青木真兵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
指針というかメッセージ集です。
前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
心に残る内容です。
20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
変わってきているコロナの状態ですが。
やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
思います。
たしかに、自分の息子も含めて、若い人たちには
今後この世界の変えられるものを、正しく変えていき
少しでも多くの人たちが生きやすい世の中にして
いってもらいたいと思います。 -
Posted by ブクログ
「市場価値だけでは測れないものは、本当に価値がないのだろうか。」
『資本主義を半分捨てる』は、資本主義を否定する本というよりも、私たちが無意識に従っている「市場のものさし」を問い直す本だった。
本書では、売れるかどうか、評価されるかどうかといった交換価値だけでなく、人や物が本来持っている価値にも目を向ける。SNSや自己啓発、キャリア形成などを通じて、現代は何でも数値化・商品化しやすい時代になった。しかし、人との雑談、地域文化、趣味の時間、安心できる居場所のように、人生を支えている重要なものほど数値化しづらい。
特に印象に残ったのは、「もう十分だと認めること」という考え方だった。現代社会は常に成長や効率化を求めるが、自分にとっての「ちょうどよさ」は他人との比較では決められない。どこまでを求め、どこで立ち止まるかは、自分自身との対話が必要になる。
また、本書は働くことや教育、医療、ジェンダーなど幅広いテーマを扱うが、共通しているのは「数値や制度だけでは捉えきれない人間の営み」への視線である。西洋医学の検査数値と本人の体感、学校の評価と学びそのもの、効率化と雑談のように、現代社会は測りやすいものを重視する一方で、測りにくいものを見落としがちだと気付かされた。
読んでいて、資本主義や市場そのものを否定する気にはならなかった。むしろ、お金や数値は便利な道具だが、それだけで世界を理解した気になってはいけないのだと思う。客観的な指標と自分の実感、その両方を行き来することが大切なのだろう。
本書を読んでいると、「何が正しいか」よりも、「自分はどんなものさしで世界を見ているのか」を考えたくなる。私たちは普段、数字にならないものをどれだけ大切にできているだろうか。そんな問いを静かに投げかけてくれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
タイトル買い。
やや求めてるものとはズレてたが、結構面白かった。「おわりに」で、ゴールや結論はまだ出てなくて模索中って書いてあるのも良い。
資本主義では、ほとんどのものが「商品」として扱われそれは我々人間も例外ではない。それに組み込まれてしまうと交換可能な商品としての社会的価値を追い求めることになってしまい、自己ニーズではなく他者ニーズに従う息苦しい人生が待っている。そうではなく、自己ニーズを満たしていった(ヴァナキュラーな営みの)先で、過剰に得た分を再分配するような、贈与と返礼の循環を再構成する。すなわち自立共生的、コンヴィヴィアルな社会を目指す。
これが主題だが一方で、完全にヴァナキュラーな営みで生活を満たす、真のコンヴィヴィアルな社会を目指すだけが大事なことではなく、生き方を選ぶためにも現代のテクノロジーの恩恵を適度に受けながら、ちょうど良い暮らしを模索する。こちらが本題であった。
いいとこ取りしてちょうど良い暮らしを目指す勇気的なものをもらえた。
最近他の本読んでても思ったけど、そもそもなんで人間って繋がりを必要とするんだっけ?完全に孤立して生きていくことになんの不都合があるんだっけみたいなことを再考するきっかけになりそう。 -
Posted by ブクログ
2020年、COVID-19が席巻した世界では次々と社会の歪みが露呈した。そのコロナ期とポストコロナ期に、次世代の若者たちがどう生きるべきかを内田樹をはじめとした様々な年代の言論人たちが語る。
内田さんが声をかけて集まった様々な分野の今をときめく著名人たちがコロナとコロナ後の世界をテーマに執筆しました。内田さんのセレクトだけあってみんなけっこう尖っていて(偏っていて)どれも読み応えのある内容でした。中学生向きということで平易な文章で一編が短いのも読みやすくていいと思います。そしてみんな分野が違うので、コロナ期というものを違う角度から見ているのも面白い。また、分野が違っても結局、多くの著者が今世紀に入ってからの日本の教育が間違っていると言及しているところが内田さんセレクトらしくていいし、実際にその通りだと感じます。
近代に入ってから特徴的なのは膨大な富を得た後に残る負債を残らず次世代に押し付けるところ。これを明確にあぶり出したのがコロナで、コロナがあってもなくても次世代の若者たちは老人たちのケツを拭きながら生きる羽目になります。そのことに若者たちと、おそらく現役世代に含まれる私たちがどう向き合って生きなければならないのか、時代のまさに転換点に生きているということを感じさせる本でした。
特にキューバを例とした無料医療に言及した三砂ちづるさんの章が勉強になりました。ということでゲバラの若き日の旅路を描いた「モーターサイクルダイアリーズ」も併せてお楽しみください。この映画はすごくよかった。本も出てる。
あ、あとバランスを取るために武田邦彦の「君が地球を守る必要はありません」もどうぞ。 -
Posted by ブクログ
少子高齢化社会でも経済成長を続けることは、お米が足りないのにおにぎりをもっと作れって言ってるようなものなのかな。無理よね。
まず、無理を認めること。
それから、資本主義社会の外の世界があることを知り、体験し、その世界の間でバランスをとっていくことが鍵だと思った。
・大切なことを持続させるために、我々はこれまでの手法からの撤退を学ぶべきなのである。
・社会の内と外、此岸と彼岸、文明と自然、常識と非常識などなど、二つの原理を行ったり来たりすることで、問題を「なんとなく」暫定的に解決する。これが地に足を着けることである。
・現代における下野とは、他社のニーズを全く気にせず、とにかく徹底的に主観を認めることだと言えます。
・僕らが生きている時間の中には、大きく分けて二つの相があります。ひとつは必ず前に進む「文明の時間」、もうひとつは循環し回帰する「自然の時間」です。猫には、循環する時間だけが流れているのです。彼らにら「進歩」の概念がない。