人生を歩んだ。
でもそれは彼の一面でしかない。
桜木は凡庸な男だった。
そんな凡庸な男を愛した人たちが確かにいた。
でも、
幸せのままで、死んでくれ
そう世間が望むから、
桜木雄平は最後まで「桜木雄平」だった。