青木真兵のレビュー一覧

  • 武器としての土着思考―僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由

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    ルチャ・リブロを夫婦で運営している青木さんによる「土着」について論じている本。青木さんの文章は、我々が日々生きていく中で忘れていたことを思い出させてくれるような懐かしい気持ちになります…特に2章の”売り物にならないからと言われても、自分の人生を手づくりしていく。”と、4章の障害者への就労支援について、”就労支援とは、人が社会と折り合いをつけるサポートをする仕事だと思っています。”のところが印象的でした。

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    2024年08月16日
  • 武器としての土着思考―僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由

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    ネタバレ

    当たり前のことに立ち戻らせてくれる本。

    「世の中は商品で構成されている」ことや「別の原理が働く世界」に蓋をしていることに立ち止まらせてくれる本。自由の幅の広さを示してくれる本でもあると思う。わかりやすく言うと、世界が広がる感じ。

    土着とは、
    第1章
    自分にとっての「ちょうどよい」を見つけ、身につけること。
    資本の原理が支配する世界ではない別の世界に好きな時に移れるようになること。
    自分の感性を「手づくり」すること。
    第2章
    その状況に応じて適した手段を選べること。(都市に住みながら地域社会の中で生活することなど)
    自分にとっての「ちょうどよい」を見つけ、手放さないこと、そのためには手段を選

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    2024年07月20日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮

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    2024年05月21日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 手づくりのアジール

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    都会に住んでハウツー本を片っ端から読んでこういう本を読むってどうなのよ、でもなんかすごい。この本で紹介されてる本を読もうという気になってきた。
    社会から離れたところに身を置く。他者が自分との違いを確認できる相手である必要はない。自分と比較不能な他者の中に身を置く。生きていることもあれば死んでいることもある。意見を変えてもいい。みんなが考えない社会がいい社会という感覚への違和感。

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    2023年01月14日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
     新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た

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    2022年01月10日
  • 手づくりのアジール

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    ネタバレ

    近代、前近代、ポストモダンて、何かよくわからない。歴史的時代区分なのか、それに伴う思想的区分なのか。
    そういう、人文知の大前提がわかってない状況ながらも、この本で問われている現代資本主義社会への違和感や、そうした巨大なシステムに対してどの様なスタンスで生きることが、より楽しく生きられるのかという思索は非常に心地よく、分かりやすかった。
    自然と人との共存というのを、ずっと私自身のテーマにしていたが、その中で社会のシステムをサステナブルに変えていくことと、そのシステムのオルタナティブにして社会の外側に立つことの意義というのを、この本を読んで改めて具体化することができ、また、著者の言う様に両者を行っ

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    2021年12月02日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。

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    2021年02月19日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限界があるものだと思うけど、その点本作は、根っこの部分でのブレをほとんど感じさせることなく、だけどそれぞれに違った見地からの論旨が展開されていて、感じ入ることしきりだった。

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    2020年12月14日
  • 武器としての土着思考―僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由

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    働くために生きているのか?国のための国民なのか?国力でしかないのか?データがそんなに大事?多く稼いだほうが幸せなの?といった、いやそうじゃないでしょ!といいたくなることが常日頃から感じていたことを、この息苦しさを言語化してくれる本と出会いました。「土着思考」という言葉を見て、田舎に移り住んで自給自足の生活をすることがいいのかな?とタイトルだけで思っていたのが大間違いでした。青木夫妻にとっては移住経験が気づきのきっかけになったに過ぎなくて、我々一人ひとりがこの社会へ疑問を持ち、この社会のシステムに飲まれるんじゃなくて、自分にとっての幸せとは何かを自分の頭で考えて、ひとつの価値観に捉われないような

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    2025年02月08日
  • 武器としての土着思考―僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由

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    23 物質的な豊かさ 商品を選ぶこと
    28 手づくりには時間がかかる
    152 一つの原理だけに追い込まれない

    途中、ちょっと思想強めだなと思う部分もありつつ、つくるということを説いている点は、『手づくりのアジール』と同様共感した。

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    2024年11月11日
  • 手づくりのアジール

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    ネタバレ

    58 商品化の波に飲み込まれないようにどうやって自分を守っていくか
    126 範囲を狭めすぎない。
    133 比較不能の平野に立つ、手づくり
    170 資本主義な部分とそうじゃない部分を持つ

    手づくりすることを大切にしていきたい

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    2024年11月11日
  • 武器としての土着思考―僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由

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    土着する とは生き物としての自分とシステムとしての社会の間にあるギャップに気づき、その両者の折り合いをつけながら生きていくこと
    0か1ではなく矛盾を抱えていくことが肝腎

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    2024年10月13日
  • 撤退論

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    何人もの人が論を挙げてくれているのだが、詰まるところは最後の平川さんのいうところが、今の自分にはスッとハマるように思う。本の最初で編者の内田さんが、一つの論を読み終わったらすぐ次に行かないで浸って欲しいというようなことを書いていたが、そしてその通りにやってみようとはしたのだが、生来の性格なのか、なかなか難しかった。
    最後の平川さんの論に準じるなら、こういう「性格」と思っているようなことでもシフトすることはできるのだろう。

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    2024年09月10日
  • 手づくりのアジール

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    社会の中でアジール(避難所)を自分たちの手で確保するという言葉に惹かれて手に取る。
    面白く刺激的だけれど、それを明文化するには自分の中の蓄えが足りない。働くとは生きるとは何だろうということに思いを馳せさせられた。

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    2023年09月21日
  • 撤退論

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    内田の依頼に応じた識者たちが人口減少の日本の撤退論を語る。



    それぞれある意味好き勝手に持論を書いている。

    これをここでまとめても意味はなかろう。

    自分の思う「撤退論」を書くことにする。

    識者の意見に影響を受けつつ。



    人口減少は先進国共通の現象であり、これを避けることはできない。

    異次元の少子化で児童手当増額などといいながら、

    扶養控除を廃止したり、社会保険料を増やそうとする政府の愚には呆れる。



    彼らにこそ撤退論が必要なのだ。

    高度成長時代の、人口増加時代の仕組を変えようとせずに小手先だけの政策を行う。

    前例に倣うことしかできない。

    更に省益優先、OBの天下り先

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    2023年05月29日
  • 撤退論

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    各界の著名人から内田樹氏が撤退について執筆を依頼し、まとめたもの。各専門分野からの種々の視点でどう考えているのかが分かり面白い。

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    2023年05月25日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    面白かった〜
    30代から70代の、それぞれ生業が違う著者による寄稿集。
    世代によってか、なんとなく色が分かれてたのがまた興味深い。
    引用してるデータはもちろん、参考文献が結構かぶってるのも興味深かった。
    対象読者である大学生の知り合いに贈りたいし、こういうテーマについてよく話す友人にも読んでほしい。

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    2022年10月29日