あらすじ
既刊全巻・重版出来、待望の第5弾!
東京は銀座の片隅にある老舗文房具店「四宝堂」。常連客はもちろんのこと、外国からの旅行者も虜にする名店だ。そんな店を一人で切り盛りする宝田硯のもとには、今日も様々なお客が訪れて――。
優秀な兄たちと比較され続け息苦しい毎日をおくる少年に、従業員の些細なミスが気になりイライラが止まらない新米店長など。悩める人々の心が、店主の優しい言葉でじんわり解きほぐされていく。
「こんなお店が本当にあったなら」と願うファンの声が続々届く、大人気シリーズ第5弾。硯の父・天才画家の墨舟と早逝した母・里利の出会いのエピソードも収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
安定の癒しでした。
硯ちゃんの人柄、ホントに素敵。
シリーズ5作目ですが、どれを読んでも毎回心が温かくなります。
忙しい毎日から解き放たれる、癒しの空間に連れていってくれました。
Posted by ブクログ
読み始めは「うきゃ♡」ってなったけど、読み終わりは涙が滲んだよね。
不器用だなぁ。もう。
周りに頼りになる昔馴染みの人たちが沢山いるっていうのにも助けられてるんだろうなぁ。
しかし、この亀のような歩みの焦ったさよ。
サザエさん時空ではないのが分かったものの、これこのまま待っていたら読者は老人になってしまうんじゃあなかろうかという焦ったさ。
前巻でやっとああなって、今巻でこうなったから、次巻はやっとあれで、次々巻でようやく待ちに待ったあれかいな?
いや、もしかすると次々巻と次々次巻の二部作に渡る焦ったさを発揮するかもしれん。
先は長い。
こちらも心してかからねばなるまい。
健康に留意して長生きする覚悟を決めねば。
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★ものさし
ホームステイの少年が瑛太くんと晴菜ちゃんが贈るものさし
★カード
新装オープンのカフェの新米店長。スタッフの人との距離を近づける
★ナイフ
四宝堂さんが骨董市に出展した時に巡り巡った縁のナイフのお話 祖父と孫の、時代を超えたつながり
★サインペン
インタビューを受ける硯さんのところにきた薫さん。
先輩に学んだ〇と□
×は自分にだけつける
★絵の具
硯さんのお父さんがでてきたー!
会えてないけど温かさを感じる硯さんのお母さんと3人のお話。すてきでした。
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四宝堂第五弾。
せっかく硯が良子にプロポーズしたというのに、
全然話が進んでいなかった。
店長になって、他の店員との人間関係に悩む女性が登場する「カード」が良かった。
コレクトの秘書カード「交際」というカードの存在を初めて知ったし、
机の小引き出しからインクを出してガラスペンで書くのは、
ちょっとうらやましい場面だった。
インクのシリーズを一色一色買っていくエピソードも良かった。
硯の父親が主役で、
硯と良子の結婚のために日本に呼び戻される話も良かった。
硯が産まれる前に父母が、ジャズシンガーとバンドの運転手として、
日本中を旅していたのも夢があって良かったが、
母親が亡くなった後、父子でも日本のあちこちを旅をしていて、
とある学校の教頭先生に諭された場面も印象的だった。
父親は硯の学校の成績は悪くないと思っていたのに、
教頭先生は、
それはすぐにいなくなってしまう子供に無難に3をつけているんですよ、
定住するか、硯をどこかに預けた方が良いと言ってくれた。
良い人に巡り合えて良かった。
Posted by ブクログ
人気シリーズ5作目。銀座の文房具店「四宝堂」を舞台に、文房具をモチーフにした連作。四宝堂の品揃えも店主の宝田硯も魅力的で、文房具好きには堪らない物語。特に、『カード』が良かった。最後の『絵具』には、硯の父母の出会いのエピソードも盛り込まれ、これまた面白かった。
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シリーズ5作目。短編全5話。
今回も面白かった!特に新任のレストラン女性店長と老婆の「カード」は、心が暖かくなり、明日から頑張ろう!という気持ちが湧いてきて、とても良かった。
最後の「絵の具」は、硯の生い立ちがわかり、感動です。
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾。
銀座にある老舗文房具店「四宝堂」には悩みを持った人や心が疲れている人が訪れる。店主の宝田硯はそんな人達に癒しを与えてくれる存在だ。そしてここの常連客も相手の話に耳を傾け、寄り添うことが出来る人達ばかりだ。
複雑な家庭環境で育った店主の宝田硯。子供ならがに大人の気持ちを思いやり、寂しさを乗り越えながら生きてきた。そんな心優しい宝田硯だからこそ、いい人と巡り会い幸せになって欲しい。
「絵具」の話は読んでいて目頭が熱くなった。次のシリーズが待ち遠しい作品だ。
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どの話も良かった。最後の「絵具」は硯の父親と母親、子供時代の硯の話で、硯がどのように育てられたかが分かる。絵を描く父親のことを思って祖父のもとで暮らすことを決めた硯、父親からの手紙と添えられた絵には家族3人の姿が⋯(涙)良子との婚約も祝福してもらえて良かった。
Posted by ブクログ
硯さんのご両親が素敵。
丸石さんちのおじいちゃんのおじいちゃんも最高♡
全く本の感想ではないのですが、会議の議事録をとるのが苦痛で苦痛で…
そんなとき、この中の4話目の「サインペン」。主人公はアナログ人間のインタビュアー。
あ、そうかぁ…私、ICレコーダーに頼りすぎてたんだ…
手帳にごちゃごちゃメモってるからあとでなんて書いてあるかわかんないだ…
早速、このキャンパスのレポート用紙を入手。
今度の会議はがんばるぞー
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾。
大好きなこのシリーズもすでに5巻目、文房具好きにはたまらない。
たくさんの文房具類が出てくるのも楽しみのひとつである。
そして、店主の宝田硯の気遣いのある丁寧で優しい接客に惚れ惚れする。
「ものさし」〜短期留学生の中学男子の悩み
「カード」〜オープン店の新米店長の苦悩とは
「ナイフ」〜祖父が小学生の頃に少しの間、暮らした祖父との思い出
「サインペン」〜出版社に就職した時期に取材や原稿の書き方を教えてくれた先輩との思い出
「絵具」〜硯の父(天才画家・墨舟)と早逝した母(里利)との出会い
硯と隣りの良子との結婚に向けて、今まで触れてこなかった硯の父が「絵具」で出てくるのだが、会わずに一枚の絵と手紙が…。
感涙。
老若男女、すべての人がペンを持ち紙やメモに字を書き絵も描く。
手紙やカードを使うことが少なくなったとはいえ、ポチ袋やお祝い袋など利用する。
なんやかやとやっぱり文房具を使っているからこそ、思い出もたくさんあるはず。
でもやっぱり、自筆の心のこもった手紙をもらうのは嬉しいと思う。
それも会いたい愛しい人ならなおさらだろう。
Posted by ブクログ
シリーズ5作目
今回は、
ものさし
カード
ナイフ
サインペン
絵具
と、なっていました。
オーストラリアからの短期留学生の話や四方堂文具店が『大江戸骨董市』に出店したりと今までとは少し変わった話もあって面白かった。
また、店主の硯さんの家族の話もあって、心が温かくなって涙が流れてしまいました。
どれも素敵な話でしたが、今回は特に「カード」の話が好きでした。
人との関わり方には色々と考えさせられました。そして、私も褒め上手になりたいな〜と思いました。
とっても優しくて温かい物語でした。
続編も楽しみにしています。
Posted by ブクログ
七光とは正反対の心情。同じ道には進みたくない2世も多くいることでしょう。異国の地で囲まれた不安に対する打開策を見出す。じぶん物差しは良いですね。人の基準はその人のみぞ知る。他人には干渉されずに計れるのがいい。
少し前に「キッチン常夜灯」を読んでいたので、飲食店のスタッフ同士の関係性が改善する話は親近感を覚えた。読書の連鎖がもたらすちょっとした喜びでした。硯さん、文さんご両名は策士ですね。
竹とんぼは子供の頃に竹を削って作りました。飛行機の羽のような形に整えると推進力がグッとついて一気に浮上する感じが手のひらを通じて分かる瞬間は嬉しかった。少しずつ高く舞い上がる形が分かるようになるともっと高くと欲が出て失敗することも。
筆、墨、硯、紙が含まれる名前の家系だったのですね。研がれても研がれても鮮やかな絵・文字の材料を生み出す受け止め役。墨汁が描く絵画や言葉は人の心を刺激する。硯さんは幼いながらも心を揺さぶる黒子役を担っていた。今どきだと何博士ちゃんと呼ばれるのでしょうか。
Posted by ブクログ
本当にいい人しか出てこない物語です。
(あ!イヤな社長が一人いたかも!)
5冊目にもなると、今までのお話の中で登場した人がちょくちょく登場して嬉しくなります。
そして何よりも表紙の絵がいつもと違う!
いつもはお店の外観が描かれていたのですが、今作はお店の中が!
私が想像していたより数段広い店内。これは見て回るのがとっても楽しそう(≧∀≦)
前作でズズっと前進した硯ちゃんと良子。今作では結婚式?なんて期待していたけれど、なかなかののんびり具合ですねー(^^;)
その代わり、硯の父と母の過去のエピソードが。少年時代の硯のこと、ちょっと心配だったのだけれど、やっぱり人って話してみないと分からないものですねー。硯のお父さんも色々辛かったんだな、でも必死に子育てしたんだな、だから硯ちゃん、こんなにいい子に育ったんだな、なんて思いました。
さて!第6段ではさすがに結婚式でしょうか?楽しみにしてます(о´∀`о)
Posted by ブクログ
楽しみにしていたシリーズ5作目。
今回も悩める人々が四宝堂を訪れる。
店主の硯さんは文房具店員の域を超えて、もはやカウンセラーの様。穏やかで丁寧な対応にこちらまで癒された。
回を重ねるごとに、文房具の描写は減ってきている印象。初めの頃の「文房具屋さん」という雰囲気の方が独自性があって、より好きだったな。
今回は硯の両親のエピソードも明らかになって、物語が少し動き出した感じ。
次はいよいよ良子と結婚?
Posted by ブクログ
毎巻欠かさず読んでいます。
今回も四宝堂を介した人達のドラマに心が暖かくなりました。
それと硯と良子も進展があった上に、硯の両親について書かれており硯の生活もあと少しで固まるのだなと実感しました。
良子との絡みを書かれたのが少なく、そこが物足りなさを感じますが、次巻に期待することにします。
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文具のうんちくは専門的すぎてすぐ忘れちゃうと思いますけど、面白い!
四章の□と○の話しが良かったです。自分も使おう!
縦軸は僅かな主人公と幼馴染の関係、今回は具体的に結婚式まで行きそうな、これはほとんどなく、物語の大半を占める文具にまつわり人生をかたる横軸の構成で、うまく文具の話しとマッチして楽しい。「ナイフ」と「サインペン」の話しが良かったです
Posted by ブクログ
シリーズ5巻目です。
このシリーズはいつも職場の方に貸していただいてるのですが、今回も優しい話ばかりで、心が癒されました。硯さんの生い立ちや家族のお話も知ることが出来て、次巻にも期待しかありません。
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硯の父親、墨舟さん登場。雅号かと思ったら本名!四宝堂初代の考えなんですね。親としてはちょっとねぇ。引っ張り回したあとは放置!想いは通じ合っていてももう少し早く帰れなかったのか。大橋さんてすごい人だったんだ。今回墨舟さんを連れ戻した経緯を見てびっくり。
「サインペン」の桃子さん、素敵な先輩。私も最近後輩の指導員になったばかりなので見習いたい。「ナイフ」の話良かった。祖父から孫へ、そしてそのまた孫へ繋がっていく思い。「人に向けた刃物は自分に向かう」戦争経験者の重い言葉。
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シリーズ第5弾
今作も心温まる素敵なお話ばかりでした❁⃘*.゚
どのお話もとっても良かったのですが、中でも「絵具」がお気に入りです。
硯さんの父親(墨舟)と母親(里利)のエピソードが素敵で、物語を読み終わる頃には涙が溢れてきました。
「絵具」に登場した【奥大井湖上駅】から見渡せる景色を、いつか実際に行って見てみたいです!
「四宝堂」シリーズを読むといつも気になる文房具が登場するのですが、今作ではペントの『コトバノイロ』シリーズのインクが気になりました。
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優しい物語に温かい気持ちになりました。最後の主人公の父親の話にグッときて、泣きそうになりました。人と人との縁は不思議ですね。続きが楽しみです。
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実在するなら入り浸ること間違いなしの文具店「四宝堂」。2階の畳敷で喫茶「ほゝづゑ」のコーヒーとサンドイッチをいただくのが私のささやかな妄想です。本作も店主硯さんの人たらしが炸裂。安定の四宝堂ファン獲得戦略進行中です。ハードボイルドタッチで展開するご両親の若かりし頃の話もあって、あれ?そろそろ完結?の雰囲気も感じましたが、どうやらまだまだ続きそうなここ四宝堂でありました。それにしても人の機微を汲むのがなんて上手い人なのでしょう。
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【収録作品】ものさし/カード/ナイフ/サインペン/絵具
ものさし…オーストラリアからの短期留学生
カード…新規出店した店の店長
ナイフ…孫と銀座に来た祖父
サインペン…ライター
絵具…硯の両親の出会いのエピソード
物にまつわる思い出とそこから今を生きる人の思いが胸に沁みる。
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コレクト秘書カード
・ 焦らずに毎日少しずつでいいからその人のことを もっとしろう って気持ちで接していると 意外といろんなことが分かってくる
・ その人がしてくれたことを覚えておく いつどこで どんな場面で 誰に対してどんなことをしてくれたのか ってことを
・ 失敗や ひどい言動をすることもあるけれど それは絶対に書き留めてはだめ
・ 上司として指導しなければならないと思ったらその日のうちに口頭で注意をしてそれでおしまい失敗や過ちをカードに書き残して相手が忘れた頃に あの時はああ だった こうだった とやってしまったらその瞬間に 閻魔帳になってしまう 絶対に良いことだけを書き残すように
Posted by ブクログ
「ちょっとしたことかもしれないけれど、ちょっとしたことの積み重ねが、お店の雰囲気を作り上げる」
「私、本当に嬉しくて。自分が大好きな商品を誰かが手にとってくれる、買ってくれるというのがお店で働く一番の喜びだから」
私もお店を経営していますが、この2つのセリフで初心帰るに思いでした。
丁寧に真心こめた接客、商品をお買い上げ頂いたときの嬉しさをこれからも大切にしていきたいと思いました。
Posted by ブクログ
優秀な兄と比べる父に言えない思いを抱える短期留学生の少年・ジャックが四宝堂で見つけたものとは…『ものさし』。
新店舗を任されスタッフの扱いに悩む新米店長の女性は、四宝堂で上品な老婦人と出会い…『カード』。
中学生になった孫との距離感に悩む男性が骨董市で見つけた肥後守。遠い昔の祖父との記憶が蘇り…『ナイフ』。
銀座の商店会の会報の取材で訪れた女性記者が、新人時代にお世話になった先輩女性記者との思い出を語る『サインペン』。
良子と硯の婚約が決まり帰国した硯の父・墨舟が亡き妻・里利の思い出を振り返る『絵具』。
今回は亡き人との思い出が蘇るエピソードが多かった。それと人との距離感に悩む人々というのがテーマなのかなと思った。
印象に残ったのは女性2人のエピソード。『サインペン』に出てくる先輩の桃子さんが素敵な人で、こんな先輩いたらいいだろうなぁ。○と□を使うというのは素敵なアイディア。『カード』の新米店長は本当にありそうというか、この悩み抱える人多いだろうと思った。飲食とか特に忙しくてスタッフのことちゃんと見るというのも大変そうだし。
Posted by ブクログ
銀座にある、老舗文房具店「四宝堂」
「宝田硯」は若いながらそのお店の店主だ。
今回の主役となる文房具は
ものさし、カード、ナイフ、サインペン、絵具だ。
これからの人生に必要となるもの、気付きを与えてくれたもの、思い出に残るものと、それぞれ立場は違えど、短編の主人公に寄り添っていた。
本当の主人公、「四宝堂」店主の「宝田硯」はその思い出や気持ちに温かな彩りを添える役割を担っている。
幼なじみの良子との婚約も成立し、彼自身が人生の岐路に立ち、「絵具」では両親のエピソードが描かれた。
やわらかくて優しい物語の連続に今回も心が穏やかになった。