ヤスダスズヒトのレビュー一覧
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人間と怪異が暮らす桜新町のハートフルな日常が終わり、物語は王道のバトル漫画らしいシリアスな展開に突入。
シリウスの作品にしては台詞や演出が少し気障ったらしく感じたものの、各キャラクターの熱量がべらぼうに高いから、少年漫画のクライマックスを見ているような高揚感があった。東京全域に及ぶ広域読心、東京タワーを撃ち抜く列車砲の召喚、仲間のピンチで覚醒する恭助、そして今巻のトリを飾った龍槍「逆撫」……ヤスダスズヒト先生がイラスト畑出身の作家さんということもあってか、大ゴマで魅せる一枚絵がとにかく美しい。
1巻と2巻の”タメ”が最高な形で活きる第3巻だった。 -
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長かった。本当に長い旅でした。
前々巻から連綿と続く壮大な物語がようやく結末を迎えました。
総ページ数は1000を優に超え、今14巻だけでも626ページにも及ぶほど。
これで満足しないわけがなく、読後は達成感と充足感に満ち溢れています。
弟14巻だけで、3つの大きな柱の話からなっており、それぞれが長編として別冊になっていてもおかしくないくらいで、それをノンストップで3本立て続けに読めるのだから、それだけでも凄いことなのに、
それぞれの物語は、拙い語彙では決して伝え切れないぐらい怒濤の展開、絶望に次ぐ絶望で、それでも諦めずに戦い、友を想い、友を護る姿に胸が熱くなって涙を堪え、仲間たちみんなのレベルアップもしっかり描かれていて、主人公だけではないみんなで一緒に成長していく展開に、これから先の冒険が楽しみになる1冊でした。
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「疾風が人を殺した?」という、凄い謎を残して終わった前巻。
今作は、その疾風を追ってダンジョンに突入して、紡がれる新しい冒険と共に、とき解かれていく彼女の過去の物語。
それと同時並行して、突如ヒロインへと名乗りださせられたカサンドラとその予知夢が告げる絶望と厄災。
ベルにも大変なことが起こるけど、それ以上に彼女ら2人に襲いくる逃れられない運命は大きく、厄災という大きな敵を生み出し、立て続けに絶望に絶望を重ねてくるダンジョンの怖さと恐ろしさに一緒になって絶望を感じ、ハラハラしながらも、また一気に読み切ってしまいました。
今巻でも物語は終わらず、一定の区切りはあってもまだまだ序盤という感じ。
だから、余計に次が気になります。 -
Posted by ブクログ
前巻で大きな事件も解決し、次はどんな新しい冒険が始まるのだろうと思って読み始めたのだけど、まだ何も終わってはいなかったんですね。むしろ、ここからが大変だったんだなと、読み終わってようやく知りました。
自分が浅はかなだけだったんだろうけど、ひと段落したし、じゃあ次は新章ねって、そんな簡単にはいかないですよね。あのまま終わっていたら、ほかの読者が納得しなかったはず。
お恥ずかしいながら、そんなことを露ほども考えず先の展開を楽しみに読み始めたから、この長く壮大なエピローグに、これまでで一番の感動と衝撃を覚えました。
本当にここまで詳細に、そしてここから始まる次なる展開への布石として丁寧に書いてくれて、さらには、息つく暇もないほどの緊迫した展開を読ませていただき、本当に感謝です。
大冒険を読み切った気持ちの良い読後感に浸れました。 -
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エピソード『ヘイズ』を読み、彼女の泥臭くも圧倒的な輝きに深く胸を打たれた。
かつてヘイズは「ありとあらゆる者に敗北した。始まりの朝焼けも、終わりの夕暮れも、血塗れの体と瞳を焼く黄昏のその光は、欲していた黄金の光とはほど遠く」という絶望の中にいた。勇士になれず、「(く、そぉ・・・・・・・)」と挫折に心を軋ませていた彼女が、アミッドと手を取り合った瞬間に世界が変わる。『黄金の魔女』と『銀の聖女』が起こした奇跡の共闘。それは、「一秒の間に破壊されるならば、秒にも満たない刹那のうちに全快すればいい」という、二人の出力を掛け合わせた圧倒的な飽和回復だった。「余計なことをッ!!」と毒づきながらも、「金と銀の光を纏うヘイズ」として無双する姿には鳥肌が立った。
どん底から這い上がり、今や満たす煤者達の長となった彼女は、神々すら見通せない未来を生きている。傷は消えなくても「それでも生きて、やっていくしかないのだろう」と空を仰ぐ姿に、人間としての強いレジリエンスを感じる。
彼女は勇士にはなれなかったが、戦士を産み落とす大地となり、胸に秘めた「いつか、本物の黄金に」という誓いを手放さない。そんな彼女にフレイヤが贈った「ありがとう、ヘイズ。こんなにも輝いてくれて」「ありがとう、私の大切な黄金」という言葉は、読者の心の声そのものだ。魂を黄金に変えた彼女の軌跡に、心からの拍手を送りたい。 -
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9巻から続く上下巻の第10作目。
理知を備えた異能のモンスター「異端児(ゼノス)」を取り巻く差別の話に終始するのかと思っていたら、予想を遥かに凌ぐ壮大な話でした。
第10巻は千年も前から続く呪い(カース)が主題だった気がするけど、呪いって意外と身近なものでもあるんじゃないかという気が、今作を読んで思いました。
だって、もしも自分がもっと裕福な家に生まれていたら、逆に貧しい家だったら、違う国だったら、人種だったら。自分では選べない最初のガチャの結果によっては、あらゆるものを呪っていたかもしれない。(全然話の規模は違うけど)
それによって差別だって受けていたかもしれない。
そう思うと、ファンタジーの世界も現実も、問題の根底は変わらないのかもと思いました。
ただ、ここまであまり冒険をしてないような気もする。
話が大き過ぎてそんな暇なんかないって感じ。
今回の結末も読んで、冒険譚ではなく英雄譚にだんだんなってきたなと。
もっともっとダンジョンに潜って冒険やら、とんでもないアイテムやら、伝説の装備やら、そういう話はまだないのかな。
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10巻と合わせて今回のストーリーは完結するようなので、全体の感想は10巻を読み終えてから。
ただ、今回の物語は、「魔物との共存」。
ただし、調教した魔物ではなくて、知性を持った魔物。
人語を喋り、武器防具を使う。
そんな彼らと共存の道はあるのか。
そんな魔物たちとの出会いと、戦わないで済むにはどうしたらいいかという苦悩に満ちた話でした。
いくら話が通じるとはいえ、今までお互い生き残るために殺し合ってきたものが、いきなり仲良く暮らせるかと言われたら、やっぱり怖いし、躊躇ってしまうし、それが普通なのではないかとも思う。
でも、勇気を出して、恐怖を押し殺して一歩前に出て相手の話を聞こうと、助けようと歩み寄る。
偏見と差別。また、助けることで次は自分が周りから嫌われる恐怖。
冒険譚のはずなのに、なかなかに考えさせられる深い話だった。
これがどう終わりを迎えるのか、とても楽しみです。