【感想・ネタバレ】京都の人ってなんであんな感じなんですか?のレビュー

あらすじ

京都に25年以上暮らしながらも「自分の街」と感じられないわだかまりを抱えた著者が、
京都の地理・歴史・文化とそこに暮らす人たちの気質を読み解くガイド的エッセイ。
京都の人の「都」への思い、京都中心主義、周辺の府県との関係、
観光大国日本の中での立ち位置などを鋭い視点で浮かび上がらせながら、
平安時代~幕末までの歴史的事件や重要人物に関する場所、
難読地名、食文化や言葉なども解説し、京都の魅力と近寄りがたさを多角的に描いています。
32回のフィールドワークで撮影した写真も多数掲載!

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Posted by ブクログ

 著者の横道 誠さんは、1979年 大阪市生まれで、京都大学・大学院で学び、京都府立大学に職を得ました(現在、准教授)。京都に25年以上暮らす中で感じた京都人や京都への思いを綴っています。

 京都中心主義とも言える考え方や歴史観を挙げ、大阪府や関西の他県人に対する優越感の理由や、丁寧に言えば言うほど皮肉が強くなるというイケズな物言いなどについても解説しています。

 32回にもわたるフィールドワークで著者が撮影した写真が豊富に取り入れられていて、京都の名所や名物、歴史がよく分かります。
 昨今、いつ行っても込み合っている京都なので、行かず(行けず)に、本書で京都について知るのもよいかもしれません。

 京都が好きな方にも、京都が苦手な方にも、京都(洛中・洛外問わず)の方にも、小京都と呼ばれる場所に住んでいる方にも、オススメします♡

〔目次〕
第一章 京都ってこんな土地なんだぜ 
●大阪の少年、京都に驚く 
●京都イナカモンズクラブ 
●KPのイケズ
  【対話】京都観光のベストシーズンは? 
●東京は「East Kyoto」か 
●臨時的な首都
  ●かつてあった日本分割統治計画 
●京都は大阪の衛星都市か 
【対話】中心は京都駅?御所?
●平安京の前にあったもの 
●京都市の区分けは「京」の取り合い
●京都は原爆投下の第一目標だった
 ●京都大学のある左京区は魅力たっぷり

  第二章 京都をぐねぐねと歩きまくる
  【対話】京都のメインストリートってどこ?
  【対話】神社仏閣で珍しいものを見たい!
  ●京都人は金閣寺に行かない
  【対話】苔寺、枯山水で詫び寂びを味わいたい! 
●祇園をぶらぶらするなら 
●シーズン・オフの嵯峨・嵐山の楽しみ方 
【対話】京都人にも難読の地名は?
 ●京都で「銀座」観光
  【対話】京都のゾッとするスポットはどこ?
  【対話】「ここぞ!」という穴場を教えて 

第三章 歴史的名所を偏愛してならない人のために
  ●平安時代ファンにいちばんお勧めできる場所はどこ? 
●源平合戦ファンにいちばんお勧めできる場所はどこ? 
●戦国時代・安土桃山時代・江戸時代初期ファンにいちばんお勧めできる場所はどこ?
 ●幕末ファンにいちばんお勧めできる場所はどこ?

  第四章 文化的伝統の粋を味わう 
●京都に来たら食べてほしい
 ●覚えておくとトクする京ことば 
●現代人でも押さえておきたい伝統習俗 
【対話】西陣織は一般人にも買える?
  【対話】京都は観光大国を目指す日本の希望ですか?

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

京都の人のイメージといえば、いけず、京都中心主義、伝統文化など自らが貢献せずとも誇っている、、といったなんとなく付き合いづらいものがあります。ただ実際の京都は夏は暑く冬は寒い、地下鉄は2本しかなくてバスが混んでいる、何とか通り何条上がる下がる等の住所が分かりづらい、、結局自転車が一番便利なローカルだったりします。京都のイメージといえば宇治茶やおばんざいですが、実はコーヒーとパンの消費量が日本一だったりもします。

京都は洛内のことを指し、それは秀吉によって定められたと言われます。しかし天下人としての秀吉が居住したのは伏見で、洛外に当たります。歴史的にみても京都は度々荒廃し、公家や寺社と貧民が隣り合う格差の大きな場所でした。いまは観光名所になっているようなところも実は死の影があり、表立って人を呼ぶ場所ではないのです。

著者は文学者として京都に四半世紀も住みながら、未だに京都人と自認できないジレンマを抱えつつ、改めて京都の良さをフィールドワークを通じて探しています。京都の魅力の大半は、実は洛外の四季や食といった周辺環境から供給されており、その目利きこそが京都人のプライドでもあります。

決して高いから良いわけではなく、安くとも長持ちするようなシンプルなものを好み、質実剛健な暮らしの中で侘び寂びを見つけるといった、京都人のこだわりはやっぱり外から見ると分かりづらいことこの上ないですね。一見するといけ好かないですが、懐に飛び込んでみれば面白い生態が見られるかもしれません。

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2025年09月28日

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