飲茶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者はあとがきで、「本書の全てを読んだとき、知の問題に共通したある哲学的な思考に気づくでしょう」と述べている。私は、それは「メタ思考」なのだと思う。つまり、自分の思考をさらに一段上の視点から捉え直すことである。
この思考は、本書の各章に通底している。数学では公理や命題を、科学では帰納主義を、量子力学では「観測するとは何か」という問題を、そして心や自我では「心とは何か」「自分とは何か」という問いを対象にして考える。さらに、そうした問いを考えている自分自身の思考にも目を向ける。
このことは、科学の歴史にも表れている。観測や実験によって得られた事実から理論を作り、それによって世界を説明してきた。 -
Posted by ブクログ
ハイデガーの哲学がとても分かりやすく要約してあった。死後の世界がどうなっているかとか、そういったスピリチュアルな描写は一切ないにも関わらず、死ぬ事が少しだけ怖くなくなるような話だった。
死を肯定も否定もせず、ただ個々人のみに起こる非代替性であると捉え、だからこそ人はスプーンや鞄のような「道具」ではない。人が死を怖がるのは、自分には代替性があり、死んでもすぐに取って代わる存在があると考えるから、という観点で死を捉えていた。
要約すると、「人はいずれ死ぬ。しかしいつ死ぬか分からない以上は今を全力で生きるべき」というシンプルな内容だが、本書を通読することによって、このシンプルな答えに少し深みが増した -
Posted by ブクログ
哲学とは単に難しいことを考える学問ではなく、自分がどのように考え、行動するかを見直すためにも役立つものだと感じた。
特に印象に残ったのは、ソクラテスの「無知の知」という考え方である。自分が知らないことを自覚することは、新しいことを学ぶための出発点になる。自分は分かっていると思い込んでしまえば、それ以上知ろうとしなくなる。一方で、「自分にはまだ知らないことがある」と考えれば、疑問を持ち、調べ、新しい考え方に触れることができる。今後も「無知だからこそ知ろう」という姿勢を持ち、探究心を失わないようにしたい。
一方で、ただ深く考え続ければよいわけではないとも感じた。プラグマティズムのように、その考 -
Posted by ブクログ
飲茶先生の著作であることに加え、「あした死ぬ幸福の王子」というタイトルの「あした死ぬのに幸福……?」という疑問に興味を持ち、本書を手に取った。
本書は、『幸福の王子』の物語を通してハイデガー哲学を学ぶ入門書である。主人公のオスカー王子は、贅沢な生活を送りながらも人生に意味を見出せずにいた。しかし、死を意識する出来事をきっかけに、自分自身の生き方と向き合っていくことになる。
本書の中心的なテーマは、人は放っておくと世間や他人の価値観に流されて生きてしまうということだ。自分では自分の人生を選んでいるつもりでも、実際には周囲からの評価や「こうあるべき」という価値観に縛られていることは多い。
ハ -
Posted by ブクログ
タイトルと主人公であろう青年の悲壮感MAXな表情の表紙から、さぞ陰惨な正義の物語りなんだろうと思ったけど違った。高校生の授業というベースで話は展開する。
ライトな入門書ってカテゴリーでよいと思います。
あと哲学的なおおまかな歴史。読みやすい。
著者様さすがで、非常に分かりやすく説明してくれていて腹落ちする。好き。
何からの答えを知るために、哲学を学ぶのか。
考えの幅を広げ、思考がとらわれないために学ぶのか。
まぁ大半は後者なんだろうと思う、でも...答えあるのか?
ないならなんで哲学すんだって楽しい思考の無限ループ。
本書でも一応の答え?はある。納得するかはホント個人的な判断なので気楽 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正義の判断基準は3種類しかない。
①平等の正義:功利主義。最大多数の最大幸福。ベンサム。快楽計算。↔︎不平等
「全員の幸福度を計算し、その合計値が一番大きくなる行動をしなさい」
→問題点1:そもそも幸福度は計算できるのか
→問題点2:快楽が本当に幸福だと言えるのか
→問題点3:パターナリズム(独善的なおせっかい主義)
②自由の正義:自由主義。弱い自由主義(自由主義のふりをした功利主義)と強い自由主義(自由>幸福)。愚行権。↔︎不自由
「個人の自由を守る行動をしなさい」
→問題点1:格差の拡大と弱者の排除
→問題点2:自己責任、個人主義の横行によるモラルの低下
→問題点3:当人同士の合意