奥野克巳のレビュー一覧

  • はじめての人類学

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    人類学という学問は20世紀前半から盛んに研究されるようになった。その考え方の変遷がまとめられた本。
    最近の学問だったのか。


    ・重要人物
    ブロニスワフ・マリノフスキ:生の全体
    クロード・レヴィ=ストロース:生の構造
    フランツ・ボアズ:生のあり方
    ティム・インゴルド:生の流転

    ・変遷
    15世紀:大航海時代、海の向こうの世界と出会う、「他者」についての学問が始まる
    17、18世紀:人間の本質、人間社会の成立への関心が高まる
    19世紀:進化主義的な考え方が広まる
    20世紀:フィールドワークによる新しい人類学が始まる


    ・機能主義:文化の見取り図
    制度や慣習の機能を、文化と社会の関連において解明

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    2025年08月17日
  • 何も持ってないのに、なんで幸せなんですか?

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    「所有・未来・抽象」に縛られず、今この瞬間を素直に生きるプナンの文化は、現代社会に疲れた私たちにとって「自分らしくしなやかに生きるヒント」を与えてくれる―そんな風に読める一冊です。

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    2025年06月22日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    ネタバレ

    コロナ禍の社会の中にいる3名の視座、リレーエッセイ

    日常という状態とは?
    ウイルスと生活するとは?
    自然の営みとは?

    コロナ禍を捉え直す試みは、全体から見つめ直す作業になる
    僕らはどのように変わるのか、変わっていくのか

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    2025年04月26日
  • ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う

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    具体的な民族誌の事例を基に、我々の「当たり前」をひっくり返し、物事の「そもそも」を問い直す人類学の思考法を通して、学校教育、貧富の格差や権力、心の病や死、自然と人間との関係といった身近でありながら重大なトピックを「ひっくり返して」考え、生きづらさの「処方箋」を探る。
    民族により「当たり前」は異なっており、フィールドワークにより紡ぎ出された民族誌の知見により、自分たちの社会の「当たり前」がひっくり返され、物事の根源に立ち戻った本質的な議論につなげることができるという人類学の魅力は、よく理解できた。
    「教える」という概念がないヘヤー・インディアンやプナン、貧富の格差がないプナンやサン・ブッシュマン

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    2025年03月20日
  • ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う

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    ●教育・学びには、教える人と教わる人という二つの立場があることを当たり前に受け止めているが、広い世界、そういう前提がない社会もある。それらの例を持ち出しながら、どこそこではこうであるという別の可能性にあたりながら、私たちが依拠している前提それ自体をひっくり返すという思考法を示すのが本書である。

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    2025年02月15日
  • 人類学とは何か

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    たまに人類学に分類される本を読むが、人類学ってなんだろ?と思ってしまうので、読んでしまったのだが、
    本書は人類学についての入門書とかではけっしてなかったと思う。
    むしろ、著者が自身の経験などから、人類学が歩んできた道のりとこれからどうあるべきかを章ごとにテーマを設けて書いているような本だと思うので、
    もっと人類学を学んできて、改めて人類学ってなんだろ?となってから読むべき本だったかもしれない。

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    2025年01月15日
  • はじめての人類学

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    文化人類学ぐらいしか馴染みがないけど、一体「人類学」って何をしているの?と思って手に取った一冊です。

    本書では。人類学における四人の重要な人類学者、マリノフスキー、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドの紹介を通じて、人類学とは何なのか、主に20世紀の歩みを辿っています。

    それぞれの人物の人生や人類学への歩み、どのようなことを考えたのかなどが順番に紹介されていくだけで、最後まで読み進めていっても、この本を読むきっかけとなる「人類学ってどういう学問なのか?」にはなかなか辿り着かない。と言うよりも全然分からない。
    でも、終章の「これからの人類学」で、そこまでの流れを総合して人類学のこれからと今

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    2024年10月24日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    わたしたちよりもはるかに豊かに、素直に生きられているプナン。当たり前に疑問を持つきっかけになる。ニーチェについても学びたい

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    2024年09月28日
  • はじめての人類学

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    これまで意識していた、哲学など既存の社会学は、人類学という形に変化していることがわかりました。人は、知らないことを畏怖します。しかし、それを積極的に捉えることはしません。でも、好奇心があるから畏怖する。この矛盾の一つの解かもしれません。

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    2024年05月06日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    ネタバレ

    タイトルの通りの内容なので、「ルポルタージュ」ではないかも。何に分類したらいいのかわからない。エッセイでもないし。とにかくタイトルの通り、人類学者の著者が、プナンというボルネオ島に住む人々に密着して気づいたことを、ニーチェの哲学と織り交ぜて、そもそも人間とは、生きるとは何なのか、現代人の、文明的な生活が本来あるべき人間の姿なのか?と考察しながら書いている。
    ちょっとニーチェの引用が難しすぎて読むのに時間がかかってしまったが全体的には面白かった。
    プナンは定住することも、家や土地を所有することもなく、森のなかをうろつき、狩猟採集をして暮らす。子どもは学校に行かない。そもそも所有するという概念がな

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    2024年03月20日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    ネタバレ

    性、経済、宗教などがテーマ。プナンはシェアの理念が根づいているからありがとうの言葉はない。というのが興味深かった。ピダハンを思い出す。

    第4章の宗教ではバルネオ島先住民の複葬が出てくる。白骨化するまで死体を安置する。
    埋葬の仕方によって死の受け入れ方が変わってくるだろうとより世界の葬儀について知りたいと思った。

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    2024年02月16日
  • はじめての人類学

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    はじめての人類学 奥野克巳

    人類学者の紹介と、彼らが人類学者としてどんな実績を積んできたかが章ごとに説明されている。

    ぶっちゃけ難しくてよく分からんかった。笑

    最終章に全てまとめられているので、初めに最終章を読んでから、序盤に戻り、掘り下げて読んでいった方が分かりやすいかも…。

    人類学とは、自民族以外の民族を研究する学問である。
    フランスでは「民族学」と呼ばれている。
    日本の「民俗学」とは違う。

    序章を読んで気づいたのが、この本を手に取った私の根本的な勘違い。
    もっと、精神論的な「人類とは」みたいな研究かと思っていたよ笑
    そういったものは、やはり哲学や精神分析論とかになるのですかね。

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    2024年02月14日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    プナンの生活を通じて、すべての価値観・すべての常識・すべての当たり前を問い直すきっかけになる本。
    「大いなる正午」に出くわす経験。

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    2024年01月04日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    作者のフィールドを例に取り、文化人類学とは、文化とは、フィールドワークとは、異文化理解とはなんなのかをさまざまな切り口でまなべる。

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    2023年12月12日
  • 絡まり合う生命――人間を超えた人類学

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    著者の奥野さんは伊藤さんとの共著「人類学者と言語学者が森に入って考えたこと」を読んで知ったので、別の著作も読んでみようと思い呼んだ。
     この本はあとがきにあるようにいろんなところで発表した文章をひとまとめにした本のようで、いろいろと重複が多い。また誰がどういっているというような記述が頻出してきて著者も十分消化しきれていないようで、あるいは探求の過程がそのまま書かれているようで、面白くもあったが、よみにくくもあった。
     マルチスピーシズ人類学やアニミズムなどがとりあげられ、人類学が人間中心では到達できない地平に人類から離れた俯瞰する視座を設定する。そうすると人そのものも決して確固たる基盤があるわ

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    2023年12月02日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    各章の最初にニーチェの言葉が引用されています。
    それがとても良い。ニーチェの言葉は説得力あるし、元気出る!

    パースペクティヴィズムという概念があることを初めて知りました。
    自分が生き物をじっと観察する時にやりがちなこと。
    今、私に見られている対象物(生き物)がその瞬間何を考えてどう感じているのか、見ている私との関係は今どんな風か。
    これ、パースペクティヴィズムの端くれちゃうの?!ちょっと出来てた気がして嬉しくなった笑

    自然の中で、ただ自然の声を聞き狩猟して食べ物を得て暮らすプナン。
    個人の所有欲という人間の本能かもしれない部分を幼い時期に徹底的に潰し、共同体の一員として平等に分配して皆で利

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    2023年07月11日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    社会学と社会人類学はかなりオーバーラップするところがあって、その違いってなんなんだろうと思い、手に取った。
    どちらも常識の関節外しではあるんだけど、人類学分野はあまりにも遠回りというか、社会の前提というより、文字通り人類のそもそもを問う学問という感じがして気が遠くなる。
    どこにでも順応出来て冒険が楽しい人にとってはたまらないんだろうけど。
    逆カルチャーショックを得るまでの過程があまりにも長いと私は思ってしまった。

    P.130
    インドネシアの民族・プナンは日ごろ、居住地やキャンプから少しだけ離れた森の中の「糞場」で、人目につかないようにして用を足します。州政府が、衛生政策として作ったトイレには

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    2023年06月08日
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門

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    この地球上にはいろいろな文化、思想、価値観が溢れている。正解なんてものは無いけれど、お互いを理解し、受け入れ、尊重できる人がどれだけいるだろう。自分のものさしが全てだと思ってはいけない。

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    2022年12月08日
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える

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    人類学者、作家、障害についての研究者三人によるコロナ後の日常についての刺激的なリレーエッセイ。
    同じテーマを語っていても、各々の感じ方や表現の個性がとても興味深い。類似性と違いが同時に目に入ってくるのが楽しい。

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    2022年07月03日
  • ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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    価値観、人生観というものは生まれ育つ環境で色々変わるものだとしみじみ思った。私を取り巻く環境の中で森の民の価値観を取り入れることは難しいが、同じ地球上で違う常識で生きている人たちがいると知ることはこれからの人生でより大きな目で物事を見る助けとなるだろう。

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    2022年04月09日