【感想・ネタバレ】人類学者K――ロスト・イン・ザ・フォレストのレビュー

あらすじ

《話題の人類学者による初のノンフィクション!》
──まるで小説のようなフィールド体験記

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日本を飛び出し、ボルネオ島の熱帯雨林に生きる狩猟民「プナン」のもとで調査を始める「K」。

彼らは、未来や過去の観念を持たず、死者のあらゆる痕跡を消し去り、反省や謝罪をせず、欲を捨て、現在だけに生きている。

Kは、自分とまるで異なる価値観と生き方に圧倒されながらも、少しずつその世界に入り込んでいく……。


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【目次】
■プロローグ……森を撃つ
■多自然
▶インタールード──ジャカルタのモエ・エ・シャンドン
■時間性
▶インタールード──見失い
■無所有
▶インタールード──明石先生のこと
■人類学
■エピローグ……ロスト・イン・ザ・フォレスト

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Posted by ブクログ

文化人類学者・奥野勝己氏による、ボルネオ島の狩猟民「プナン」の文化、観念を描いた体験記。物語は三人称視点から展開され、主人公はカフカの『城』からとった「K」と呼ばれる日本人青年(= 筆者)。

本書の主な項目は第1章「多自然」第2章「時間性」第3章「無所有」の3点で、現地での体験談をもとに、彼らの暮らしぶりや神話、世界観を詳らかに表す。
文体が三人称であるせいか、ルポというよりは小説っぽさを感じるものの、エピソードごとに細かく節になっているし、その中身は発見+エピソードトークのような社会学や人類学関連の書籍に一般的な形式であるため、伝わりづらさを感じることはなかった。

死者への視線や時間の概念と解釈といった、日本人とプナンで大きく異なる観念は非常に興味深い。読み手からすると時に奇異であったり、時に(日本人の)倫理的に怒りを覚えるようなものもある。そのようなエピソードを、実際に体験した「K」の感情や思考とともに読むことができ、これは大いに理解の助けとなっている。
その一方で、異文化を第三者の意見を踏まえず( 本書では、筆者の主観)、ありのまま受け止めて反芻するような読み方がしたい方には向かないだろう。

レビュー筆者は、プナンのことを本書で初めて知った。今後、彼らについて社会学や生物学等の観点からも学んでみたい。興味の導入として非常に優れた一冊だった。

※ピダハンやアモンダワなど、「時間の概念を持たない」とされる人々についても、本書と同様の形式で読めたらどんなに楽しいだろう。

0
2023年02月12日

Posted by ブクログ

人類学者がボルネオ島のジャングルに生きる
狩猟民プナンのもとで生活し、その狩猟民に
ついてを語るお話でした
思ったよりボリュームなく、ちょっと物足りませんでした
けれど狩猟民についてを知ることはできました
このような狩猟民はまだまだいたるところで
生存しているんだろうか?

0
2025年09月07日

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