横道誠のレビュー一覧

  • なぜスナフキンは旅をし、ミイは他人を気にせず、ムーミン一家は水辺を好むのか

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     「〜これまでよりじぶんらしくあることができるようになった、つまり安心して「自閉」し、思うぞんぶんじぶんの世界を楽しんでいられるようになったということではないでしょうか。」という一文が印象に残った。つまり、『自閉症は津軽弁を話さない』の時に違和感とともに感じた、“自閉的すなわち生きづらい”という前提が、ムーミン谷にはない。
     ニューロマイノリティとニューロマジョリティ、ニューロダイバーシティという言葉を初めて知った。「他者にシンクロしづらい」「自分に対する関心の集中」などの「自閉」的な特徴を、ネガティブなものとして語っていない。だってそのように自分が存在してるなら、しかたないものね?
     ムーミ

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    2025年10月20日
  • もしもこの世に対話がなかったら。 オープンダイアローグ的対話実践を求めて

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    対話の中で、相談者の抱える悩みがリフレーミングされる。問題に別の所から光が当てられ、相談者に届く。オープンダイアローグ的対話実践、面白い。

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    2025年08月23日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存がどうして起こるのか、どのように抜け出せるのか。大変勉強になった。

    ⚪︎イギリスのアルコール依存の人に、アルコールを少しと健康的な食事を提供することで、少しずつ健康にさせていく。
    ⚪︎やってはいけないのは、薬物依存などの人を村八分にしてしまうこと。
    ⚪︎何かに依存することでなんとか今の苦しさから耐えている、ということ。
    ⚪︎有効なのは、同じ経験を持つ人たちとの緩やかなつながり。

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    2025年08月10日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    タイトルの二人による往復書簡。
    松本俊彦さんの依存症に関する専門家としての知見は自分には新鮮で、依存症に対する「本人の意思の弱さ」的なステレオタイプを覆されて目から鱗の連続だった。

    ・人は皆何かしらに依存している弱い生き物
    ・依存性薬物使用経験者のうち依存症の診断基準に該当するのは1割程度。人間は飽きっぽい動物。どんな気持ちがいいものでもすぐに飽きてしまう。「一度やったら人生終わり」は大げさ。
    ・薬物、ゲーム、ギャンブルに執着する人たちは快感からではなく苦痛の緩和からそうしている。快感は飽きるが苦痛の緩和は飽きない。
    ・「最大の悲劇はひどい目に遭うことではなく、ひとりで苦しむこと」。自助グル

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    2025年06月16日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    お酒を飲まないと笑顔で過ごせないがゆえにお酒をやめら…れなくはないけど(飲まなくても過ごせる)私と、煙草で借金をしてしまうくらい依存してる私の大好きな人。私たちを思って買ってみた本は奥が深かった。何かに依存をしないと生きれない自身や、大好きな人の心の深奥を掘り下げてみたい。

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    2025年04月12日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    ネタバレ

    思えばあの学生時代の勉強会と言い、私はかなり初期から依存症について近い場にいたと自負している。とはいえ、遠ざかってかなり経つというか、この本を読んで驚くことがたくさんあった。そりゃ何十年も経っているんだもの。変わるとこもあるよなぁ。特に『ハームリダクション』について。昔は断酒しかない、と学んだけど、量を減らして生き延びるという方法があるとは。そして依存症になるには育った家庭環境だったり、発達障害による生き辛さがあったり、自殺せずに済むために何かに依存して何とか生き延びているということ。やっぱこういう系の本も読んでいたいものだ。

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    2025年04月06日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    高橋源一郎が「飛ぶ教室」で紹介していたのが、面白そうだったので読んでみたのだが、大当たり!

    横道誠さんの壮絶な人生と、アディクションの数々。
    なんて困難な人生を生き延びている人なの!ということにまず衝撃を受ける。すごい衝撃。
    発達障害(自閉スペクトラム症と注意欠陥多動症などなど)と宗教2世、それに伴う心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症などなど。(まだ他にも)
    書きっぷりが堂に入っており、魅力的で引き込まれる。

    とにかく、横道さんの自己開示が凄すぎて、それがまずこの本の魅力。横道さんの人生が全て投げ込まれているのが本気度高くて面白い。
    横道さんと真っ向から勝負しなければならない松本さん

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    2025年03月11日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存症にまつわる話。
    具体的で新たな学びが多くて、おもしろくてスラスラ読めた。
    結構専門的な事象やケア方法にも触れてるけど、往復書簡の形を取ってるから、読みやすかった。

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    2025年03月06日
  • 発達障害の子の勉強・学校・心のケア~当事者の私がいま伝えたいこと

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    “じぶんの感情はじぶんであやすのが一人前のおとなとしての務めだ、などと言われることもありますが、どうしても気持ちが腐ってしまう場面はあると思います。てすから、過去と他人とじぶんの感情も、諦めの対象にすると、だいぶ楽になります。過去に関しては諦め、他人に関しても諦め、じぶんの起伏の激しい感情も諦めるのです。”(p.176)



    “発達障害の子どもは疲れやすいです。じぶんに合っていない環境から受けるストレスが、いつも蓄積しています。ぜひ、「じぶんの疲れ具合」をいつも気遣うように、教えてあげてください。”(p.147)


    これは本当に気をつけていこう。うちのASD児もものすごく疲れやすい。常に疲

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    2025年04月09日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存性に至るまでに、その人それぞれにとって様々な背景がある事。

    凄惨な虐待、いじめ、性被害、本人とってトラウマとなるような深刻な体験。
    または生まれながらの発達障害による生きづらさ、それに伴う二次障害。

    各々が複雑に絡み合いながら死にたい、消えてしまいたいという辛い気持ちを、それでもなお孤独にも自分自身で何とかしよう、問題に対処しなければという健気とも言える生きる為の行動が依存性と言えるのでは?と感じた。


    依存性の解決には依存対象を取り上げる事ではダメなこと。
    どうすれば孤独に対処し続けてきた当事者を孤立させずに支援していけるのか…。

    支援者、家族の在り方を何度も考えさせれる作品だっ

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    2025年02月08日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    面白い!かつ、中身が深い。
    自分には関係ないと思いがちな
    依存症や「正常と異常の間」が
    違う見え方をする

    困った人は
    困っているから
    救いを求めて依存症になるという
    指摘はなるほど、と思った。

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    2025年02月01日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存性の奥にあるもの。生きづらさにつながる傷を意識したい。ゆるくつながる事。ゆっくりと安全な方へ変化していくこと。

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    2025年01月07日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    本書の元となった往復書簡はweb連載時から“当事者、当事者家族、支援者、専門家を騒然とさせた”という。さもありなん!実を申せば、現時点で私自身が深刻な“やめられないとまらない”に悩んでいるわけではないが、それでも他人事とは思えなかったし、よくぞここまで言語化してくださったなと、おふたりそれぞれの“パンツの脱ぎっぷり”には驚かされっぱなしだった。そうか‥もしもの時は(いきなりパンツを脱がなくても)着膨れて動きにくくなってないか?わが身を振り返ってみることも必要なのかもしれない。
    本書が編集者Fさんの願いどおり‥いや、それ以上に依存症当事者やその家族の武器となると信じています!

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    2024年11月13日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    本書の元になる連載から多少は読んでいたが、まとまって1冊の本になって読むと、さらに二人の対談が生き生きとドライブ感を持って読めた。依存症対応の専門家ではない人にも一読してもらいたい。当然、依存症対応の専門家の人にも。当事者の生の声であったり、自助グループについても本当に意味での実際がわかるし。悪と言われている共依存のについての意見など、痒い所に手が届く話が多かった。

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    2024年11月04日
  • アダルトチルドレンの教科書

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    物語形式で語っている、アダルトチルドレンのための教科書です。私も毒親育ち(母親が毒親)なので当事者たちの苦しさに共感することばっかりでした。対話型自助グループによってアダルトチルドレンたちが救われていく姿は私たちのような立場の人たちが生きていく上で希望が持てると思いました。

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    2024年10月06日
  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ

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    「ケアの倫理」「オープンダイアローグ」「当事者研究」
    最近のわたしのキーワードが満載された本ですごく面白かったけれども、自分のなかではまだ体系化できてないなと思ったら「体系を構築すると権力志向が生まれてくる」という中井久夫の思想が紹介されていて(p.125)、じゃあもうしばらくこのままあれこれ読んでいくか……となった。

    興味を広げてくれるハブのような本で、これのおかげで2年前に録画したままになっていた「100分de名著」の中井久夫特集を一気見したし(「S親和者」がわからなかったので見たけど、中井自身のものと思われるエピソードがめちゃくちゃおもしろかった。本の背表紙を見ていると読んだ内容がすべ

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    2024年09月28日
  • 発達障害の子の勉強・学校・心のケア~当事者の私がいま伝えたいこと

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    発達障害を持つ立場から、感じてきたこと、試してみてきたことなどがわかりやすく紹介されています。

    バランスがほどよく、自分の感覚と合う部分は深く頷けたし、自分とは違うと感じる部分は「そうなんだ」と素直に納得できました。まるで隣でガイドしてもらっているような感じで読めました。

    当事者として、家族・保護者として、支援者として、友人として、いろんな立場から読める本なのではないかと思う一冊でした。

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    2024年05月25日
  • あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究

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    あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究。横道 誠先生の著書。宗教1世と宗教2世は大きな違い。宗教1世の世界と宗教2世の世界は大きな違い。自分の意志である宗教に入信するのは自由だし他のだれからも批判される筋合いはない。でも生まれながらにしてある宗教に入信することを強制されるようなことがあったとしたらそれはいつも正しいとは限らないし本人の意思が大切。宗教2世からはじまって結果として宗教1世になるのなら自由だし他のだれからも批判される筋合いはないけれど。難しい問題。

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    2024年05月03日
  • 当事者対決! 心と体でケンカする

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    頭木さんの文章は好きだし、横道さんも注目の書き手なので読んでみた。
    大変よかった。
    確かにインタビュアーとインタビュイーが固定だと、インタビュアーは(自分は安全地帯にいるのに相手のことに突っ込むのはどうかと思い)遠慮したり忖度したりしてしまう可能性がある。交代で役割を変えることによって、自分も突っ込まれる覚悟を持ってさえいれば、相手にも突っ込めるというわけ。

    特によかったのは、発達「障害」なのか?という日頃から抱いていた疑問に答えが出たこと。「発達障害」は行政用語で、障害ではなく「ニューロダイバーシティ」、つまり脳の多様性だという考えが90年代から出てきているらしい。かつては同性愛やトランス

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    2024年04月22日
  • みんなの宗教2世問題

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    エホバの証人の2世の方で、臨床心理士の資格を取り、スクールカウンセラーをされている方の言葉が、とても強く切実に響きました。
    ぜひ多くの人に読んでもらいたい本です。

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    2024年03月30日