あらすじ
自らも発達障害の当事者であり、自助グループを運営する著者が、当事者間では一般的ながら、支援現場ではまだ浸透していない発達障害者の〈擬態〉について11名にインタビュー。当事者の「生きた声」と「発達障害者の内側から見た体験世界」をリアルに伝える。
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Posted by ブクログ
発達障害者のインタビューが載っている。
ある方が、みんなに発達特性があるんじゃないかと思う、と言っていたのが印象的だった。
日常生活における社会的な関わりの中で支障をきたすこともあるが、自分の心地良くいられる場所を探して移動していくことが大切だし、それは発達障害者でもそうでなくても同じなんじゃないかと思った。
社会で生活するために大切なことはあるけど、みんなが居心地良く生きれる社会になればいいなと思った。
Posted by ブクログ
いかに、発達障がいを抱えている人が擬態して生活している様子がよくわかる。
これは、周囲からはわからない。社会をサバイブするために編み出されたのが擬態で、思っていることとは違う行動をできているのが結構すごいことぢゃないかと思ってしまった。
そして、登場する11人の方が人生を振り返って、どんなふうに頑張っていたのか、ここが特性だったなと振り返って分析しているのが定型発達より鋭い自己分析ができている気がする
Posted by ブクログ
同時並行で『創作者の体感世界』を読んでいて、「向坂くじらさん出てきそうな雰囲気」と思っていたが、こちらで取り上げられていて驚いた。
インタビュイーによる人生史の語りがあり、それに対して著者横道のコメント(注釈)が入るというリズムで構成されている。横道本としては馴染みのない(裏返すと加工されていないリアルの)文体を浴び、息継ぎのように横道の文章を読む体験になる。そのため横道作品としての読み応え、読み物としての面白さとしては『創作者の』の方が感じられた。
しかし、等身大の人生史を「文学研究」的に発達特性の文脈で読み込んでいく仕事の様は一見の価値がある。
Posted by ブクログ
発達障害者当事者が自分のことを語っている本はあまり読んだことがなかったので興味深かった。
全体的に、勿論過去大変なことがあった人も多く今も様々な問題があるのには違わないが、現在問題なく生きられている人、有体に言えば学歴や職歴が問題ない人の話が多く、それぞれの話に何か得られたかと言われると少し難しいような気がする。
著者によるそれぞれのインタビューについての注釈も、共感や理解が得られるようなものでもなく、引っ掛かりを覚える内容もあり、著者の感想でしかないなと感じた。
発達障害者がどのような擬態を行うのか、どのような擬態が必要になるのか、その傾向・対策等の内容を求めていたところがあるので、自分の期待とはまた違っていたというところだろう。