上田健次のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回も良かったなぁ。
特に最後の「色鉛筆」が良かった。
言いたいことは沢山あるけど、ネタバレしちゃうしなぁ。
「普通という言葉はよく分からないことを曖昧にしたい時に使う言葉じゃないか」といったところが出てきててね。
なるほど!って思ったんだよね。
元々私は普通という言葉がどうもあまり好きではなくて。
そういうことか!と腑に落ちた。
色鉛筆の色だってそうよね。
世間一般でなんとなく統一しているだけだもんね。
娘たちが色鉛筆を使うようになって、「はだいろ」が「ペールオレンジ」や「うすだいだい」と名前が変わっているのに気付いたとき、私は何も考えずにこの色を使っていたんだなって反省したんだよね。
こ -
Posted by ブクログ
お祭りの縁日などで見る、大きな鉄板で焼きそばを焼いている人、そして向かい側に誰かが立っているイラストが表紙。この鉄板(テッパン)が大きな意味を持つ…
主人公は中学卒業と同時に渡米していたが、同窓会で当時作ったタイムカプセルを開けるために久しぶりに帰国。そしてタイムカプセルに入っていた『おみくじ』だけを手に握り締める…忘れもしない中学三年の夏休みに出会った、中学生ながら屋台を営む町一番の不良、東屋(あずまや)との思い出の品だった。
そこから物語は舞台を80年代の東京に移し、回想シーンが描かれてゆく。
回想シーンの中で、彼と僕のひと夏の切ない物語が展開する。この不良の東屋がいい奴。家庭が複雑