横道誠のレビュー一覧

  • 創作者の体感世界~南方熊楠から米津玄師まで~

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    南方熊楠の歴史的検証に触れて他の批評に興味を持ち。

    大凡は名前を存じている作家群を、発達障害の当事者批評として読み解くといったもので
    一部「名前だけは」といった対象については肉付けとしての批評が覆いかぶさり、それ以外でも牽強付会に過ぎないかといった面もあるが
    文芸・サブカル批評の一つの指針としては興味深い。

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    2024年03月24日
  • 当事者対決! 心と体でケンカする

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    まず、タイトルと表紙の虎がすごくいい!
    おふたりはそれぞれ自分の心や体に困ってる“当事者”だけれど、困りごとの種類や状態、対処法も全然違う。そんな真逆のふたりがお互いにインタビューし合うことで理解を深めながら見えて来た世界とは?横道さんの発達障害の説明はわかりやすく(時には過剰なほど詳細だけど)編集者が大胆に再構成し大幅に短縮した、とのことで一冊丸ごと読み易いのに読み応えあり。

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    2024年03月21日
  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ

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    横道氏の書をはさみ、斎藤環氏とケア倫理を絡めた小川公代氏の対談を中心に当事者研究とオープンダイアログ、そしてケア倫理の関係を対談なので、わかりやすく、縦横無尽に語り尽くす。最後に頭木弘樹氏、村上靖彦氏の対談でしめるなんとも贅沢な対話集であった。印象に残った言葉を二、三。倫理的であることが治療的である。人間の尊厳、自由や権利を尊重していくことで結果的に回復が起こる。知は権力で、権力が生まれると上下関係が生まれる。ケアラーが弱さを共有していないとケアはせいりあしない。中井久夫氏とケアの倫理の親和性についての論考も面白かった。

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    2024年03月17日
  • 創作者の体感世界~南方熊楠から米津玄師まで~

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    書店でなんとなくタイトルから気になったので購入。所々強く共感する部分があり、こういった本をあまり読まない自分もサクサク読み進められた。創作を志すひとにはオススメ!

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    2024年03月14日
  • 唯が行く! 当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記

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     発達障害関係の本を漁っていて、辿り着きました。読み始めると主人公、唯の躁的な熱狂具合に引き込まれていきます。唯の成長に、合わせて「当事者研究とオープンダイアローグ」の内容を深めていけました。合間に講義があり、難解ですが、それも読み進めることが出来ました。
     最後に、唯のゲームブック(唯のその後が何パターンも書いてある)を全部読んで、逆に寂しさが募ったのは、私だけでしょうか…?

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    2023年07月20日
  • 唯が行く! 当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記

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    主人公の唯を含め、登場人物が魅力的です。

    オープンダイアローグや当事者研究のポイントが、ストーリーの中でわかりやすく描かれていると感じます。

    わりと淡々と物語は進みますが、読み手の想像力をかき立てるような面白さがあります。

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    2022年04月20日
  • 唯が行く! 当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記

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    自閉症の著者が双極症(未満)のヒロインを主人公にして紡いだ不思議な自助グループ・エスノグラフィー。内容盛りだくさんだけど、ぜんたいに静かな印象で、これが自閉症なのかとハッとさせられる。へたうまスタイルな挿絵は毀誉褒貶だと思うけど、自分はかわいくて好き。値段は高いです

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    2022年03月27日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    これは面白い。確かに、、と思わされるのが、「快楽のために依存」するわけではなく、「回避のために依存」する、という点。何かの苦しみから逃れるために依存してしまう。これは目鱗、、

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    2025年12月07日
  • ある大学教員の日常と非日常

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     ムーミン本『なぜスナフキンは(以下略)』がきっかけで横道誠さんを知った。発達障害の当事者研究なるものをしているという。文学研究者でもある。高野秀行さんと対談などもしている。興味を持ったのでいろいろ著作を読んでみたいと思った。
     高野さんによる書評が面白かったので、この本を選んだ。「障害者モード」という言葉が気になったのも選んだ理由のひとつだ。

     「障害者モード」については、障害を抱える自分を受け入れて生きる、ということだと理解した。でもそれは、何かを諦めるとか、不遇を甘受するとか、そういうネガティブなことではなく、「ああ、自分は今こうなんだ、それならこうしよう」と前に進むための心構えなのだ

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    2025年10月31日
  • 当事者対決! 心と体でケンカする

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    心で困っている人と体で困っている人の往復インタビュー本

    ケンカする、とは随分物騒だが、読み進めるとなるほどと思うし最終章でその芯についても語り合っている

    お二方の人柄か、インタビュー形式ということもあってかとても読みやすかった。他人への攻撃性があまりないからかもしれない。男性同士で集まるとありがちな女性蔑視や女性を使ったマウンティングも無いので落ち着いて読めた。それぞれが抱えている問題の影響なのか、男性・女性もそうだが、世の中の物事に対して過度に肩入れせずにとてもフラットに見ている印象がある。

    手をもう一本生やすのは無理だとわかっているのに、心は変えられるという認識が世間にはある、という

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    2025年10月14日
  • 京都の人ってなんであんな感じなんですか?

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     著者の横道 誠さんは、1979年 大阪市生まれで、京都大学・大学院で学び、京都府立大学に職を得ました(現在、准教授)。京都に25年以上暮らす中で感じた京都人や京都への思いを綴っています。

     京都中心主義とも言える考え方や歴史観を挙げ、大阪府や関西の他県人に対する優越感の理由や、丁寧に言えば言うほど皮肉が強くなるというイケズな物言いなどについても解説しています。

     32回にもわたるフィールドワークで著者が撮影した写真が豊富に取り入れられていて、京都の名所や名物、歴史がよく分かります。
     昨今、いつ行っても込み合っている京都なので、行かず(行けず)に、本書で京都について知るのもよいかもしれま

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    2025年10月13日
  • 当事者対決! 心と体でケンカする

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    発達障害の当事者である横道さんと、潰瘍性大腸炎の当事者である頭木さん。
    それぞれの生きづらさについて2人が互いにインタビューをし合ったものをまとめた一冊。

    タイトルに「対決」「ケンカ」といった言葉が並ぶが、意見を戦わせるような内容ではない。
    むしろ対話をするなかで、自身の生きづらさを再確認し相手の生きづらさを知っていくような内容だった。
    それによってお互いの共通点や相違点が見つかっていき、個人の話から社会の話へと広がっていったように感じた。
    自分自身読んでいて、共感できるところや、想像しなかった生きづらさについて知れたことがあった。
    特に印象的だった話の1つは頭木さんの、ほんとうは対応できる

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    2025年09月24日
  • 創作者の体感世界~南方熊楠から米津玄師まで~

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    はじめに書かれている「逆病跡学」あるいは「健跡学」というアイデアは、本書全体を通じてもちょっと分かりにくかった気がする。病であること、すなわち診断に裏打ちされていることにこだわらず、発達障害の特徴を作品や資料から見出す営みということでいいんだろうか?

    内容は各章が短くまとまっていて、読みやすい。短いこと、まとまっていることが良いのではなくて、飽きない感じがする。文章が回転している感じがするのだけど、なんでだろう。そういえば小見出しが(一)(ニ)となっている、こういう反復性のなす効果だろうか。いずれにしても、この作品もまた創作者の体感世界が映し出されている

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    2025年09月06日
  • アダルトチルドレンの教科書

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    会話形式で進み読みやすかったです。途中少し難しくて理解できないところがありましたが、最後まであっという間に読んでしまいました。

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    2025年08月14日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存症というものは私にとって遠い存在で、当事者の人々がどんなことを考えたり思ったりしているのかの一端を知ることができて良かった。

    「はじめに」で松本俊彦さんが「個人的には、人が健康に生きるためにはある程度の不健康が必要なのだ、と声高に叫びたいくらいです。」と書いているのが印象に残った。健康な方が絶対いいじゃん、として一蹴するには重たい気がして。また、人が薬物依存になるのは、快感ではなく苦痛の緩和の効果によるのでは、というのがとても腑に落ちた。それを踏まえて考えると、依存症の人を頭ごなしに叱りつけることなんかできないよなと思った。

    「私がオークションの入札に夢中になっているあいだ、私は確実に

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    2025年08月09日
  • 発達障害の子の勉強・学校・心のケア~当事者の私がいま伝えたいこと

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    「こうあらねばならぬ」という呪縛から解き放たれて(「こうあらねばならぬ」ことを諦めて)、自分に合った生き方を見つけたら良いと優しく語りかけてくれる本。

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    2025年08月06日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    こちら、タイトルを見て「うん。やめられないよね」と思って気になって読んだ本です。酒もたばこも。

    依存症に関しての一冊だったのですが、これが本当に興味深くて興味深くて。「はじめに」で松本俊彦先生が「あまりにも大胆な、横道さんの「心のパンツ」の脱ぎっぷりでした」と書かれていて、どういうこと?と読み進めて言ったら、もんのすげぇ大胆な「心のパンツ」の脱ぎっぷりでした。それほど横道誠さんは色々開示してくださっていて、そこから展開されていく依存症の話がとても面白かったのです。
    また、二人共文章の雰囲気が違うのがとてもよくて、テンポよく読めました。

    この二人の往復書簡「ヘイ!マコト」「ヘイ!トシ」から始

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    2025年08月03日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    ネタバレ

    依存症に関する往復書簡。往復書簡というものに慣れてなくてどうも上滑りして読むのに苦労したのだけど(著者ではなく読み手の自分のせい)、とても面白かった。

    依存症について、知っているようで全然知らなかったんだなということが多かった。例えば、違法薬物を使用したとして依存症になる人はその中の1割だとか、セックス依存症や買い物依存症は病気として正式な認定がされていないとか。とくに前者は、「薬やめますか?人間やめますか?」で薬物の恐ろしさを散々テレビ番組等で刷り込まれた人間としては驚き。酒だって飲んでる人全員がアルコール依存症になるわけじゃないでしょ、と言われてもやはり薬物は違うのでは?とこの本を読んだ

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    2025年07月30日
  • 発達障害者は〈擬態〉する――抑圧と生存戦略のカモフラージュ

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    発達障害者のインタビューが載っている。
    ある方が、みんなに発達特性があるんじゃないかと思う、と言っていたのが印象的だった。
    日常生活における社会的な関わりの中で支障をきたすこともあるが、自分の心地良くいられる場所を探して移動していくことが大切だし、それは発達障害者でもそうでなくても同じなんじゃないかと思った。
    社会で生活するために大切なことはあるけど、みんなが居心地良く生きれる社会になればいいなと思った。

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    2025年07月16日
  • 当事者対決! 心と体でケンカする

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    往復書簡のような対談集。それぞれの悩みの質も内容もちがうが、生きていく上で、何にぶつかり、何によって沈んだり前に進んだりできるのかが、具体的で手に取るようにわかった。

    私は就職氷河期というレッテルから逃れられずに未だ職探しの渦中である。ちょうど2ヶ月前に入院手術と自宅療養を経験してから、本当にこれからも職探しを続けられるのだろうかと暗い気持ちになっていた。貧・病・争と共にこれからも生きられるのだろうか。できれば生きたい。

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    2025年07月07日